機能材料工学

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 機能材料工学
科目番号 5C018 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 創造工学科(応用化学コース) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:1
教科書/教材 新版「基礎固体化学〜無機材料を中心とした」 村石治人著
担当教員 榎本 尚也

到達目標

1 物理や化学の知識をもとに,機能材料の特性とその機能の発現原理および合成プロセスについて説明できる
2 代表的な機能材料の結晶構造を正しく描くことができ、物性との関連を説明できる
3 代表的な機能材料の電子構造と物性との関連を説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1学習した機能材料の特性とその機能の発現原理および合成プロセスについて詳細に説明できる。いくつかの機能材料の特性とその機能の発現原理および合成プロセスについて説明できる。機能材料の特性とその機能の発現原理について説明できない。
評価項目2代表的な機能材料の結晶構造を正しく描くことができ、物性との関連を詳細に説明できる代表的な機能材料の結晶構造の名称を区別でき、物性との関連を説明できる代表的な機能材料の結晶構造の名称が区別できず、物性との関連を説明できない
評価項目3代表的な機能材料の電子構造と物性との関連を詳細に説明できる代表的な機能材料の電子構造と物性との関連を説明できる代表的な機能材料の電子構造と物性との関連を説明できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-2 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 B-4 説明 閉じる

教育方法等

概要:
材料は金属材料、セラミック材料、高分子材料およびそれらの複合材料に大別される。材料がもつ「特性」を最大限に発揮するには、そのための「構造」を設計し、それを達成するための「合成プロセス」を最適化する必要がある。本科目では、セラミックおよび金属材料の基礎となる固体化学を学ぶ。実用上の必須ツールとなるX線回折について、原理から応用までを一通り解説する。代表的な結晶構造と物性を関連づけ、身近に利用されている機能材料について理解を深める。また「構造」には様々な長さ(m)のスケール(マクロ構造、微構造、結晶構造)があることを明確に区別し、他方、エネルギー単位(eV)で表される「電子構造」と並行した理解も重要である。合成プロセスについても、拡散、核生成などの基本知識を概説する。なお、この科目は企業にて機能性セラミックスの材料設計を担当していた教員が、その経験を活かし、物性発現の基礎と応用について講じるものである。
本科目は以下に挙げるSDGs(Sustainable Development Goals)に関連するものである。
No.9 産業と技術革新の基盤をつくろう
授業の進め方・方法:
配布資料を中心とし、テキストの必要項目と対応づける。講義形式で進めるが、一部演習およびグループディスカッションを交える。
2回の定期試験スコアの平均90%と提出課題(Classroomで指示)の内容評価10%で最終成績を算出します。
注意点:
材料工学の基礎知識を有することが望ましい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス これまで学んだ固体化学関連の基礎知識を復習し、本科目で学ぶ内容を概観する
2週 結晶構造(1) 固体の分類を理解し、金属結晶、イオン結晶、共有結晶の違いを説明できる
3週 キャラクタリゼーション技術(回折1) X線の発生原理、ブラッグ回折、粉末XRD図形について説明できる
4週 結晶構造(2) 結晶の対称性を理解し、ミラー指数と面間隔の関係を幾何学的な数式表現で示せる
5週 結晶構造(3) 代表的な結晶構造とその構造をもつ物質・材料について説明できる
6週 結晶構造(4) 欠陥構造とそれに基づいて生じる材料物性について主要な例を説明できる。
7週 キャラクタリゼーション技術(回折2) X線回折による固溶および結晶性の評価について説明できる
8週 【前期中間試験】
2ndQ
9週 電子構造(1) 固体のバンド構造が生じる理由を理解し、半導体と絶縁体の違いを説明できる
10週 電子構造(2) 金属およびイオン結晶の導電性、熱伝導性について体系的に説明できる
11週 固体の関与する反応(1) 高温における固体反応の特徴を理解し、拡散現象について説明できる
12週 固体の関与する反応(2) 高温における固体反応の特徴を理解し、放物線則、Wagner理論について説明できる
13週 固体の関与する反応(3) 液相からの固体析出について、核生成の基礎について数式を用いて説明できる
14週 固体の関与する反応(4) 共沈、溶媒除去、熱分解など、有用な機能性物質を合成するためのプロセスについて実例を挙げて説明できる
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度レポートその他合計
総合評価割合90000100100
基礎的能力0000000
専門的能力90000100100
分野横断的能力0000000