高分子化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 高分子化学Ⅰ
科目番号 5C006 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学科(応用化学コース) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:1
教科書/教材 教科書:三訂 高分子化学入門~高分子の面白さはどこからくるのか~ 著:蒲池幹治 株式会社NTS
担当教員 大河平 紀司

到達目標

1.低分子と高分子の性質の違いを理解し、高分子が有する特徴や分類について分子レベルで説明できる。
2.高分子重合法について分類、特徴、条件を理解し、合成法および生成する高分子の構造等を説明できる。
3.高分子材料について特徴、用途、性質を理解し、機能化の手法および応用展開について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1低分子と高分子の性質の違いを理解し、高分子が有する特徴や分類について正しい語句を用いて分子レベルで正確に説明できる低分子と高分子の性質の違いを理解し、高分子が有する特徴や分類について正しい語句を用いて分子レベルである程度正しく説明できる低分子と高分子の性質の違いを理解し、高分子が有する特徴や分類について説明できない
評価項目2高分子重合法について分類、特徴、条件を理解し、合成法および生成する高分子の構造等を正しい表現で正確に説明できる高分子重合法について分類、特徴、条件を理解し、合成法および生成する高分子の構造等をある程度正しく説明できる高分子重合法について分類、特徴、条件を理解し、合成法および生成する高分子の構造等を説明できない
評価項目3高分子材料について特徴、用途、性質を理解し、機能化の手法および応用展開について正しい表現で正確に説明できる高分子材料について特徴、用途、性質を理解し、機能化の手法および応用展開についてある程度正しく説明できる高分子材料について特徴、用途、性質を理解し、機能化の手法および応用展開について説明できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
我々の身の回りに存在するプラスチック、繊維、ゴムなどはすべて高分子(ポリマー)と呼ばれる物質で構成されている。例えばプラスチック製品としては、スーパーマーケットなどで見られるポリエチレンの包装紙、電子レンジ用のタッパー容器、トレイ用の発泡スチロール、飲料用品のペットボトル、電化製品の樹脂類など多くの例が挙げられる。繊維ではナイロンやポリエステルなど多くの合成繊維がある。ゴムでは自動車のタイヤが代表的に挙げられる。また、自然界では絹、羊毛、綿などの天然繊維や、穀物、材木、動物の肉、皮などはタンパク質やセルロースなどの天然の高分子からできている。また、遺伝情報をつかさどる遺伝子も核酸という高分子で構成されている。このように高分子から作られている物質は非常に多く、日常的に使用されている。本科目では、このような高分子化合物の示す特徴ある性質や機能について理解することを目標とする。なお、この科目は研究組織にて機能性高分子材料の開発について研究活動を行っていた教員が、その経験を活かし、高分子の基礎と応用について講じるものである。
また、本科目は以下に挙げるSDGs(Sustainable Development Goals)に関連するものである。
No.3 すべての人に健康と福祉を
No.6 安全な水とトイレを世界中に
No.7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに
No.9 産業と技術革新の基盤をつくろう
No.13 気候変動に具体的な対策を
No.14 海の豊かさを守ろう
No.15 陸の豊かさも守ろう
授業の進め方・方法:
板書中心で行う。この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習の確認として授業中に確認を行う場合がある。
注意点:
本科目では基礎化学、有機化学、無機化学、生物工学などの総合的な基礎知識が必要となる。
評価は試験100%でおこなう。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
高分子の基礎(1)
本科目の内容について理解する。
高分子の一般的性質について理解する
2週 高分子の基礎(2) 高分子の分類、特徴について理解する
3週 高分子の構造 高分子間に働く分子間力、高次構造について理解する。
4週 高分子の分子量 高分子の分子量および測定法について理解する。
5週 高分子の熱的性質 高分子の熱的性質について理解する。
6週 高分子の力学的性質 高分子の力学的性質について理解する。
7週 高分子の電気的性質 高分子の電気的性質について理解する。
8週 中間試験
2ndQ
9週 高分子の重合反応論(1) 高分子重合法の分類について理解する。
10週 高分子の重合反応論(2) 連鎖重合法であるラジカル重合の原理、特徴、分類について理解する。
11週 高分子の重合反応論(3) 連鎖重合法であるイオン重合、配位重合について理解する。
12週 高分子の重合反応論(4) グループ移動重合の種類、特徴について理解する。
13週 高分子の重合反応論(5) 非連鎖重合法(逐次重合法)の原理、分類について理解する。
14週 高分子の重合反応論(6) 非連鎖重合法(逐次重合法)の種類、特徴について理解する。
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学高分子化合物がどのようなものか説明できる。4前1
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。4前2,前6,前7
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。4前3,前4
高分子の熱的性質を説明できる。4前5
重合反応について説明できる。4前9
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。4前12,前13,前14
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の反応を説明できる。4前10
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の特徴を説明できる。4前11

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000