電磁気学

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 電磁気学
科目番号 0039 科目区分 一般 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 グローバル地域創生工学専攻(機械工学コース) 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書: 水田智史 著 "プログレッシブ電磁気学(共立出版)"
教材: 自作の配布資料
参考書: 多々良源 著 "ミニマム電磁気学"、砂川重信 著 "理論電磁気学(紀伊国屋書店)"
担当教員 上林 一彦

到達目標

1. マクスウェル方程式の4つの方程式が何を表しているか理解できる。
2. 「発散」や「回転」といった幾何学的概念を用いたベクトル演算ができる。
3. 時間変化がない場合で、静電ポテンシャルから電場、ベクトルポテンシャルから磁場を求めることができる。
4. 物質中おける分極および磁化がどのような現象か理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 マクスウェル方程式の4つの方程式が何を表しているか理解でき、他者に説明できる。 マクスウェル方程式の4つの方程式が何を表しているか理解できる。 マクスウェル方程式の4つの方程式が何を表しているか理解できない。
評価項目2「発散」や「回転」といった幾何学的概念を用いたベクトル演算ができ、かつ他者に説明できる。「発散」や「回転」といった幾何学的概念を用いたベクトル演算ができる。「発散」や「回転」といった幾何学的概念を用いたベクトル演算ができない。
評価項目3時間変化がある場合でも、静電ポテンシャルから電場、ベクトルポテンシャルから磁場を求めることができる。時間変化がない場合で、静電ポテンシャルから電場、ベクトルポテンシャルから磁場を求めることができる。時間変化がない場合で、静電ポテンシャルから電場、ベクトルポテンシャルから磁場を求めることができない。
評価項目4物質中における分極および磁化がどのような現象か説明できる。物質中における分極および磁化がどのような現象か理解できる。物質中における分極もしくは磁化がどのような現象か理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電磁気学は電荷と電流、電場と地場の4つの物理量の互いの関連を記述する理論であり、すべての現象はマクスウェル方程式を呼ばれる4つの基本的な方程式によって支配されている。この講義ではマクスウェル方程式を意識しながらベクトル解析の知識を応用して電磁気学を学び、その現象を理解する力と実際の問題の発見と解決に応用できる力を養う。
授業の進め方・方法:
講義形式で行う。必要に応じて適宜,事前または事後の演習課題を課す。
注意点:
総合評価は、試験結果70 %,課題の結果を 30 % で計上する。
試験については15週で実施を計画しているが、進捗状況と理解度を鑑み、7週と15週に分けて実施することがある。
合格点は総合成績で 60 点以上である。
試験結果が合格点に達しない場合、再試験を行うことがある。
特に,課題の未提出者は単位取得が困難となるので注意すること。
自学自習時間は 60 時間。

(講義を受ける前) 進捗状況に合わせて、次の講義で解説される内容を単位に注意しながら教科書で確認し、理解できなかったところを整理しておく。
(講義を受けた後) 課題に取り組み理解度を深める。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業ガイダンス
電磁気学における基本方程式、数学的道具立て1/3
授業の進め方と評価の仕方について説明する。
これから学ぶ基本方程式の概要が理解できる。
ベクトルの基本演算を復習し、場の概念の初歩を理解する。
2週 数学的道具立て2/3 マクスウェル方程式を記述する上で必要な場の偏微分のうち勾配と発散について理解し、基本的な計算ができる。
3週 数学的道具立て3/3 マクスウェル方程式を記述する上で必要な場の偏微分のうち回転について理解し、基本的な計算ができる。また、微小変位によるスカラー場とベクトル場の展開について理解する。
4週 静的な電場1/2
静電場に関するマクスウェル方程式から、電荷分布依存した電場が計算できる。
5週 静的な電場2/2 電荷分布を踏まえた電位、電気力線、静電容量、電場のエネルギー密度について理解し、それらを求める基本的な計算ができる。
6週 物質のあるところの静電場1/2 物質内の電気双極子による電場を理解し、誘電体内の電荷密度の基本的な計算ができる。
7週 物質のあるところの静電場2/2
総合演習1/2
物質内の電束密度を理解し、誘電体の接触面における境界条件に伴う、物理量の計算ができる。
これまでの内容について演習を行う。進捗状況と理解度によっては、試験を実施する。
8週 静的な磁場1/2 静電場に関するマクスウェル方程式を確認し、磁束線の性質、電流密度を踏まえた連続の方程式を整理し、アンペールの法則を利用した基本計算ができる。
4thQ
9週 静的な磁場2/2 磁束密度を生じるベクトルポテンシャルを理解し、ベクトルポテンシャルを利用したビオ・サバールの法則を経て、ソレノイド内部の磁束密度が計算できる。
10週 物質のあるところの磁場1/2 磁気双極子の持つ物理量を整理した上で、磁化と磁場について理解し、磁場に対するアンペールの法則が導出できる。
11週 物質のあるところの磁場2/2 基本的な磁性体の分類を紹介し、物質の接触面における境界条件に伴う、磁場や磁束密度の基本的な計算ができる。
12週 時間に依存した電磁場1/2 電磁誘導とファラデーの法則を理解した上で変位電流を理解し、基本的なインダクタンスの計算ができる。
13週 時間に依存した電磁場2/2 磁場や電磁場のエネルギー密度、ポインティングベクトルを理解する。
二つのポテンシャルを満たす方程式を導出できる。
14週 電磁波
総合演習2/2
自由空間における波動方程式から、空間を伝わる電磁場について基本的な性質を理解する。
これまでの内容について演習を行う。
15週 到達度試験(後期) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する。
16週 試験の解説と解答 到達度試験の解説と解答、および授業アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題合計
総合評価割合7030100
基礎的能力502070
専門的能力10515
分野横断的能力10515