到達目標
材料の様々な物理現象を理解する上で必須となる電子の量子力学的挙動、それを反映した原子の構造に関する基礎知識を習得することを目標とする。
・ 電子の量子力学的な挙動の基本問題について、シュレディンガー方程式により記述できる。
・ 物質内部の電子の基本的な構造について説明できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
原子の構造と量子力学的計算 | 教員の助言が無くても原子の構造を理解し、量子力学的計算により電子のエネルギー状態を説明できる。 | 教員の助言があれば原子の構造を理解し、量子力学的計算により電子のエネルギー状態を説明できる。 | 原子の構造を理解しておらず、量子力学的計算により電子のエネルギー状態を説明できない。 |
電子構造 | 教員の助言が無くても電子の配置、軌道を理解し、説明できる。 | 教員の助言が無くても電子の配置、軌道を理解し、説明できる。 | 電子の構造、軌道を理解しておらず、説明できない。 |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 1 機械工学、電気工学、材料工学の分野にわたるエネルギーシステムに関する体系的な知識と技術を身に付ける
教育方法等
概要:
材料のもつさまざまな性質を理解する上で基礎となる電子物性に関する授業である。授業は、ナノスケール以下の世界での電子の量子力学的挙動に始まり、それを反映した原子の構造や電子配置、構造について学ぶ。この科目は、3年次後期の材料物性Ⅱへ継続し、機能材料を学習するための基礎となる。
材料の諸物性を決定する電子の微視的振舞いに関する学習を通して、現象とその原因について物理・化学的立場から説明できる。
授業の進め方・方法:
事前に教科書および配布資料等を参照し、予習をして授業に臨むこと。
授業中に演習課題を課す。講義資料等を参照しながら自ら解くこと。復習として授業後に同演習課題を複数回解き、知識を定着させること。
予習:事前に教科書および配布資料をよく読んでおく。
復習:次週以降に確認の演習問題を行うので、授業の板書内容や教科書の確認問題をよく確認しておく。
注意点:
本科目は、物理I,Ⅱ、化学I,Ⅱの知識を前提とし、応用物理と関連する。後期に設定されている材料物性Ⅱへ継続し、機能材料を学習するための基礎となることを念頭において、単に数式を丸暗記することなく、常に数式で表出される物性現象の本質に立ち返って理解するよう努めて欲しい。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
材料物性概説 |
マテリアルエ学および環境工学に占める材料物性の役割を理解できる。
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2週 |
物質の粒子性と波動性 |
物質の粒子性と波動性を説明できる。
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3週 |
波動関数 |
波数、存在確率について説明できる。
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4週 |
シュレディンガ一方程式の導出 |
シュレディンガー方程式を導出し、波動関数を説明できる。
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5週 |
井戸形ポテンシャル中の電子 |
井戸形ポテンシャル中の電子の分布とエネルギーを説明できる。
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6週 |
原子の構造1 |
陽子・中性子・電子からなる原子の構造について説明できる。ボーアの水素原子模型について、説明できる。
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7週 |
原子の構造2 |
古典力学の考え方からエネルギー状態が離散的な値を取ることを説明できる。
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8週 |
原子の構造3 |
シュレディンガー方程式を水素原子中の電子のエネルギー状態が離散的な値を取ることを説明できる。
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2ndQ |
9週 |
原子の構造4 |
量子条件から電子のエネルギー状態および軌道半径を導出し、説明できる。
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10週 |
原子の構造5 |
4つの量子数を用いて、電子軌道を記述でき、占有する電子数などを説明できる。
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11週 |
電子配置1 |
パウリの排他律、フント則について説明できる。
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12週 |
電子配置2 |
エネルギーの遷移による発光について説明できる。
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13週 |
電子配置3 |
混成軌道の電子配置について説明できる。
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14週 |
分子軌道法1 |
結合エネルギーから分子形成の予想ができる。
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15週 |
分子軌道法2 |
分子軌道法から物性の予想ができる。
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16週 |
前期期末試験の返却 |
試験答案の返却、問題の解説と正答の説明。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 材料系分野 | 材料物性 | 陽子・中性子・電子からなる原子の構造について説明できる。 | 4 | |
ボーアの水素原子模型を用いて、エネルギー準位を説明できる。 | 4 | |
4つの量子数を用いて量子状態を記述して、電子殻や占有する電子数などを説明できる。 | 4 | |
周期表の元素配列に対して、電子配置や各族および周期毎の物性の特徴を関連付けられる。 | 4 | |
電子が持つ粒子性と波動性について、現象を例に挙げ、式を用いて説明できる。 | 4 | |
量子力学的観点から電気伝導などの現象を説明できる。 | 4 | 前13 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | 演習 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |