生物化学Ⅱ(3169)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 生物化学Ⅱ(3169)
科目番号 0274 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 産業システム工学科マテリアル・バイオ工学コース 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 基礎の生化学 第2版 (東京化学同人)、教員配布資料
担当教員 山本 歩,佐々木 有

到達目標

1.酵素の分類を理解している。
2.酵素の性質を理解している。
3.酵素の最大反応速度とミカエリス定数の関係を理解している。
4 拮抗、選択毒性の概念に立って、扱った医薬品の作用機構を理解している。
4.酵素反応の阻害の種類を理解している。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
酵素の分類を学ぶ酵素の6種類のグループについてよく理解し、各グループに属している酵素の例を複数挙げることができる。酵素の6種類のグループについて理解し、各グループに属している酵素の例を挙げることができる。酵素の6種類のグループについて理解せず、酵素の例を挙げることができない。
酵素の性質を学ぶ酵素の種々の性質(基質特異性、最適温度、最適pHなど)をよく理解し、例を挙げながら説明できる。酵素の種々の性質(基質特異性、最適温度、最適pHなど)を理解し、説明できる。酵素の種々の性質(基質特異性、最適温度、最適pHなど)を理解せず、説明できない。
酵素反応速度論について学ぶ酵素の最大反応速度とミカエリス定数の関係や阻害剤の影響についてよく理解し、グラフを用いて説明できる。酵素の最大反応速度とミカエリス定数の関係や阻害剤の影響について理解し、説明できる。酵素の最大反応速度とミカエリス定数の関係や阻害剤の影響について理解せず、説明できない
医薬品の作用機構について学ぶ拮抗、選択毒性の概念に立って、扱った医薬品の作用機構を理解し、図を用いて説明できること拮抗、選択毒性の概念に立って、扱った医薬品の作用機構を理解しできること拮抗、選択毒性の概念が理解できず、扱った医薬品の作用機構を理解できないこと

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 DP2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
生物化学Ⅱは生物化学Ⅰで学習した生体分子の知識をもとに、酵素反応や医薬品の薬理作用について学ぶものであり、発酵工学や酵素工学、薬学などと密接に関わる分野である。生物化学Ⅱでは酵素の分類や性質、また酵素反応速度論について学び、医薬品などが生体内でどのように作用するのか理解することを到達目標とする。(山本)

化学と生命科学の接点ともいえる分野(薬学)における生物関連産業に関して概論的な講義を行う。化学を基盤とする学問分野の中で、医薬品に関する分野は人類が古来から発展させてきた分野である。古代においては天然植物成分を用いて経験に基づく治療がなされてきた。戦後はこの分野の発展により、化学療法剤や抗生物質等、「創薬」による新しい化学物質が医薬品として用いられるようになり、国民の平均寿命の延長に大きな役割を果たしてきた。ここでは、「創薬」化学の基礎として薬効因子となる得る化学物質とはどのようなものかということを化学的に捉えることを目標とする。(佐々木)
授業の進め方・方法:
本授業では酵素の特徴や医薬品の作用について解説する。授業は主に講義形式により知識を修得するが、グループワークによる調査、発表等も実施することで理解度を深めるように進めていく。
注意点:
担当教員は2名であり、試験問題は各担当教員が作成する。答案は採点後返却し、達成度を伝達する。履修にあたっては、酵素の性質を文字や言葉で説明できるだけではなく、実際の酵素反応例をもとにグラフを作成し、そこから酵素反応の特徴を理解していくことが重要である。た、
酵素反応と密接に関わる医薬品の薬理作用についても理解を深める。
成績は到達度試験80%、課題・宿題を20%(山本)および到達度試験100%(佐々木)の単純平均として評価を行い、総合評価を100点満点として、60点以上を合格とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 酵素の分類 酵素が6種類に大別されることを理解し、各グループの酵素がどの様な特徴を有しているか説明できること。
2週 酵素の構造と基質特異性 酵素の立体構造と基質特異性の関係を理解し、説明できること。
3週 酵素の性質 酵素活性と最適温度・最適pHの関係を理解し、説明できること。
4週 酵素反応速度論① 最大反応速度とミカエリス定数の関係を理解し、説明できること。ミカエリス・メンテンの式の誘導ができること。
5週 酵素反応速度論② 酵素反応例をもとにグラフを作成し、そこからミカエリス定数を求めることができること。
6週 酵素反応速度論③ 酵素反応への阻害剤の影響を理解し、説明できること。
7週 酵素反応速度論④ 各種阻害剤の有無における酵素反応の例からミカエリス定数や最大反応速度を求めることができること。
8週 酵素の特徴のまとめ 酵素の特徴について総まとめの演習問題に取り組み、到達度を確認する。
2ndQ
9週 医薬品の性質、薬効因子 拮抗の概念の理解
10週 化学療法剤 サルファ剤のような化学療法剤の作用機構の理解
11週 抗生物質① βラクタム系抗生物質の作用機構の理解
12週 抗生物質② タンパク質合成阻害をエンドポイントとする抗生物質の作用機構の理解
13週 モルヒネ関連鎮痛剤、向精神薬 発痛機構と酸性抗炎症剤、モルヒネ関連鎮痛剤の作用機構の理解、向精神薬の作用機構、薬物依存性成立機構の理解
14週 循環器に対する薬 循環器薬(特に、狭心症治療薬、降圧剤)の作用機構の理解
15週 漢方薬、機能性化粧品(美白材料) 漢方薬の理解、機能性化粧品の作用機構の理解
16週 薬学分野のまとめ 薬理学の概論の包括的理解

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野生物化学酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。4
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。4
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。4

評価割合

試験発表・課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90100000100
基礎的能力0000000
専門的能力90100000100
分野横断的能力0000000