高分子化学B(3108)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 高分子化学B(3108)
科目番号 5C21 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 産業システム工学科マテリアル・バイオ工学コース 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 これでわかる基礎高分子化学/畔田博文他/三共出版/2016,園田昇・亀岡弘編,有機工業化学,化学同人(2013)
担当教員 川口 恵未

到達目標

1.高分子を分子特性、物質特性の観点から理解し、高分子の本質を把握できていること。特に、熱的性質(ガラス転移温度、融点等)と力学的性質;(応力と歪み、粘弾性、高分子の溶解)について理解できていること。
2.高分子材料について学習し、各材料の特徴が理解できていること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1分子特性、物質特性等高分子の本質を90%以上理解できている。分子特性、物質特性等高分子の本質を70~80%理解できている。分子特性、物質特性等高分子の本質を50%未満しか理解できていない。
評価項目2高分子材料について、各材料の特徴を90%以上理解できている。高分子材料について、各材料の特徴を70~80%理解できている。高分子材料について、各材料の特徴を50%未満しか理解できていない。
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー DP3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
マテリアル・バイオ工学コースでは材料化学が重要なテーマである。高分子材料化学の基礎としての本科目では、巨大分子である高分子の特徴を、合成反応および構造と物性の面から総括的に理解することを目標とする。
【開講学期】冬学期 週4時間
授業の進め方・方法:
1.高分子の分子特性、物質特性を説明する。特に、熱的性質(ガラス転移温度、融点等)と力学的性質;(応力と歪み、粘弾性、高分子の溶解)について詳しく説明する。
2.高分子材料、特に各材料の特徴について説明し、分子設計・材料設計の基礎を解説する。
到達度試験60%、中テスト40%として評価を行い、総合評価は100点満点として、60点以上を合格とする。
答案は採点後返却し、達成度を伝達する。
注意点:
1.高分子は巨大分子であり、全ての特徴はそこから発することを、低分子と比較して理解することが大切である。
2.構造・物性面の理解については、物理化学や物理学の基礎が必要となる。一方、本科目は専門の基幹科目であるとともに、自然科学的基礎としての性格を持つことにも留意すること。
3.材料は種々の工学分野と広く係わる。それらと関連付けて知識を深めること、および高分子の実用面にも関心を払うこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 高分子の機械的性質(粘弾性体、ゴム弾性等)
2週 高分子の機械的性質(粘弾性体、ゴム弾性等)
3週 高分子の熱的性質(ガラス転移温度、融点等)
4週 高分子の熱的性質(ガラス転移温度、融点等)
5週 高分子溶液の性質
6週 高分子溶液の性質
7週 高分子材料(成形法)
8週 高分子材料(プラスチックの分類等)と中テスト
4thQ
9週 高分子材料(汎用プラスチック材料各論)
10週 高分子材料(汎用プラスチック材料各論)
11週 高分子材料(エンジニアリングプラスチック材料各論)
12週 高分子材料(エンジニアリングプラスチック材料各論)
13週 高分子材料(機能性高分子材料、各種分野における高分子材料等)
14週 高分子材料(機能性高分子材料、各種分野における高分子材料等)
15週 到達度試験
16週 答案返却とまとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。4
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。4
σ結合とπ結合について説明できる。4
混成軌道を用い物質の形を説明できる。4
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。4
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。4
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。4
共鳴構造について説明できる。4
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。4
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。4
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。4
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。4
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。4
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。4
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。4
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。4
高分子化合物がどのようなものか説明できる。4
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。4
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。4
高分子の熱的性質を説明できる。4
重合反応について説明できる。4
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。4
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の反応を説明できる。4
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の特徴を説明できる。4
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。4
反応機構に基づき、生成物が予測できる。4

評価割合

中間試験到達度試験合計
総合評価割合4060100
基礎的能力000
専門的能力4060100
分野横断的能力000