材料学Ⅲ

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 材料学Ⅲ
科目番号 4M007 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 創造工学科(メカニクスコース) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:1
教科書/教材 図解 機械材料;打越二彌/東京電機大学出版局,図解入門よくわかる最新金属の基本と仕組み;田中 和明著/秀和システム,材料名の事典;長崎 誠一他編/アグネ技術センター,金属術語辞典;大和 久重雄編/アグネ技術センター,元素を知る事典;村上 雅人/海鳴社
担当教員 南 明宏

到達目標

1.工具鋼の中でも炭素工具鋼,合金工具鋼,高速度工具鋼等の特徴を理解し,説明できる.
2.特殊鋼の定番であるステンレス鋼,耐熱鋼および超合金の種類,特徴,用途および熱処理条件(固溶強化処理や析出硬化処理)等を理解し,説明できる.
3.非鉄金属の代表例としてアルミニウム,チタン,マグネシウムおよび銅を中心に学習し,4つの材料の機械的・物理的性質,用途等の概要を理解し,説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1工具鋼の中でも炭素工具鋼,合金工具鋼,高速度工具鋼等の特徴を理解し,正しい語句を使用して詳細に説明できる. 工具鋼の中でも炭素工具鋼,合金工具鋼,高速度工具鋼等の特徴を理解し,説明できる. 工具鋼の中でも炭素工具鋼,合金工具鋼,高速度工具鋼等の特徴を理解していない.あるいは説明できない.
評価項目2特殊鋼の定番であるステンレス鋼,耐熱鋼および超合金の種類,特徴,用途および熱処理条件(固溶強化処理や析出硬化処理)等を理解し,正しい語句を使用して詳細に説明できる. 特殊鋼の定番であるステンレス鋼,耐熱鋼および超合金の種類,の特徴,用途および熱処理条件(固溶強化処理や析出硬化処理)等を理解し,説明できる. 特殊鋼の定番であるステンレス鋼,耐熱鋼および超合金の種類,の特徴,用途および熱処理条件(固溶強化処理や析出硬化処理)等を理解していない.あるいは説明できない.
評価項目3非鉄金属の代表例としてアルミニウム,チタン,マグネシウムおよび銅を中心に学習し,4つの材料の機械的・物理的性質,用途等の概要を理解し,正しい語句を使用して詳細に説明できる. 非鉄金属の代表例としてアルミニウム,チタン,マグネシウムおよび銅を中心に学習し,4つの材料の機械的・物理的性質,用途等の概要を理解し,説明できる. 非鉄金属の代表例としてアルミニウム,チタン,マグネシウムおよび銅を中心に学習し,4つの材料の機械的・物理的性質,用途等の概要を理解していない.あるいは説明できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
3年次の材料学Ⅰにおいては,金属の結晶構造や結晶組織(結晶粒,結晶粒界)をミクロ的(微視的)な観点から学習した.また,純金属および合金の融解および凝固過程を理解した上で,熱分析曲線および状態図も学習した.4年次前期材料学Ⅱにおいては,鉄鋼材料の状態図と組織,鋼の熱処理,構造用鋼について学習した.
 本教科では,材料学ⅠおよびⅡの知識を土台としてさらに材料学を深く学習する.主な目標は以下のとおりである.
 第1の目標は,工具鋼の中でも炭素工具鋼,合金工具鋼,高速度工具鋼等の特徴を理解できることである.
 第2の目標は,特殊鋼の定番であるステンレス鋼,耐熱鋼および超合金について学習し,それぞれの種類,特徴,用途および熱処理条件(固溶強化処理や析出硬化処理)等を理解できることである.合わせて析出硬化型ステンレス鋼についても補足理解できることである.  
 第3の目標は,非鉄金属の代表例としてアルミニウム,チタン,マグネシウムおよび銅を中心に学習し,4つの材料の機械的・物理的性質,用途等の概要を理解できることである.
本科目はSDGsの12番目の目標「つくる責任 つかう責任」に関する内容を学びます.
授業の進め方・方法:
この講義ではパワーポイント(以後,PPTと呼ぶ)を中心に用いて授業を進める.授業内容を学生用に編集したPPTを配付し,授業中に書き込むような形式にしている.ある程度学習内容が進展した段階で授業後半に課題プリントや演習問題を解き,提出させる.講義(パワーポイント)を中心とし,ある程度学習した時点で課題プリントや課題レポートを提出する.
注意点:
3年次後期材料学Ⅰおよび4年次前期材料学Ⅱや精密加工の基礎知識が必要である.また,材料力学Ⅱ,溶融加工,基礎塑性力学,専門工学実験Ⅰ~Ⅲ(4年次,5年次),創造設計演習ⅠおよびⅡ,その他の各種専門科目を学習する際にも材料学Ⅲの知識が必要となってくる.
成績は①試験75%を後期中間試験および学年末試験の点数を75点満点に換算,ポートフォリオ25%は②課題プリント10回~13回を25点満点に換算,①+②=100点満点で評価する.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 超強力鋼,工具鋼(炭素工具鋼,合金工具鋼1)

マルエ-ジング鋼,PHステンレス鋼の特徴,熱処理条件や用途を整理して,理解できること.
2週 工具鋼(合金工具鋼1)
炭素工具鋼,切削・耐衝撃用合金工具鋼のJIS規格,成分,用途および熱処理条件の概要が説明できること.
3週 工具鋼(合金工具鋼2)
冷間・熱間金型用合金工具鋼のJIS規格,成分,用途および熱処理条件の概要が説明できること.
4週 工具鋼(高速度工具鋼)
高速度工具鋼のJIS規格,成分,用途および熱処理条件の概要が説明できること.
5週 ステンレス鋼【Cr系ステンレス鋼(フェライト系,マルテンサイト系)】
フェライト系SUS鋼の成分,組織,機械的性質,用途および熱処理条件(固溶強化処理や析出硬化処理)等の特徴が理解できること.
6週 ステンレス鋼【Cr-Ni系ステンレス鋼1(オーステナイト系)】
マルテンサイト系SUS鋼の成分,組織,機械的性質,用途および熱処理条件(焼入れ,析出硬化処理)等の特徴が理解できること.
7週 ステンレス鋼【Cr-Ni系ステンレス鋼1(オーステナイト系)】
オーステナイト系SUSの特徴(低温脆性,機械加工性,線膨張係数,熱および電気伝導性)等が理解できること.SUS鋼の劣化(粒界腐食,溶接衰弱,応力腐食割れ)の発生メカニズムが理解できること.
8週 【後期中間試験】
7週までの授業内容について,後期中間試験を実施することによって学生の授業内容の理解度を確認する.
4thQ
9週 後期中間試験答案返却,点数確認,解答の説明
鋼の高温腐食と耐熱鋼(耐熱鋼と耐熱材料)
加工用耐熱鋼(ボイラ用・蒸気タービン用・バルブ用耐熱鋼)について特徴と用途が説明できること.
10週 鋼の高温腐食と耐熱鋼(超合金,高温酸化)
Fe基,Co基,Ni基に所属する各種超合金の名称,主要成分および用途をまとめ,使い分けができること.また,高温酸化の状態と抑制方策が理解できること.
11週 非鉄金属および合金(アルミニウム) アルミニウム(合金)の機械的・物理的性質,用途等が理解できること.合わせて,JIS規格表示のルールも分かること.
12週 非鉄金属および合金(チタン) チタン(合金)の機械的・物理的性質,用途等が理解できること.合わせて,JIS規格表示のルールも分かること.
13週 非鉄金属および合金(マグネシウム)
マグネシウム(合金)の機械的・物理的性質,用途等が理解できること.合わせて,JIS規格表示のルールも分かること.
14週 非鉄金属および合金(銅)
銅(合金)の機械的・物理的性質,用途等が理解できること.合わせて,JIS規格表示のルールも分かること.
15週 学年末試験
14週までの授業内容について,後期中間試験を実施することによって学生の授業内容の理解度を確認する.
16週 学年末試験答案返却,成績確認,解答の説明

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野材料金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。4後1,後2,後3,後4,後12,後13,後14
炭素鋼の性質を理解し、分類することができる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合75000250100
基礎的能力0000000
専門的能力75000250100
分野横断的能力0000000