到達目標
用語を理解し説明できること。層流・乱流および常流・射流の分類を理解し、説明・判定できること。管路におけるエネルギ消耗を理解し、流量が計算できること。また、開水路に関して様々な断面に対する限界水深や等流水深の計算と水面形の予測および計算ができること。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
流れの分類方法とエネルギー損失 | 層流・乱流および常流・射流の分類とエネルギー損失を理解し、説明・判定できる | 層流・乱流および常流・射流の分類とエネルギー損失を概ね理解できる | 層流・乱流および常流・射流の分類およびエネルギー損失を説明・判定できない |
開水路の比エネルギーと
限界水深と等流水深 | 様々な断面に対する限界水深と等流水深が計算できる | 様々な断面に対する限界水深と等流水深の計算方法を概ね説明できる | 限界水深または等流水深の計算ができない |
不等流計算による水面形と堰の分類 | 不等流計算による水面形が計算できる。また、堰の分類が出来る。 | 概ね水面形の計算と堰の分類ができる | 水面形計算と堰の分類ができない |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
人類の歴史は河や海と深く関わっている。水は生命を維持するために無くてはならないものであり、生活用水、農業用水、工業用水などに利用し、生活を豊かなものにしている。しかし、時として洪水、津波、土石流などのように生命、財産を奪うこともある。水理学は河川改修、海岸堤防、上下水道、ダム、各種水利施設などの設計に用いられる。この授業では水の運動に関する基本的概念と原理につて説明し、その基本的性質を学ぶ。水とはどのような物理的性質のものか理解すること、流体の基礎式を導き、いろいろな条件で考察できることが目標となる。
授業の進め方・方法:
3年生の水理学Ⅰの続きである。微小要素に働く力や運動量の釣り合いから基本式を導き、境界条件から解を求めて考察する。流れは乱れているかどうかで層流と乱流に、時間的に変化しているかどうかで定常流と非定常流に、自由表面があるかどうかで管水路と開水路に区分され、その状況で流れの様子はかなり異なる。そこで、エネルギ消耗の概念を導入して工学的に重要である様々な流れについて説明する。エネルギー損失を把握した上で、流下時の流量、流速、断面形状の水理特性を考慮し、菅水路と開水路の工学的に重要な流れの問題を学ぶ。
注意点:
授業計画の各項目の内容について説明し、演習問題、課題により理解を深める。数学的な記述が多いので、基礎数学や微分積分学を理解しておく必要がある。計算問題が多いので関数電卓は必携である。演習では各自の理解度を自覚できる。建設技術者にとっては基礎的科目となる。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
2ndQ |
9週 |
平均流速公式 |
各種断面平均流速公式を用いて断面平均流速および等流水深を算出できる
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10週 |
各種形損失
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摩擦および形状損失の取扱い方を理解する
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11週 |
エネルギー線 |
エネルギー線(E線)を算出して図を描く
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12週 |
動水勾配線 |
ピエーゾ水頭を算出して動水勾配線(P線)を図を描く
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13週 |
フルード数 |
Fr数による開水路の分類方法を理解する
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14週 |
開水路流れの分類 常流と射流
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時間的および場所的な水深変化から開水路流れを分類できる Fr数を用いて常流と射流を区別できる
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15週 |
跳水現象 |
運動量方程式と連続式を適用して跳水の問題を解く
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16週 |
到達度試験 (答案返却とまとめ) |
試験および答案返却
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後期 |
3rdQ |
1週 |
開水路のエネルギー保存則と比エネルギー |
エネルギー保存則より比エネルギー式を誘導し、限界水深を求める事ができる
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2週 |
不等流の運動方程式 |
ベルヌーイ式を用いて不等流の運動方程式を理解する。
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3週 |
水面形の分類
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勾配や境界条件から理論的に存在する水面計形を理解する
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4週 |
支配断面
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水深が決定される支配断面には3種類あることを理解する
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5週 |
不等流計算による水面形の算出
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水面の境界条件(=支配断面)の種類を理解し、水面形を算出する
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6週 |
堰の分類と流量公式 横越流せき |
幅と水深によって堰の分類を理解する 横越流せきの目的と構造を理解し、水深や流量を算出する。
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7週 |
次元解析と相似則 |
対象とする現象に応じてFr則とRe則を使い分け、相似則より各水理諸元を算出することができる
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8週 |
到達度試験 (答案返却とまとめ) |
試験および答案返却
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 重力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 水理 | 比エネルギー、フルード数、常流と射流、限界水深(ベスの定理、ベランジェの定理)、跳水現象について、説明できる。 | 4 | |
層流と乱流について、説明できる。 | 3 | |
流体摩擦(レイノルズ応力、混合距離)を説明できる。 | 3 | |
管水路の摩擦以外の損失係数について、説明できる。 | 3 | |
各種の管路の流れが計算できる。 | 3 | |
開水路の等流(平均流速公式、限界水深、等流水深)について、計算できる。 | 3 | |
開水路不等流の基礎方程式を説明できる。 | 3 | |
評価割合
| 試験 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 80 | 20 | 100 |