本授業では、従来、微生物の発酵を効率的に行うための技術であった発酵工学を、近年の動・植細胞培養に関する技術にも応用されてバイオリアクターと総称されるようになった工学的体系として学ぶことを目的とする。したがって、 微生物の発酵に限らず、生物細胞や生物由来素子の効率的反応系の基礎として、発酵工学を位置づけて講義する。また、生産物の効率的な精製技術についても概説する。
学習・教育到達度目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
学習・教育到達度目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解決できる。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
発酵工学の概要、バイオプロセスとは |
種々のバイオプロセスの内容、特徴等が説明できること。
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2週 |
バイオプロセスの構成について1 |
上流プロセスにおける生体触媒の調整方法が説明できること。
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3週 |
バイオプロセスの構成について2 |
バイオリアクター(微生物、酵素および固定化生体触媒を用いる反応器)を説明できること。
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4週 |
バイオプロセスの構成について3 |
下流プロセスの重要性を理解し、説明できること。
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5週 |
生体触媒の基礎、酵素資源と生産 |
微生物からの抽出、濃縮および精製について理解し、説明できること。
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6週 |
生体触媒の基礎、固定化酵素 |
酵素の固定化技術について説明できること。
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7週 |
生体触媒の特性(酵素の特性) 生体触媒の特性(微生物の特性) |
酵素の活性に影響を及ぼす温度、pH,共役因子等の要因が説明できること。発酵で用いられる微生物を分類し、その特徴について説明できること。
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8週 |
中間試験 |
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4thQ |
9週 |
酵素各論、酵素の分類と種類 |
酸化還元酵素、加水分解酵素、異性化酵素等の利用について理解し説明できること。
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10週 |
微生物増殖速度論 |
比増殖速度と基質濃度のプロットよりKs値を求めることができること。
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11週 |
メタボリックマップ1 |
解糖系、TCAサイクルおよび電子伝達系を理解し、説明できること。
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12週 |
メタボリックマップ2 |
糖代謝におけるエネルギー獲得量およびエネルギー変換効率が計算できること。
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13週 |
バイオリアクター.1 |
バイオリアクターの形式、操作法が説明できること。
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14週 |
バイオリアクター2 |
生体触媒内における物質輸送方程式について理解し説明できること。
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15週 |
バイオリアクター3 |
固定化触媒の有効係数について理解し説明できること。
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16週 |
定期試験 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 基礎生物 | 代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。 | 4 | 後11,後12 |
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。 | 4 | 後5,後6,後7,後9 |
生物化学 | タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。 | 4 | 後2,後3,後4 |
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。 | 4 | 後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後13,後14,後15 |
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。 | 4 | 後5,後6,後7,後9,後13,後14,後15 |
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。 | 4 | 後5,後6,後7,後9,後13,後14,後15 |
解糖系の概要を説明できる。 | 4 | 後11,後12 |
クエン酸回路の概要を説明できる。 | 4 | 後11,後12 |
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。 | 4 | 後11,後12 |
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。 | 4 | 後11,後12 |
生物工学 | 原核微生物の種類と特徴について説明できる。 | 4 | 後5,後10 |
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。 | 4 | 後5,後10 |