卒業研究

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 卒業研究
科目番号 0167 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 8
開設学科 生産デザイン工学科(物質化学コース) 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 8
教科書/教材
担当教員 コース 長

到達目標

目的を理解し、主体的、計画的に、他者と協調しながら、研究を進めることができる。また、社会の規範や安全に留意して研究を進めることができる。
習得した専門知識を活用・応用し、解決すべき課題について理解できる。課題解決のために試作や分析ができる。
研究背景や他の研究成果を踏まえ、得られた結果について考察できる。
他者の立場・考えを理解し、研究テーマに関する自分の意見や研究成果を正しく伝えることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
目的を理解し、主体的、計画的に、他者と協調しながら、研究を進めることができる。また、社会の規範や安全に留意して研究を進めることができる。社会の規範や安全に配慮して、研究を進めることができる。 目的を理解し、主体的、計画的に、他者と協調しながら、研究を進めることができる。社会の規範や安全に配慮して、研究を進めることができる。 目的を理解し、主体的、計画的に、研究を進めることができる。社会の規範や安全に配慮できない。 目的の理解が不十分で、主体的、計画的に、研究を進めることができない。
習得した専門知識を活用・応用し、解決すべき課題を理解できる。 課題解決のために試作や分析ができる。習得した専門知識を活用・応用し、課題を理解できる。 課題解決のために、最適な試作や、精確な分析ができる。習得した専門知識を活用し、課題を理解できる。 課題解決のために、試作や分析ができる。課題と専門的知識を結び付けられない。 課題解決のために、試作や分析ができない。
研究背景や他の研究成果を踏まえ、得られた結果について考察できる。他の研究と比較し、自身の研究成果の新規性について考察できる。研究成果について考察できる。研究成果が得られなかった原因を説明できない。
他者の立場・考えを理解し、研究テーマに関する自分の意見や研究成果を正しく伝えることができる。研究テーマに関する自分の意見や研究成果を正しく・分かりやすく伝えることができる。質問に対して、分かりやすく、適切に答えることができる。研究テーマに関する自分の意見や研究成果を正しく伝えることができる。質問に対して、適切に答えることができる。研究テーマに関する自分の意見や研究成果を正しく伝えることができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 C① 実験や実習を通じて、問題解決の実践的な経験を積む。
学習・教育到達度目標 C② 機器類(装置・計測器・コンピュータなど)を用いて、データを収集し、処理できる。
学習・教育到達度目標 C③ 実験結果から適切な図や表を作り、専門工学基礎知識をもとにその内容を考察することができる。
学習・教育到達度目標 C④ 実験や実習について、方法・結果・考察をまとめ、報告できる。
学習・教育到達度目標 D② 工学知識や技術を用いて、課題解決のための調査や実験を計画し、遂行できる。
学習・教育到達度目標 D③ 工学知識や技術を用いて、課題解決のための結果の整理・分析・考察・報告ができる。
学習・教育到達度目標 E② 日本語で論理的に記述し、報告・討論できる。
学習・教育到達度目標 F② 工業技術と社会・環境との関わりを考えることができる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SC① 専門工学の実践に必要な知識を深め、実験や実習を通じて、問題解決の経験を積む。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SC② 機器類(装置・計測器・コンピュータなど)を用いて、データを収集し、処理できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SC③ 実験結果から適切な図や表を作り、専門工学知識をもとに分析し、結論を導き出せる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SC④ 実験や実習について、方法・結果・考察を的確にまとめ、報告できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SD④ 工学知識や技術を統合し、課題解決のための調査や実験を自発的に計画し、遂行できる
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SD⑤ 工学知識や技術を統合し、課題解決のための結果の整理・分析・考察・報告ができる。 
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SE② 実験・実習・調査・研究内容について、日本語で論理的に記述し、報告・討論できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SF② 工業技術と社会・環境との関わりを理解し、社会・環境への効果と影響を説明できる。

教育方法等

概要:
研究テーマに関する文献調査、理論解析、装置試作、調合、分析および実験等の実践を通し、その過程の中で創意工夫、自己学習、ディスカッションを行うことで、より深い知識の習得と問題解決能力を身につけ、創造的かつ実践的な技術者としての基礎を培う。
授業の進め方・方法:
指導教員のもと、一つのテーマについて、文献調査、資料収集、研究の計画、理論の勉強、製作・開発・改良・実験、分析、考察などを行い、研究をすすめる。9月の中間発表会で途中経過と今後の計画について報告する。学年末の卒業研究発表会で、研究成果について報告し、卒業論文を提出する。
注意点:
学生の自主的かつ積極的な取組みを重視する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 松嶋茂憲・小畑賢次
・Niを添加したMgFe2O4 のCOガス検知特性
・Y2Ti2O7に関する第一原理バンド計算条件の検討
2週 ・MgFe2O4 における Co の添加効果
・Electronic structure of Y2Ti2O7 : A first-principles study
3週 ・G 型反強磁性体 BiFeO3 関する第一原理バンド計算
・Smを添加したMgFe2O4のCOガス検知特性評価
4週 川原浩治・井上祐一 ・抗アレルギー成分GAPDHを多く含むイチゴ品種の探索
5週 ・細胞の生存率向上を目指した凍結保存、無血清培養条件決定
・抗体の特異性を保持した最小構成部位の検討
6週 ・体外免疫効果の増強と特異抗体産生クローンの効率的取得
・GAPDHの高感度検出手法の開発
7週 山根大和 ・ヘテロ元素含有フタロシアニン誘導体色素を用いた光アップコンバージョン色素系
8週 ・エチルヘキシル基を有するフタロシアニン誘導体を用いた光アップコンバージョン色素系
2ndQ
9週 ・ペロブスカイト型太陽電池の高効率化に関する研究開発
10週 竹原健司・大川原徹 ・ポリマーのガラス転移温度を可視化できる新規凝集誘起発光性材料の開発
11週 ・セルロースナノファイバー固定化色素の光アップコンバージョンへの応用
12週 ・アリールエチニル基を有する水溶性アントラセン誘導体の合成と光アップコンバージョンへの応用
13週 ・金属ナノ粒子薄膜による色素含有 DNA 薄膜の蛍光増強
14週 ・ビピロール配位子および発光性錯体の合成と評価
15週 ・ビニル型π共役系拡張水溶性アントラセン誘導体の合成と光アップコンバージョン応用
16週 中間試問会 卒業研究内容について説明できる。
後期
3rdQ
1週 後藤宗治 ・アミノプロパンジオールポリマーブラシ、ヒドロキシアミンを用いた酵素の固定化と非水媒体中での酵素活性
2週 ・アミノメチルベンゼンを用いた酵素の固定化と非水媒体中での酵素活性
3週 ・N-メチルアニリンを用いた酵素の固定化と非水媒体中での酵素活性
4週 前田良輔 ・カルボキシメチルキチンの調製とタンパク質との複合化によるハイドロゲルに関する研究
5週 ・赤エビ由来キチンとPHEMAの複合体に関する研究
6週 ・水熱処理によるエビ殻の処理と金属吸着材への利用に関する研究
7週 水野康平・園田達彦 ・Lactobacillus gasseriの共発酵系における生育挙動に関する研究
8週 ・網羅的解析を指向した細胞チップの開発に関する基礎研究
4thQ
9週 ・細胞チップを利用した微生物スクリーニングに関する基礎研究
10週 山本和弥 ・竹粉体から抽出したセルロースの 高分子材料への複合化
11週 ・ミールワームによるプラスチックの生分解
12週 ・繰り返し使用可能な炭素繊維を再生する革新的リサイクルプロセスの基礎研究
13週 ・無機ナノチューブ・イモゴライトの合成における最適条件の検討
14週 高原茉莉
15週 最終試問会 卒業研究内容について説明できる。
実験結果について専門知識を用いて簡潔に説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野(実験・実習能力)化学・生物系分野(実験・実習能力)加熱還流による反応ができる。4
蒸留による精製ができる。4
吸引ろ過ができる。4
再結晶による精製ができる。4
分液漏斗による抽出ができる。4
薄層クロマトグラフィによる反応の追跡ができる。4
融点または沸点から生成物の確認と純度の検討ができる。4
収率の計算ができる。4
分析化学実験中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。4
酸化還元滴定法を理解し、酸化剤あるいは還元剤の濃度計算ができる。4
キレート滴定を理解し、錯体の濃度の計算ができる。4
陽イオンおよび陰イオンのいずれかについて、分離のための定性分析ができる。4
代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。4
固体、液体、気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して必要な特定の分析装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察をすることができる。4
物理化学実験温度、圧力、容積、質量等を例にとり、測定誤差(個人差・器差)、実験精度、再現性、信頼性、有効数字の概念を説明できる。4
各種密度計(ゲールサック、オストワルド等)を用いて、液体および固体の正確な密度を測定し、測定原理を説明できる。4
粘度計を用いて、各種液体・溶液の粘度を測定し、濃度依存性を説明できる。4
熱に関する測定(溶解熱、燃焼熱等)をして、定量的に説明できる。4
分子量の測定(浸透圧、沸点上昇、凝固点降下、粘度測定法等)により、束一的性質から分子量を求めることができる。4
相平衡(液体の蒸気圧、固体の溶解度、液体の相互溶解度等)を理解して、平衡の概念を説明できる。4
基本的な金属単極電位(半電池)を組み合わせ、代表的なダニエル電池の起電力を測定できる。また、水の電気分解を測定し、理論分解電圧と水素・酸素過電圧についても説明できる。4
反応速度定数の温度依存性から活性化エネルギーを決定できる。4
化学工学実験流量・流速の計測、温度測定など化学プラント等で計測される諸物性の測定方法を説明できる。4
液体に関する単位操作として、特に蒸留操作の原理を理解しデータ解析の計算ができる。4
流体の関わる現象に関する実験を通して、気体あるいは液体の物質移動に関する原理・法則を理解し、物質収支やエネルギー収支の計算をすることができる。4
生物工学実験光学顕微鏡を取り扱うことができ、生物試料を顕微鏡下で観察することができる。4
滅菌・無菌操作をして、微生物を培養することができる。4
適切な方法や溶媒を用いて、生物試料から目的の生体物質を抽出し、ろ過や遠心分離等の簡単な精製ができる。4
分光分析法を用いて、生体物質を定量することができる。4
クロマトグラフィー法または電気泳動法によって生体物質を分離することができる。4
酵素の活性を定量的または定性的に調べることができる。4
分野横断的能力汎用的技能コミュニケーションスキルコミュニケーションスキル日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3
複数の情報を整理・構造化できる。3
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3
基盤的資質・能力自己理解自己理解周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。3
企業には社会的責任があることを認識している。3
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。3
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3
創造性・デザイン能力創造性創造性工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3

評価割合

研究活動発表卒業論文合計
総合評価割合503020100
基礎的能力0000
専門的能力500050
分野横断的能力0302050