到達目標
(1) 熱・物質の移動現象の基本式の物理的意味を理解していること。
(2) 定式化されたモデルを使用して、具体的な計算ができること。
(3) 改良方針などを物理的な意味に基づいて決定できること。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
流動基礎 | 物体の落下速度(終末速度)の意味を説明できる。また、終末速度式を正しく使い、演習問題を解くことができる。 | 物体の落下速度(終末速度)の意味を説明できる。また、担当教員の助言により、終末速度式を正しく使い、演習問題を解くことができる。 | 物体の落下速度(終末速度)の意味を説明できず、終末速度式を使って演習問題を解けない。 |
伝熱 | 熱伝導、熱伝達を説明できる。また、フーリエの式や無次元相関式を使って、演習問題を解くことができる。 | 熱伝導、熱伝達を説明できる。また、担当教員の助言により、フーリエの式や無次元相関式を使って、演習問題を解くことができる。 | 熱伝導、熱伝達を説明できず、フーリエの式や無次元相関式を使って、演習問題を解けない。 |
物質移動 | 物質移動のミクロ的な過程とFickの法則を説明できる。また、Fickの式や無次元相関式を使って、演習問題を解くことができる。 | 物質移動のミクロ的な過程とFickの法則を説明できる。担当教員の助言により、Fickの式や無次元相関式を使って、演習問題を解くことができる。 | 物質移動のミクロ的な過程とFickの法則を説明できず、Fickの式や無次元相関式を使って、演習問題を解けない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
・授業で得た知識を卒業研究や自主探求等で「使える力(実践力)」を養う。
・移動現象論関係で多用する数学知識(工業数学)の一部分を復習、あるいは再習得する。
・課題解決に必要なモデル・式を選び出し、論理的な展開によって答えを導き出す力を養う。
授業の進め方・方法:
移動現象論の知識が身の回りの諸現象・工業プロセスにどのように使われるのか理解する。そのためには、基本的な数学操作の理解と実践力が必須であり、本科目においては熱や物質移動に関する演習や簡単な実験実習に加え、工業数学(初等関数の性質、演算や微積分、微分方程式)を復習・演習する。これにより、移動現象関係の基本原理・法則等に関する知識のより深い理解や定着を図る。
【対象学生】
・移動現象論(流体・熱・物質)の使われ方(応用例)、使い方を演習・実験で定着をさせたい学生(実験実習をしたい学生)
・専攻科進学や大学編入を希望しており、そのために数学(初等関数の性質、微積分など)の基礎を再習得したいと考えている学生
・技術系として数学の基礎を復習したい学生
※ 道具としての数学(使い方)を扱うので、厳密さや 純粋数学に興味がある学生には不適です。
【評価方法】
演習課題 50%、実験実習のまとめレポート 50%、総合評価は100点満点として、60点以上を合格とする。
ただし、提出すべき課題が 1つでも未提出の場合には、不可(60 点未満)とする。
注意点:
・移動現象論を受講していることが望ましい(4年生向け)。
・数学用語や数学記号について、平均的な理解度を得ていることが望ましい。
・関数電卓を持参する。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
工業数学演習①: 初等関数の復習・演習 (三角関数、指数関数、対数関数などの復習・演習) |
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2週 |
工業数学演習②: 微積分の復習・演習 (偏微分、重積分を含めた、微積操作の復習・演習) |
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3週 |
工業数学演習③: 常微分方程式 (1階常微分方程式の解法の復習・演習) |
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4週 |
工業数学演習④: 常微分方程式 (2階常微分方程式の解法の復習・演習) |
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5週 |
実験:物体の落下速度 |
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6週 |
演習:終末速度とレイノルズ数(抵抗係数の無次元相関式)・運動量収支式 |
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7週 |
実験:物体の伝熱実験(定常熱伝導) 演習:熱伝導・熱伝達、無次元相関式 |
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8週 |
演習:熱伝導・熱伝達・熱輻射、無次元相関式 実験:金属製錬 |
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4thQ |
9週 |
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10週 |
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11週 |
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12週 |
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13週 |
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14週 |
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15週 |
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 化学工学 | SI単位への単位換算ができる。 | 4 | |
物質の流れと物質収支についての計算ができる。 | 3 | |
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。 | 1 | |
管径と流速・流量・レイノルズ数の計算ができ、流れの状態(層流・乱流)の判断ができる。 | 4 | |
流れの物質収支の計算ができる。 | 1 | |
流れのエネルギー収支やエネルギー損失の計算ができる。 | 1 | |
バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。 | 1 | |
評価割合
| 演習課題 | 実験レポート | 合計 |
総合評価割合 | 50 | 50 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 50 | 50 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |