材料組織学Ⅰ(3178)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 材料組織学Ⅰ(3178)
科目番号 3C38 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 産業システム工学科マテリアル・バイオ工学コース 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 基礎から学ぶ 構造金属材料学, 丸山公一他, 内田老鶴圃、教員作成資料
担当教員 新井 宏忠

到達目標

1. 材料の結合様式とその特徴を説明できること
2. 金属の結晶構造と結晶中の格子欠陥を説明できること
3. 金属多結晶体の塑性変形機構を転位の運動から説明できること

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
金属材料の結晶構造金属結晶構造の原子配置を説明でき、充填率、配位数、原子間距離等の計算ができる。教科書等の参考情報により、金属結晶構造の原子配置を説明でき、充填率、配位数、原子間距離等の計算ができる。教科書等の参考情報を参照しても、金属結晶構造の原子配置を説明でき、充填率、配位数、原子間距離等の計算ができない。
結晶系とブラベー格子14種類のブラベー格子を図示し、説明できる。教科書等の参考情報により、14種類のブラベー格子を図示し、説明できる。教科書等の参考情報を参照しても、14種類のブラベー格子を図示し、説明できない。
ミラー指数結晶面や結晶方位をミラー指数で表すことができる。教科書等の参考情報により、結晶面や結晶方位をミラー指数で表すことができる。教科書等の参考情報を参照しても、結晶面や結晶方位をミラー指数で表すことができない。
転位の運動と塑性変形金属多結晶の塑性変形を転位の運動の関連付けて説明できる。教科書等の参考情報により、金属多結晶の塑性変形を転位の運動の関連付けて説明できる。教科書等の参考情報を参照しても、金属多結晶の塑性変形を転位の運動の関連付けて説明できる。

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー DP3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
【開講学期】冬学期週4時間
材料は身の回りに数多く存在し、種々の力学的性質や機能的性質を発現する。本講義では、構造材料、特に金属材料の特性について学び、材料特性の発現機構を理解するための必須基礎知識の習得を目標とする。
授業の進め方・方法:
材料は構造部材や機能性素材として広く一般に用いられている。特に構造材料として金属素材が主である。そこで金属素材を中心にその特徴とそれを発現する機構を説明する。また、金属の変形メカニズムについて、転位の運動から説明する。
・指定の教科書をベースに板書で内容を示し、解説を加える。
・必要に応じて適宜章末問題等の演習を行う。

〇評価方法
・到達度試験80%、小テスト20%の割合で評価する。
・総合評価は、100点満点として、60点以上を合格とする。
・補充試験の場合は、試験の点数のみで合格となる。
 (ただし、補充試験は1回のみ実施する。)
注意点:
・材料の構造を理解するには、物理化学(熱力学)の知識が必要となる場合がある。
・材料組織学II、材料強度学を理解する上で必須の基礎知識であるので、これらの基盤と意識して、必要に応じて参考図書を閲覧し理解を深めること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス、材料の特徴とその原理 金属材料一般の性質を知る。
2週 金属の結晶構造 体心立方晶、面心立方晶、最密六法晶の構造を理解し、単位胞内の結晶方向と面をミラー指数で示せる。
3週 結晶中の格子欠陥 実在結晶中に存在する格子欠陥の種類と名称を知る。
4週 金属材料の応力-ひずみ曲線図① 金属を変形させたときに示す応力とひずみの関係を理解する。
5週 金属材料の応力-ひずみ曲線図② 金属を変形させたときに示す応力とひずみの関係を理解する。
6週 転位の運動と塑性変形① 転位の運動によって塑性変形が起きることを理解する。
7週 転位の運動と塑性変形② 転位の運動に要する力、合体や消滅といった各種運動を理解する。
8週 到達度試験
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。1
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。1
気体の内部エネルギーについて説明できる。2
化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。2
物質が原子からできていることを説明できる。2
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。2
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。1
純物質と混合物の区別が説明できる。3
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。1
水の状態変化が説明できる。2
物質の三態とその状態変化を説明できる。3
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。2
同位体について説明できる。1
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。1
価電子の働きについて説明できる。1
原子のイオン化について説明できる。2
イオン結合について説明できる。2
イオン結合性物質の性質を説明できる。2
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。2
共有結合について説明できる。2
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。2
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3
金属の性質を説明できる。3
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。2
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。1
気体の体積と物質量の関係を説明できる。1
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。1
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。1
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学イオン結合と共有結合について説明できる。2
金属結合の形成について理解できる。3
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。3
化学工学SI単位への単位換算ができる。3

評価割合

試験小テスト合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000