水理学Ⅰ(4120)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 水理学Ⅰ(4120)
科目番号 0139 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 産業システム工学科環境都市・建築デザインコース 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 教員作成テキスト
担当教員 南 將人

到達目標

水の諸特性を理解し、流体の基礎式を説明でき、様々な条件で各種水理量が計算できる知識を習得する事が目標である。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1単位、次元、密度や比重等、基本的な特性量を説明できる次元や単位を間違わずに扱える基本的な特性量を説明できす、誤った単位を使う
評価項目2静水圧、圧力測定や浮体の安定性を説明すると伴に計算できる静水圧、圧力測定、浮体の安定性を計算できる静水圧、圧力測定、浮体の安定性を説明できす、計算ができない
評価項目3連続式、ベルヌーイ式、運動量方程式を説明でき、摩擦を考慮した菅水路の問題を計算できる連続式、ベルヌーイ式、運動量方程式を用いて基本的な問題を解ける連続式、ベルヌーイ式、運動量方程式を理解できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
人類の歴史は四大文明の発祥地からも分かるように河と深く係わっている。水は、生命を維持する上で無くてはならないものであるばかりでなく、生活用水、農業用水、工業用水などに利用し、私たちの生活を豊かにしている。しかし、時として、洪水、津波や土石流のように生命や財産を破壊する事もある。水理学は、河川の改修、海岸の堤防、上下水道、ダム、各種利水施設などにおよび、生活環境を安全で快適なものにするための学問である。 本講義は、水の力学の基礎理論を学び、演習を通じて必要な知識を習得する。
授業の進め方・方法:
本授業では、始めに「水」の物理的性質を説明する。次に静止状態での「静水圧」と「浮体の安定」について説明する。さらに、水が流れている時の基礎式である、「連続の式」、「ベルヌーイの式」、「運動量方程式」を説明し、これら基礎式を使いこなすために各種演習を行う。
注意点:
適宜、ノートを集めるので、1冊のノートとする事。また、電卓は必携である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 水理学の必要性と連続体の概念 水理学の必要性を説明でき、水理学の扱う範囲をイメージできる
2週 水の圧縮性と粘性 水n基本的な性質について説明できる
3週 その他の物理的性質 単位系や次元、基本物理量について理解できる
4週 静水圧の算定方法 平面や曲面に作用する静水圧の強さや方向を理解できる
5週 浮力と浮心、浮体の安定性
浮力とアルキメデスの原理を理解し、浮体の安定・不安定を計算できる
6週 一次元定常流、流れを表す各線 連続体を理解し、質量保存則を適用している事を理解できす。また、各種流れの線を理解できる
7週 連続式とエネルギー式 完全流体に対する連続式とベルヌーイの式を理解できる
8週 到達度試験 誤った問題の正答を求める事ができる
2ndQ
9週 ベルヌーイの式と圧力測定 ベルヌーイの定理を適用して各種公式を誘導できる。また、マノメータ等で圧力測定できる事が理解できる
10週 運動量方程式の誘導と応用 運動量と力積の関係を理解し、各種応用問題を計算できる
11週 損失ヘッドと層流と乱流の区別 レイノルズ数の定義を説明でき、エネルギー損失の要因を理解できる
12週 粘性と摩擦によるエネルギー減衰 粘性の定義を説明でき、その取扱い方を理解できる
13週 層流と乱流における摩擦抵抗係数 ムーディ図を理解し、摩擦損失量を求める事ができる
14週 形状変化によるエネルギー減衰 各種形状損失の要因を理解し、これらを考慮した各種水理量を求める事ができる
15週 合流、分枝における水理量の計算 複雑な管網の各種水理量を求める事ができる
16週 到達度試験 誤った問題の正答を求める事ができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野水理水理学で用いる単位系を説明できる。3前3
水の基本的な性質について説明できる。3前2
静水圧の表現、強さ、作用する方向について、説明できる。3前4
静水圧の測定の方法(マノメーター) について説明できる。3前4
水圧機(パスカルの原理)について説明できる。3前4
平面と曲面に作用する全水圧の大きさと作用点を計算できる。3前4
浮力と浮体の安定を計算できる。3前5
連続の式について理解している。3前6
連続の式について説明できる。3前1
完全流体の運動方程式(Eulerの運動方程式)を説明できる。3前7
ベルヌーイの定理を理解している。3前7
ベルヌーイの定理の応用(ベンチュリーメータなど) の計算ができる。3前9
ベルヌーイの定理の応用(自然現象、河川工学など) について説明できる。3前9
運動量保存則を理解している。3前10
運動量保存則の誘導について説明できる。3前10
運動量保存則の応用した各種計算ができる。3前10
比エネルギー、フルード数、常流と射流、限界水深(ベスの定理、ベランジェの定理)、跳水現象について、説明できる。3
各種の堰について理解している。3
比エネルギーおよび常流と射流について説明できる。3
限界水深(ベスの定理、ベランジェの定理)について説明できる。3
跳水現象について説明できる。3
層流と乱流について、説明できる。3前11
円管内の層流の流速分布(ハーゲン・ポアズイユの法則)を理解している。3前12
流体摩擦(レイノルズ応力、混合距離)を説明できる。3前13
平均流速を用いた基礎方程式、摩擦抵抗による損失水頭の実用公式、ムーディ図について理解している。3前13
摩擦抵抗による損失水頭の実用公式について説明できる。3前13
管水路の摩擦以外の形状損失水頭について理解している。3前14
管水路の摩擦以外の損失係数について説明できる。3前14
各種の管路の流れの計算ができる。3前15
開水路流れの基礎方程式について理解している。3
開水路の等流(平均流速公式、限界水深、等流水深)について理解している。3
開水路の等流(平均流速公式、限界水深、等流水深)について説明できる。3
水理特性曲線と水理学的に有利な断面について理解している。3
開水路不等流の基礎方程式について理解している。3
一様水路における不等流と背水曲線について理解している。3
一様水路における不等流と背水曲線について説明できる。3

評価割合

到達度試験小テスト・課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100