地盤工学Ⅰ(4110)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 地盤工学Ⅰ(4110)
科目番号 3Z32 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 産業システム工学科環境都市・建築デザインコース 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 「土質工学入門」三田地利之(森北出版),「解いてわかる 土質力学」近畿高校土木会(オーム社)
担当教員 清原 雄康

到達目標

土の生い立ち,構成についての定量的な評価が出来ること.土の締固まり方,土の透水性,微分方程式を利用した現場揚水試験による透水係数の決定が出来ること.1点集中荷重作用下の地中の応力分布の式を理解すること.圧密現象のメカニズム,過去の応力載荷履歴,沈下予測計算ができること.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1複雑な地盤条件での応力計算が出来る.様々な地盤条件での応力計算が行える.応力(土被り圧)計算が出来ない.
評価項目2土質力学公式の生い立ちを理解し,応用出来る.土質力学公式を適切に使える.土質力学公式の理解ができていない.
評価項目3地盤工学上問題となる様々な現象,メカニズムを理解できる.地盤工学上問題となる様々な現象,メカニズムを6割程度は理解できる.メカニズム理解が6割未満.

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー DP3 説明 閉じる
地域志向 〇 説明 閉じる

教育方法等

概要:
建設環境工学の主要分野である地盤工学の基礎的内容を習得・養成するとともに、地盤全体に対する環境観を育み、持続可能な発展を支える知識の理解と時代の変化に適切に対応できる基礎的能力を修得する。土という不均質な物性である地盤を対象とした工事の調査・設計・施工および維持管理を行う場合に必要な基本的な知識を身に付ける.
授業の進め方・方法:
教科書を中心に適宜プリント,資料等を使用し,建設工学実験(地盤実験)とも関連づけて授業を進める.毎回,宿題として演習問題を課す.授業では要点を中心に解説するので,必ず教科書と演習問題集,実験書,図書館の参考書等で復習し,理解度,習熟度を高めていただきたい.
注意点:
普段からしっかり自学自習し,真の実力を身につけて頂きたい。授業の理解を助けるための小テスト,ノートの評価も行う.三角関数,微分積分が頻繁に出てくるのでよく復習しておくこと.
評価について本試験のみの成績とレポート10%考慮の成績を比較して,高い方を評価点とする。本試験以外は,試験のみで100%評価する。難問・奇問の指摘がなければ,補充試験は実施しない。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 土の起原,土の構造,土の状態の諸指標,土の粒度. 土の生成、基本的物理量、構造などについて、説明できる。
2週 土のコンシステンシー,粘土鉱物の性質.土の工学的分類 土の粒径・粒度分布やコンシステンシーを理解し、地盤材料の工学的分類に適用できる。
3週 有効土被り圧,水中重量土の状態の諸指標,有効応力と間隙水圧 地盤内応力を説明できる。有効応力の原理を説明できる。
4週 土の締固めと管理方法・CBR 土の締固め特性を説明できる。
5週 土中の水理・ダルシーの法則,土の透水係数の測定(室内試験) ダルシーの法則を説明できる。
6週 土の透水係数の測定(現場試験),土の透水係数に及ぼす要因 透水係数と透水試験について、説明できる。
7週 流線網の性質,地盤の浸透破壊
クイックサンド現象,フィルター材と排水
透水力による浸透破壊現象を説明できる。
8週 到達度試験(答案返却とまとめ) 1週から7週までの内容のまとめ,問題に対して答えられる。
2ndQ
9週 ブーシネスクの地盤内応力(単一集中荷重) 地盤を弾性体と仮定した場合の,外力による地盤内応力を説明できる。
10週 線状荷重,帯状荷重,円形荷重),ニューマ-ク,オスターバーク,影響円図表による地盤内応力 地盤を弾性体と仮定した場合の,外力による地盤内応力を説明できる。
11週 基礎接地圧,飽和粘土の圧縮,圧密,被害例 有効応力の原理を説明できる。土の圧密現象及び一次元圧密理論について、説明できる。
12週 有効応力と間隙比の関係,圧密降伏応力の求め方 有効応力の原理を説明できる。土の圧密現象について説明できる。
13週 テルツアギの圧密方程式の導出,テルツアギの圧密理論解の導出 土の圧密現象及び一次元圧密理論について、説明できる。
14週 圧密度,圧密沈下所要時間,圧密係数の求め方 圧密沈下の計算を説明できる。
15週 沈下量の推定方法,圧密沈下対策,現場および室内における土質試験方法 圧密沈下の計算を説明できる。
16週 到達度試験(答案返却とまとめ)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。2
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。2
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。3
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。2
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。2
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。2
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。2
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。2
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。2
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。2
技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。2
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。2
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。2
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。2
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。2
情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。2
グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解それぞれの国の文化や歴史に敬意を払い、その違いを受け入れる寛容さが必要であることを認識している。2
様々な国の生活習慣や宗教的信条、価値観などの基本的な事項について説明できる。2
異文化の事象を自分たちの文化と関連付けて解釈できる。2
それぞれの国や地域の経済的・社会的な発展に対して科学技術が果たすべき役割や技術者の責任ある行動について説明できる。2
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。2
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。2
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。2
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。2
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。2
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。2
他者の意見を聞き合意形成することができる。2
合意形成のために会話を成立させることができる。2
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。2
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。2
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。2
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。2
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。2
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。2
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。2
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる2
複数の情報を整理・構造化できる。2
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。2
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。2
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。2
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。2
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。2
事実をもとに論理や考察を展開できる。2
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。2
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。2
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。2
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。2
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。2
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。2
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90000100100
基礎的能力100000010
専門的能力8000010090
分野横断的能力0000000