1.前期実習においては,1年での創造工学実験実習,2年でのものづくり基礎Ⅰで習得した技術を基礎にして,与えられた実習テーマに対し,製作した物の寸法等を正確に測定できる.
2.前期実習においては,1年での創造工学実験実習,2年でのものづくり基礎Ⅰで習得した技術を基礎にして,与えられた実習テーマに対し,より精度よく製作することができる.
3.後期実習においては,履修者各々が自身の判断と責任の下で作業工程を考えることができる.
4.後期実習においては,履修者が製作した製品の良否から作業工程の適否を考察することができる.
5.作業工程設計,考察を含めた実習報告書の作成ができる.
概要:
液晶テレビ,オーディオ機器,洗濯機,冷蔵庫,携帯電話,PC(パーソナルコンピュータ)などの各種家電製品から自動車,航空機,船舶等の乗り物に至るまで,私たちの身の回りの製品は,優れた生産技術なくしては普及し得ない.これら工業製品の生産においては,形状,精度,強度,動作,価格,安全性といった要求される様々な機能を,納期という制約の中で実現しなければならない.
本実習の目的は,のちに行うべき機械設計のために必要な知見を,工作実習を通して習得することである.
機械設計のために必要な知見とは,例えば上述の製品の形状をいかにして実現するかの工程設計を行うために,あるいは図面に書き込むべき情報を判断して指示するために必要な知見のことである.
したがって,優れた製品設計をするためには,加工技術を中心とした生産技術に関しての幅広い知識と経験が求められる.
本ものづくり基礎Ⅱにおいては,まず加工および計測技術に関して履修者に課題提示を行う.そして,1・2年時の創造工学実験実習、ものづくり基礎Ⅰ,課題研究ⅠおよびⅡ等で学習した内容を基礎として,履修者各々が自身の判断と責任の下で作業工程を考え,課題達成を図ることを行う.そして,実習後は製品の良否から作業工程の適否を考察する.このような一連の作業を通し,履修者は合理的な考えの下で工程が設計できるセンスを涵養する.
授業の進め方・方法:
毎回与えられたテーマの実習を行い,その内容に沿った実習報告書を作成し,提出する.
1年間の前期および後期をそれぞれ5パートに分けて下記のテーマをローテーションする.
前期:旋盤,NC工作機械,フライス盤,手仕上げ,溶接・鋳造
後期:旋盤,溶接,手仕上げ,特殊機械,NC工作機械
注意点:
本ものづくり基礎Ⅱでは,1,2年次の創造工学実験実習,ものづくり基礎Ⅰ,課題研究ⅠおよびⅡ,1年次製図,2年次の機械基礎製図Ⅰで学んだ知識,3年次からの開講科目である材料学Ⅰ,精密加工,機構と要素等の知識も必要である.後期においては,4・5年次の機械工学の学習と連結の強いテーマが提示される.
したがって,本ものづくり基礎Ⅱで習得する技術や知見は,専門分野の授業理解をより具体性をもって促すこととなる.
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
旋盤作業(丸棒削り) |
丸棒の荒削り,仕上げ切削に対し,寸法公差を考慮した製作ができること.
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2週 |
旋盤作業(段付き削り) |
段付き加工に対し,寸法公差を考慮した製作ができること. 溝加工ができること.
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3週 |
旋盤作業(ネジ切り) |
ネジ切り加工に対し,寸法公差を考慮した製作ができること.
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4週 |
NCフライス盤の基礎,NCプログラミングの基礎,プログラム作成(ト音記号) |
NCフライス盤の仕組みが理解できること.
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5週 |
プログラム作成(溝加工) |
簡単なNCプログラムが作成できること.
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6週 |
NCフライス盤による加工 |
NCフライス盤の基本的な作業ができること.
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7週 |
立てフライス盤(段削り) |
立てフライス盤を使って,材料に段付き加工をすることができること.
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8週 |
横フライス盤(ラック加工) |
横フライス盤を使って,材料にラック加工をすることができること.
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2ndQ |
9週 |
立てフライス盤(段削り) |
立てフライス盤を使って,材料に決まった寸法の段付き加工をすることができること.
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10週 |
ケガキ作業,穴あけ作業,タップ立て作業 |
穴あけ作業ができること. タップ立て作業ができること.
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11週 |
ネジ立て,ダイス加工 |
オネジ加工ができること.
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12週 |
きさげ作業 |
きさげ(赤当たり)作業を理解できること.
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13週 |
鋳造
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木枠と鋳物砂を使って砂型を製作できること.
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14週 |
鋳造,被覆アーク溶接 |
モールディングマシンを使って砂型を製作できること. アルミの鋳造作業ができること.薄板の角溶接・隅肉溶接ができること.
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15週 |
四角柱のアーク溶接 |
薄板の角,隅肉溶接ができること.
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
外径・端面切削(1) |
単動チャックの動作と使い方が理解できること. 端面加工ができること.
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2週 |
外径・端面切削(2) |
トースカン,ダイヤルゲージを用いて心出しができること.
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3週 |
中ぐり加工 |
穴あけ,中ぐり加工ができること.
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4週 |
NCプログラム作成(NCフライス盤)
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工具補正を考慮したプログラムを作成できること.
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5週 |
NCフライス盤による加工 |
NCフライス盤作業の基本的な流れと操作を理解し,基本操作ができるkと.
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6週 |
マシニングセンタの基礎 マシニングセンタによる加工 |
マシニングセンタ作業の基本的な流れを理解し,NC工作機械の特徴と種類について理解できること.
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7週 |
立てフライス盤(溝加工) |
立てフライス盤を使って,材料に溝加工をすることができること.
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8週 |
ホブ盤(歯車加工) |
ホブ盤による歯車加工のしくみを理解することができること.
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4thQ |
9週 |
立てフライス盤(溝加工) |
フライス盤を使って,材料に決まった寸法の溝加工をすることができること.
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10週 |
L型金具加工 |
図面(穴の精度を教示)を理解できること. SS400材の塑性変形,弾性変形が理解できること.
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11週 |
組立部品加工(1) |
直角度を出す作業ができること. 面出しができること.
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12週 |
組立部品加工(2) |
直角度を出す作業ができる. 面出しができる.
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13週 |
角タンクの溶接(1) |
素材の仮付け作業ができること.
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14週 |
角タンクの溶接(2) |
隅肉溶接ができること.角溶接ができること.
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15週 |
角タンクの溶接(3),水圧テスト |
溶接部品の補修溶接作業ができること.
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の工学実験・実習能力 | 機械系分野【実験・実習能力】 | 機械系【実験実習】 | 実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。 | 3 | 前1,前2,前3,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後15 |
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。 | 4 | 前1,前2,前3,前4,前6,前7,前8,前11,前15,後6,後7,後8 |
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。 | 4 | 前1,前2,前3,前6,前7,前8,前9,前10,前11,後1,後9,後12 |
ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、デプスゲージなどの使い方を理解し、計測できる。 | 4 | 前1,前2,前3,前7,前8,前9,後2,後3,後8,後11,後12,後13 |
けがき工具を用いてけがき線をかくことができる。 | 4 | 前10,前11,前12,後11 |
やすりを用いて平面仕上げができる。 | 4 | 前12,後10,後11,後12 |
ねじ立て工具を用いてねじを切ることができる。 | 4 | 前10,前11 |
アーク溶接の原理を理解し、アーク溶接機、アーク溶接器具、アーク溶接棒の扱い方を理解し、実践できる。 | 4 | 前10,前13,後1 |
アーク溶接の基本作業ができる。 | 4 | 前15,後14,後15 |
旋盤主要部の構造と機能を説明できる。 | 4 | 前1,前2,前3,前12,後1,後2,後14 |
旋盤の基本操作を習得し、外丸削り、端面削り、段付削り、ねじ切り、テ―パ削り、穴あけ、中ぐりなどの作業ができる。 | 4 | 前1,前2,前3,後1,後2 |
フライス盤主要部の構造と機能を説明できる。 | 4 | 前7,前8,後7,後9 |
フライス盤の基本操作を習得し、平面削りや側面削りなどの作業ができる。 | 4 | 前7,前8,前9,後3,後7,後9 |
ボール盤の基本操作を習得し、穴あけなどの作業ができる。 | 4 | 前10,前11,前13 |
NC工作機械の特徴と種類、制御の原理、NCの方式、プログラミングの流れを説明できる。 | 4 | 前4,前5,前6,後10 |
少なくとも一つのNC工作機械について、各部の名称と機能、作業の基本的な流れと操作を理解し、プログラミングと基本作業ができる。 | 4 | 前4,前5,前6,後5,後6 |