概要:
【開講学期】「秋学期 週2時間」 社会人としてより良い生活を送るために必要不可欠な(I)社会、心理、(II)哲学・倫理学の基礎的な知識を習得する。家庭、地域、職場で主体的に生きる手がかりと確かな思考力を身につけることを目指す。
授業の進め方・方法:
(Ⅰ) 社会学および心理学の基礎的知識を講義し、いくつかのテーマについてグループワーク(課題追究・調べ学習及びグループ討論)を行う。
(Ⅱ) 哲学・倫理学の基本的知識や考え方を教科書や用語集などを使い学習する。適宜時事問題を取り上げながら、技術が社会情勢や仕組みと密接に関係することを理解する(工学・社会工学へのアプローチ)。思考ツール・ゲーム理論を活用しながら、主体的に考える習慣を身につける。
上記(Ⅰ)と(Ⅱ)、各学問分野の配分・バランスをとって評価し、100点満点として60点以上を合格とする。
なお、到達度試験70%、グループワークのレポート(小テスト・課題)30%として評価を行う。
注意点:
(Ⅰ) 授業で得た知識を基にして、提起されたテーマについて書籍やインターネットなどを利用して調べ、それを他者に伝え、ともに考え、協働する姿勢を必要とする。
(Ⅱ) 考察にあたっては、抽象化-具象化、分析-総合、微分化-積分化……相反する両面の試行に心がけること。新聞やテレビの報道・ニュースから現代社会の動きと関連づけて思考するように心がけること。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
●「近代」と「現代」…西洋思想史概観 ●近代化…魔術からの解法 ヴェーバー:合理化 ●ルネサンスと宗教改革
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春学期に考察した「近代」の問題を思想史的に検証し、ルネサンスと宗教改革の意義について説明することができる
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2週 |
●東洋思想と西洋思想における「倫理」の違いを理解する 自我をめぐって ●デカルト 合理論 ●対比: 仏教-道元-西田幾多郎 |
西洋近代の合理主義・理性主義の特徴を説明できる 西洋の合理主義と対比して、仏教の基本的な特徴を説明することができる
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3週 |
●三段論法 ●合理的精神…科学主義・理性主義 ●近代科学の成立~経験論へ |
三段論法で論理を組み立てることができる(三段論法の真偽を判別できる) 近代科学の特徴を説明できる。科学論(社会科学)との違いを説明できる
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4週 |
ベーコンの経験論 ●イドラ-錯覚 ●対比:フランクフルト学派-アーレント-レヴィナス |
イドラ説をもとに、人間の認識能力の検証をすることができる 理性主義が、道具的理性として反人間主義に陥った歴史を説明できる
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5週 |
●カントの認識論…批判主義 ●倫理的結果主義と倫理的動機主義 ●カントの倫理説…動機主義 ●カントの自由 |
義務論と功利主義を対比して説明できる カントの認識論と倫理説を基準に、自由の問題について自分の考え述べることができる (次週の思考ツール、グループワークの前提)
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6週 |
自由と平等についての考察 ●「アファーマティブ・アクションは公正か」 ●「愚行権は認められるか」…自己決定権の問題 ■ 反理性主義……フロイト~構造主義 |
<聞く・話す・まとめる>を高める グループワークと<経済理論の援用・数学>、思考ツールを用いて、社会事象の多面的な考察力と表現力を身につける
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7週 |
●テーマ学習 「もののけ姫」と八戸(猪飢渇)…環境倫理へ <地域教材> ●安藤昌益と猪飢渇 ~ 近代化…「神殺し」 多様なテーマ…ex差別、権力、経済的合理主義 |
<地域教材・安藤昌益>から、環境倫理の諸問題を説明することができる 環境倫理の、有限主義-世代間倫理-自然の生存権>について説明できる
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8週 |
秋学期 まとめ……到達度テスト |
心理・社会・哲学・倫理学の基礎知識の理解度
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 社会 | 地理歴史的分野 | 民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。 | 3 | |
公民的分野 | 人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。 | 3 | |
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。 | 3 | |
現代社会の考察 | 現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。 | 3 | |
工学基礎 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。 | 3 | |
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。 | 3 | |
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。 | 3 | |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。 | 3 | |
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。 | 3 | |
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。 | 3 | |
他者の意見を聞き合意形成することができる。 | 3 | |
合意形成のために会話を成立させることができる。 | 3 | |
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。 | 3 | |
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。 | 3 | |
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。 | 3 | |
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。 | 3 | |
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。 | 3 | |
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。 | 3 | |
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。 | 3 | |
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。 | 3 | |
事実をもとに論理や考察を展開できる。 | 3 | |
態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。 | 3 | |
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。 | 3 | |
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。 | 3 | |
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。 | 3 | |
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。 | 3 | |
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。 | 3 | |
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。 | 3 | |
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている | 3 | |
法令やルールを遵守した行動をとれる。 | 3 | |
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。 | 3 | |
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。 | 3 | |
企業には社会的責任があることを認識している。 | 3 | |
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。 | 3 | |
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。 | 3 | |