微生物工学特論

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 微生物工学特論
科目番号 0058 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 グローバル地域創生工学専攻(電気情報工学コース) 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「微生物の科学と応用」 菊池慎太郎ほか 著 三共出版、自製プリントの配布
担当教員 野池 基義

到達目標

微生物工学は、培養技術や廃水処理技術などの産業・環境分野における微生物の活用に関する分野の学問です。前者は生産菌の選定、育種から始まり、培養生産、生産物の回収精製まで、また後者は有用微生物の選定、培養、浄化技術の活用・評価など、いずれも広い範囲に渡ります。本科目の到達目標は、これらの技術を体系的に学ぶことにより、微生物工学の全容を理解することです。さらに、プロセスに問題が生じた場合に、問題点を解析して、技術者としての解決手段の考察ができるようになることを目標とします。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1微生物の回分培養の生育速度論を数式を使って説明できる。微生物の回分培養の生育速度論を言葉で説明できる。微生物の回分培養の生育速度論を説明できない。
評価項目2微生物の連続培養の生育速度論を数式を使って説明できる。微生物の連続培養の生育速度論を言葉で説明できる。微生物の連続培養の生育速度論を説明できない。
評価項目3微生物の分離、保存および育種が説明でき応用できる。微生物の分離、保存および育種が説明できる。微生物の分離、保存および育種が説明できない。
評価項目4培地組成の分類と生理的な意味が理解でき、作製することができる。培地組成の分類と生理的な意味が理解できる。培地組成の分類と生理的な意味が理解できない。
評価項目5培養において雑菌汚染を防ぐ方法が理解でき、殺菌時間を計算できる。培養において雑菌汚染を防ぐ方法が理解できる。培養において雑菌汚染を防ぐ方法が理解できない。
評価項目6培養槽における酸素移動を定量的に取り扱える。培養槽における酸素移動を説明できる。培養槽における酸素移動を説明できない。
評価項目7廃水の活性汚泥法による処理方法と運転方法が理解できる。廃水の活性汚泥法による処理方法が理解できる。廃水の活性汚泥法による処理方法が理解できない。
評価項目8培養技術のバイオプロセスを説明できる。培養技術のバイオプロセスが理解できる。培養技術のバイオプロセスが理解でない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
微生物を用いて、有用物質を生産する培養生産および環境を浄化する技術の内容を体系的に学ぶ。実験室での生産菌の分離から終わりの工場での物質生産、使用する装置の構造などを学び、培養生産の基本的技術を修得する。また、環境分野における環境浄化技術の基本原理や制御技術、処理方法に関する内容を学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業は,主に自作プリントなどにもとづき上記項目を説明する.
この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習としてレポートの提出を求める.
注意点:
注意点合格点は60点である.定期試験の結果を80%,課題レポートの結果を20%の比率で評価する.
総合評価=到達度試験評価点×0.8+課題レポート×0.2

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス 授業の進め方と評価の仕方について説明する。
2週 微生物の生育速度論1 回分法、流加培養法の速度論が理解できる。
3週 微生物の生育速度論2 連続法の速度論が理解できる。
4週 工業微生物の分離、保存および育種 産業上有用な微生物の分離および保存方法が理解できる。微生物の育種の目的と方法が理解できる。
5週 工業生産の培地 培地組成の分類と生理的な意味が理解できる。
6週 殺菌 培養において雑菌汚染を防ぐ方法が理解できる。
7週 培養槽 培養槽の基本構成とその役割が理解できる。
8週 計測と制御 培養経過をモニターし、それを制御する方法が理解できる。
2ndQ
9週 通気と攪拌-酸素移動容量係数(KLa)の測定 培養槽における酸素移動を定量的に取り扱える。
10週 通気と攪拌-KLaに影響を及ぼす諸因子 培養槽のKLaの改善を考察することができる。
11週 廃水処理 廃水の活性汚泥法による処理方法が理解できる。
12週 発酵生産物の単離と精製1 菌体除去の方法と装置の仕組みが理解できる。
13週 発酵生産物の単離と精製2 培養生産物の精製プロセスが理解できる。
14週 発酵工程の経済性 培養工程を生産プロセスとして経済的視点から評価できる。
15週 到達度試験(前期末試験) 上記項目について学習した内容の到達度を確認する。
16週 試験の解説と解答 到達度試験の解説と解答、本授業のまとめ、および授業アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力0000000
分野横断的能力80000020100