熱工学

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 熱工学
科目番号 610107 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産工学専攻(機械工学コース) 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 中原 真也

到達目標

(1) 反応熱や理論火炎温度を理解できること。
(2) 燃焼の基礎事項や支配因子を理解できること。
(3)ノズルの熱流体力学を理解できること。
(4)水素エネルギーの利用例として燃料電池の特徴を理解できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1反応熱や理論火炎温度を理解し、計算ができる反応熱を理解し、計算ができる反応熱を説明できない
評価項目2燃焼の基礎や支配因子を理解し、気体燃料の基礎燃焼特性、主な支配方程式や無次元数、乱流燃焼速度や火炎構造が説明できる燃焼の基礎や支配因子を理解し、気体燃料の基礎燃焼特性、主な無次元数、乱流燃焼速度が説明できる燃焼の基礎や支配因子を説明できない
評価項目3ノズルの熱流体力学を理解し、計算ができるノズルの熱流体力学の一部を理解できるノズルの熱流体力学を説明できない
評価項目4水素エネルギーの利用例を理解し、燃料電池の特徴を説明できる水素エネルギーの利用例として燃料電池の特徴を一部説明できる燃料電池の特徴を説明できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
人類が利用する全エネルギー量の80%以上が熱エネルギーの形であり、現時点ではその大半は燃焼による熱エネルギーである。本熱工学では、この燃焼を中心にエネルギーの変換について講義と演習を行う。
さらに、本熱工学で学ぶ燃焼や燃料電池での利用に関わる知識は、2050年のカーボンニュートラル&脱炭素社会の実現に向けた技術開発に必要不可欠な学問でもある。加えて、これら知識は、工場から家庭までの様々な場での火災などの事故を防ぐ安全工学的観点からも重要でもある。
具体的には、燃焼や燃料電池に関わる化学反応とエネルギー変換そして支配因子など、また安全上危険な燃焼形態でありかつ次世代推進技術として注目されるデトネーション現象、さらに代表的なエネルギー変換器であるノズルに関わる熱流体力学、に関する知識を習得して、実際の動力源などのエネルギー変換機器を設計できる基本能力を身に付ける。また、カーボンニュートラルや水素エネルギーに関しても概要も学習する。
授業の進め方・方法:
事前学習:本科4 年の「熱力学」5年の「伝熱工学」の復習をしておくこと。
関連科目:「熱力学」「伝熱工学」「伝熱工学特論」
授業の進め方:毎回出席をとる。遅刻者には、資料は配布しない。配布した資料は毎回持参する。講義は、パワーポイントを使用し、遠隔になる場合がある。課題レポートは、指定された日時までに提出すること。
注意点:
事前学習:本科4 年の「熱力学」5年の「伝熱工学」の復習をしておくこと。
関連科目:「熱力学」「伝熱工学」「伝熱工学特論」
履修上の注意:全ての物体は熱エネルギを持っており、温度差があるとき熱エネルギーの移動がおこる。熱工学に関する基礎用語を正しく理解すること。そして問題を解く場合、その内容を多方面から理解することが大切です。また、常に身の回りにおける熱移動&エネルギー変換に関心を持つこと。

本科目の区分

Webシラバスと本校履修要覧の科目区分では表記が異なるので注意すること。
本科目は履修要覧(p.9)に記載する「④選択科目」である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 熱力学の俯瞰&カーボンユートラルでの燃焼利用の位置づけ 熱力学をマクロ的な観点から、またカーボンユートラルについて説明できること
2週 燃焼とエネルギー変換(1) 化学反応とエネルギー変換の基礎となる、反応熱、標準生成エンタルピー、ギブスの自由エネルギーについて理解し、反応熱が計算できる。
3週 燃焼とエネルギー変換(2) 燃焼とエネルギー変換の基礎となる、反応速度、化学平衡、燃焼の反応機構や当量比について理解し、説明ができる。
4週 燃焼とエネルギー変換(3) 燃焼による理論火炎温度を理解し、計算ができる。
5週 燃焼の支配因子(1) 燃焼を支配する質量保存則、化学種保存式、運動方程式、エネルギー方程式、化学反応速度式および状態方程式を理解し、説明ができる。
6週 燃焼の支配因子(2) 燃焼現象に関わるダムケラー数、カーロビッツ数やルイス数などの無次元数を理解し、説明ができる。
7週 気体・液体・固体の燃焼(1) 気体燃料の基礎燃焼特性として、燃焼形態や火炎構造、最小点火エネルギーや燃焼速度を理解し、説明ができる。
8週 気体・液体・固体の燃焼(2) 気体燃料の基礎燃焼特性として、火炎の安定性、火炎伸長、可燃範囲や消炎距離を理解し、説明ができる。
4thQ
9週 気体・液体・固体の燃焼(3) 液体と固体の燃焼の基礎事項を理解し、説明ができる。
10週 乱流燃焼場の支配因子 乱流燃焼を規定する乱流スケール、工業的に重要な乱流燃焼速度および火炎構造を理解し、説明ができる。
11週 デトネーション 安全工学上重要なデトネーションについて理解し、説明ができる。
12週 熱流体力学(1) ロケットなどで利用されるノズル流れである、熱エネルギーを運動エネルギーへ変換する手法について理解し、説明ができる。
13週 熱流体力学(2) ロケットなどで利用されるノズル流れである、熱エネルギーを運動エネルギーへ変換する手法について理解し、説明ができる。
14週 水素エネルギーの利用 代表的な水素利用機器である燃料電池を理解し、説明や効率の計算ができる。
15週 期末試験
16週 まとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合5050100
基礎的能力000
専門的能力5050100
分野横断的能力000