技術者倫理

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 技術者倫理
科目番号 5C001 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 創造工学科(応用化学コース) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:1
教科書/教材 「はじめての技術者倫理」:北原義典著:講談社
担当教員 勇 秀忠,久原 正也,藤本 大輔

到達目標

1.具体的な事例を題材にして,技術者倫理とは何かについて説明できる。
2.過去の失敗事例について「技術者倫理」の視点から問題点を説明できる。
3.技術者倫理は「絶対的な正解がない問題」である理由を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1具体的な事例を題材にして,技術者倫理に関わるさまざまなトピックを自らの立場で考え,ポイントを用語を使って説明できる。具体的な事例を題材にして,技術者倫理とは何をめざしているのかについて不十分ながら説明できる。具体的な事例を題材にして,技術者倫理について説明できない。
評価項目2過去の失敗事例と技術者倫理の必要性の関係を説明できる。過去の失敗事例について問題点を「技術者倫理」の視点から不十分ながら説明できる。過去の失敗事例で問題点を「技術者倫理」の視点から説明できない。
評価項目3技術者倫理がなぜ「絶対的な正解がない問題」なのかを「技術者の社会的な責任」と関連づけて論理的に説明できる。技術者倫理は「絶対的な正解がない問題」である理由を,不十分ながら説明できる。技術者倫理は「絶対的な正解がない問題」である理由を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
専門的知識や技術を学ぶ学生にとって,それが現実の世界にどのような影響を与えるのかを考えることは,非常に重要な意味を持つ。この科目では,一般的な「倫理」とは異なる,専門的工業技術者教育の一部門としての「技術者倫理」を取り扱う。すなわち技術的に可能かどうかという基準とは別に,社会や公共の福祉の面から見て,それがどう働くのかという基準があること。また,従来は存在しなかった問題がテクノロジーの発展とともに生み出されていることを意識し,それらにどう対処していくのかという技術者の責任などについて,具体的な事例を交えて学んでいく。
※本科目はSDGsの17の目標の中で4.「質の高い教育をみんなに」9.「産業と技術革新の基盤をつくろう」12.「つくる責任つかう責任」を意識して実施します。
授業の進め方・方法:
教科書を用いた講義とし、主として感想文形式によるレポート,発表により授業展開をする.
注意点:
レポートは「レポート(課題)について正確にわかりやすく説明できるか」について評価する。
発表は「倫理的判断根拠を説明できるか」について評価する。

参考図書:
「工学倫理」堀田源治著,工学図書(株)
「人と技術の社会責任」:米山 猛 著:幻冬舎

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーションほか(講義内容:技術と技能) 技術とは(技術士を説明できる)
2週 技術者の社会的責任と倫理 技術者の社会的責任と倫理について説明できる。
3週 技術者の行動規範 技術者の行動規範について説明できる。
4週 研究倫理 研究倫理について説明できる。
5週 説明責任 説明責任について説明できる。
6週 技術情報と知的財産権の確保 技術情報と知的財産権の確保について説明できる。
7週 内部告発 内部告発について説明できる。
8週 製造物責任 製造物責任について説明できる。
2ndQ
9週 化学と倫理 化学と倫理について説明できる。
10週 ナノテクノロジーと倫理 ナノテクノロジーと倫理について説明できる。
11週 バイオテクノゾロジーと倫理 バイオテクノロジーと倫理について説明できる。
12週 環境保全と倫理
環境保全と倫理について説明できる.
13週 多様性社会と技術者倫理
多様性社会と技術者倫理について説明できる.
14週 技術士倫理綱領 適正問題で倫理的判断を確認する。
15週 期末試験
16週 プレゼンテーション+テスト返却 プレゼンテーション+テスト返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。3前2,前9,前10,前11
説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3前5,前8,前9,前10,前11
社会における技術者の役割と責任を説明できる。3前2,前7
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。3前3,前9,前10,前11
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3前4,前12
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3前4
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。3前13
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3前6,前7,前8
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3前13
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3前12
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3前13
グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解それぞれの国や地域の経済的・社会的な発展に対して科学技術が果たすべき役割や技術者の責任ある行動について説明できる。3前13

評価割合

試験発表相互評価態度レポートその他合計
総合評価割合701000200100
基礎的能力701000200100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000