概要:
専門的知識や技術を学ぶ学生にとって,それが現実の世界にどのような影響を与えるのかを考えることは,非常に重要な意味を持つ。この科目では,一般的な「倫理」とは異なる,専門的工業技術者教育の一部門としての「技術者倫理」を取り扱う。すなわち技術的に可能かどうかという基準とは別に,社会や公共の福祉の面から見て,それがどう働くのかという基準があること。また,従来は存在しなかった問題がテクノロジーの発展とともに生み出されていることを意識し,それらにどう対処していくのかという技術者の責任などについて,具体的な事例を交えて学んでいく。
※本科目はSDGsの17の目標の中で4.「質の高い教育をみんなに」9.「産業と技術革新の基盤をつくろう」12.「つくる責任つかう責任」を意識して実施します。
授業の進め方・方法:
教科書を用いた講義とし、主として感想文形式によるレポート,発表により授業展開をする.
注意点:
レポートは「レポート(課題)について正確にわかりやすく説明できるか」について評価する。
発表は「倫理的判断根拠を説明できるか」について評価する。
参考図書:
「工学倫理」堀田源治著,工学図書(株)
「人と技術の社会責任」:米山 猛 著:幻冬舎
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。 | 3 | 前2,前9,前10,前11 |
説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。 | 3 | 前5,前8,前9,前10,前11 |
社会における技術者の役割と責任を説明できる。 | 3 | 前2,前7 |
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。 | 3 | 前3,前9,前10,前11 |
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。 | 3 | 前4,前12 |
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。 | 3 | 前4 |
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。 | 3 | 前13 |
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。 | 3 | 前6,前7,前8 |
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。 | 3 | 前13 |
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。 | 3 | 前12 |
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。 | 3 | 前13 |
グローバリゼーション・異文化多文化理解 | グローバリゼーション・異文化多文化理解 | それぞれの国や地域の経済的・社会的な発展に対して科学技術が果たすべき役割や技術者の責任ある行動について説明できる。 | 3 | 前13 |