概要:
「応用物理IA、IB」は、2年生までの物理学の知識を確かなものとし、さらに発展させるとともに自然現象を数学的に表現し計算できることが学習の目標である。これまで一次元と二次元で取り扱ってきた物理学を、三次元に拡大するほか、熱力学も微積分を用いて取り扱えるようにする。
授業の進め方・方法:
力と運動をベクトル関数で表現し、運動方程式は微分方程式を用いて表現する。さらに、エネルギー、運動量、熱力学について学習する。問題の演習は授業時間内だけでなく宿題としても行う。 また到達度を確認するための小テストを適宜行う予定である。
注意点:
2年生までの物理学の知識が確かなものであることが前提条件である。また、三角関数をはじめとした基礎数学、微分積分学、線形代数学の知識を道具として活用するため、これらの数学的手法が使いこなせることも必要である。演習問題は積極的に取り組み、復習に努めること。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 速度と加速度の概念を説明できる。 | 3 | 前1 |
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。 | 3 | 前1 |
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。 | 3 | 前1 |
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。 | 3 | 前2 |
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。 | 3 | 前2 |
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。 | 3 | 前2 |
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 3 | 前4 |
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 3 | 前4 |
物体に作用する力を図示することができる。 | 3 | 前3 |
力の合成と分解をすることができる。 | 3 | 前3 |
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。 | 3 | 前3 |
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。 | 3 | 前5 |
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。 | 3 | 前3 |
慣性の法則について説明できる。 | 3 | 前3 |
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。 | 3 | 前3 |
運動方程式を用いた計算ができる。 | 3 | 前3 |
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。 | 3 | 前3 |
運動の法則について説明できる。 | 3 | 前3 |
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。 | 3 | 前5 |
最大摩擦力に関する計算ができる。 | 3 | 前5 |
動摩擦力に関する計算ができる。 | 3 | 前5 |
仕事と仕事率に関する計算ができる。 | 3 | 前6 |
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | 前6 |
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | 前6 |
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | 前7 |
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 3 | 前7 |
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。 | 3 | 前12 |
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。 | 3 | 前12 |
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 3 | 前12 |
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。 | 3 | 前5 |
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。 | 3 | 前5 |
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。 | 3 | 前5 |
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる. | 3 | 前12 |
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | 前12 |
力のモーメントを求めることができる。 | 3 | 前9 |
角運動量を求めることができる。 | 3 | 前10 |
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。 | 3 | 前10 |
熱 | 原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。 | 3 | 前15 |
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。 | 3 | 前13 |
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。 | 3 | 前13 |
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。 | 3 | 前14 |
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。 | 3 | 前14 |
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。 | 3 | 前14 |
気体の内部エネルギーについて説明できる。 | 3 | 前13 |
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。 | 3 | 前15 |
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。 | 3 | 前14 |
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。 | 3 | 前15 |
熱機関の熱効率に関する計算ができる。 | 3 | 前15 |