オペレーティングシステム

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 オペレーティングシステム
科目番号 243140 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報工学科(2019年度以降入学者) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:オペレーティングシステムの基礎(大久保英嗣)サイエンス社
担当教員 村上 幸一

到達目標

1.OSの構成法や運用・管理について理解し,関連するLinuxコマンドを操作することができる.
2.プロセスやスケジューリングアルゴリズムについて理解し,関連するLinuxコマンドを操作することができる.
3.プロセスの同期と通信方法について理解し,関連するLinuxコマンドを操作することができる.
4.実記憶の管理方法について理解し,関連するLinuxコマンドを操作することができる.
5.仮想記憶の管理方法について理解し説明することができる.
6.ファイルやディレクトリの操作、管理方法について理解し,関連するLinuxコマンドを操作することができる.
7.割込みや入出力の制御方法について理解し,関連するLinuxコマンドを操作することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.OSの構成法や運用・管理OSの構成法や運用・管理について理解し,関連するLinuxコマンドを操作することができる.OSの構成法や運用・管理について,理解している.OSの構成法や運用・管理について,概要を知っている.
2.プロセスやスケジューリングアルゴリズムプロセスやスケジューリングアルゴリズムについて理解し,関連するLinuxコマンドを操作することができる.プロセスやスケジューリングアルゴリズムについて,理解している.プロセスやスケジューリングアルゴリズムについて,概要を知っている.
3.プロセスの同期と通信方法プロセスの同期と通信方法について理解し,関連するLinuxコマンドを操作することができる.プロセスの同期と通信方法について,理解している.プロセスの同期と通信方法について,概要を知っている.
4.実記憶の管理方法実記憶の管理方法について理解し,関連するLinuxコマンドを操作することができる.実記憶の管理方法について,理解している.実記憶の管理方法について,概要を知っている.
5.仮想記憶の管理方法仮想記憶の管理方法について理解し,説明することができる.仮想記憶の管理方法について,理解している.仮想記憶の管理方法について,概要を知っている.
6.ファイルやディレクトリの操作、管理方法ファイルやディレクトリの操作、管理方法について理解し,関連するLinuxコマンドを操作することができる.ファイルやディレクトリの操作、管理方法について,理解している.ファイルやディレクトリの操作、管理方法について,概要を知っている.
7.割込みや入出力の制御方法割込みや入出力の制御方法について理解し,関連するLinuxコマンドを操作することができる.割込みや入出力の制御方法について,理解している.割込みや入出力の制御方法について,概要を知っている.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
オペレーティングシステム(以下、OSと表記)はハードウェアとアプリケーションを活かすための重要な基本ソフトウェアであり、コンピュータ利用のパラダイムを創出し、コンピュータ応用技術を発展させてきた核である。
本講義では、コンピュータの基本的な動作を理解した上で、長い歴史を有するUNIXの流れをくむLinuxを主体として、実務上必要となるカーネルの基本的な機能全般を理解する。
本科目はグローバルエンジニア育成事業の英語による専門教育として下記レベル1での実施を想定している。
 レベル1: 英語の教科書を使用、または、配付資料の50%以上は英語の資料を使用
授業の進め方・方法:
講義に加え、コンピュータの具体的な操作、簡単なプログラム作成などの演習を通しながら、オペレーティングシステムの働きの理解を深めるよう配慮する。
Linux演習を前半に集中し,英語による授業前に実体験を伴った学習を行うことで,英語による授業の理解を助ける.
前半のLinux演習についての中間試験は行わず,レポートにより評価する.
後半の英語による授業では,日本語による講義を先に行ったのちに,続けて英語による講義を行う.
後半の英語による授業では,各日本語による講義後に日本語による小テストを1問,各英語による講義後に,英語による小テストを1問出題する.
期末試験は後半部分の授業内容を対象とし,出題は全て日本語により行う.
注意点:
・本科目の単位は、高等専門学校設置基準第17条第4項により認定される。
・授業時間以外に,1週に4時間の自主学習が必要である。
・オフィスアワーは授業中に別途指示するが、メールでも質問を受け付ける。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス(1)
Linux演習1(プロセスにかかわるAPI)
fork(),exec(),wait()など,基本的なプロセスAPIについて理解し,操作することができる.
2週 Linux演習2(シグナルにかかわるAPI) シグナルに関わる各種APIについて理解し,操作することができる.
3週 Linux演習3(メモリ管理にかかわるAPI) malloc(),calloc(),realloc(),free()など,メモリ管理にかかわるAPIについて理解し,操作することができる.
4週 Linux演習4(仮想記憶にかかわるAPI) 仮想記憶に関わるコマンドについて理解し,操作することができる.
5週 Linux演習5(仮想記憶にかかわる演習) 仮想記憶に関わるコマンドについて理解し,操作することができる.
6週 Linux演習6(ストリームに関わるシステムコール) ストリームに関わるシステムコールについて理解し,操作することができる.
7週 Linux演習7(ファイルシステムにかかわるAPI) ディレクトリ操作に関わるコマンドについて理解し,操作することができる.
8週 1.Introduction(序論)
Be able to understand and explain OS configuration methods, operation, and management.
(OSの構成法や運用・管理について理解し,説明することができる.)
2ndQ
9週 2.Process management and scheduling(プロセスの管理とスケジューリング) Understand and be able to explain processes and scheduling algorithms.
(プロセスやスケジューリングアルゴリズムについて理解し,説明することができる.)
10週 3.Process synchronization and communication(プロセスの同期と通信)
Understand and explain how processes synchronize and communicate.
(プロセスの同期と通信方法について理解し,説明することができる.)
11週 4.Virtual memory management 1(仮想記憶の管理 1) Understand and be able to explain virtual memory management methods.
(仮想記憶の管理方法について理解し,説明することができる.)
12週 5.Virtual memory management 2(仮想記憶の管理 2) Understand and be able to explain virtual memory management methods.
(仮想記憶の管理方法について理解し,説明することができる.)
13週 6.Real memory management(実記憶の管理) Understand and be able to explain how real memory is managed.
(実記憶の管理方法について理解し,説明することができる.)
14週 7.File system(ファイルシステム) Able to correctly answer multiple-choice questions about file and directory operations and management methods.
(ファイルやディレクトリの操作、管理方法についての選択問題において,正しく解答することができる.)
15週 8.Interrupt and I/O control(割込みと入出力の制御) Understand and be able to explain how to control interrupts and input/output.
(割込みや入出力の制御方法について理解し,説明することができる.)
16週 [前期期末試験](2)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野システムプログラムコンピュータシステムにおけるオペレーティングシステムの位置づけを説明できる。3前1,前12,前13,前14,前15
プロセス管理やスケジューリングなどCPUの仮想化について説明できる。3前2,前3,前4,前5
排他制御の基本的な考え方について説明できる。3前4,前5
記憶管理の基本的な考え方について説明できる。3前6,前7,前9,前10,前11

評価割合

試験プログラミング演習小テスト合計
総合評価割合503515100
1.OSの構成法や運用・管理についての選択問題において,正しく解答することができる.7029
2.プロセスやスケジューリングアルゴリズムについての選択問題において,正しく解答することができる.75214
3.プロセスの同期と通信方法についての選択問題において,正しく解答することができる.75214
4.実記憶の管理方法についての選択問題において,正しく解答することができる.75214
5.仮想記憶の管理方法についての選択問題において,正しく解答することができる.710219
6.ファイルやディレクトリの操作、管理方法についての選択問題において,正しく解答することができる.75214
7.割込みや入出力の制御方法についての選択問題において,正しく解答することができる.85316