工学リテラシー

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 工学リテラシー
科目番号 0018 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産システム工学科 対象学年 1
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 プリント
担当教員 古俣 和直,湊 賢一,高田 明雄,佐藤 恵一,河合 博之,阿部 勝正,小林 淳哉,渡辺 力,宮武 誠,小玉 齊明,佐々木 恵一,山﨑 俊夫

到達目標

1.各学科・コースの学習内容の概要を理解し説明でき、各専門分野の技術者像をイメージできる。
2.各学科・コースに共通する専門基礎知識を理解し説明できる。
3.レポートの作成方法を理解し、創意工夫したレポートを作成できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1機械工学としての設計製図の基本の全てを正しく実践できる各機械工学としての設計製図の基本を実践できる左記に達していない
評価項目2電気電子工学としての電気・電力、磁気、電波の全てに関する基本的な法則や原理を正しく説明できる。電気電子工学としての電気・電力、磁気、電波に関する基本的な法則や原理を説明できる。左記に達していない
評価項目3情報工学におけるコンピュータ技術(ハード、ソフト)の原理、基本的な表現や構造の全てを正しく説明できる情報工学におけるコンピュータ技術(ハード、ソフト)の原理、基本的な表現や構造を説明できる左記に達していない
評価項目4地球環境に配慮して現代社会が求めるバイオテクノロジー、材料開発の目的を広く説明できる地球環境に配慮して現代社会が求めるバイオテクノロジー、材料開発の目的を特定の事例において説明できる左記に達していない
評価項目5社会基盤工学の代表的な分野の中の力学や都市デザインのいずれもその基本的な理論や考え方を十分に説明できる社会基盤工学の代表的な分野の中の力学や都市デザインについて基本的な理論や考え方を説明できる左記に達していない
評価項目6専門性や創造性を十分に表現するレポートを作成できる。専門性や創造性を表現するレポートを作成できる。左記の水準に達しない、あるいはレポートの期日が守られていない

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 A 説明 閉じる
函館高専教育目標 B 説明 閉じる
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教育方法等

概要:
合議はオムニバス方式(複数の先生が授業を担当し、各先生が採点する)で実施する。
生産システム工学科機械コース・電気電子コース・情報コース、物質環境工学科および社会基盤工学科のどの分野の学問も我々の生活を豊かにするための工業製品の開発、ならびに地球環境の保全のための技術の開発に多大なる貢献をしている。本講義では、各工学分野における学習内容の概要、および各工学分野に共通する専門基礎知識を学習する。また、学習内容をレポートにまとめて提出することで計画的・継続的な自己学習の習慣を養う。
授業の進め方・方法:
生産システム工学科は各コースの講義を3回ずつ、物質環境工学かと社会基盤工学科は6回行う。
定期試験は実施せずレポートで評価する。
○学習上の留意点および助言:個別の知識の暗記に終始するのではなく、基本的事項の理解を深めるように心がけること。当たり前のことであるが、授業をしっかりと聞き、ノートをしっかりととるとともに、復習を必ず行うこと。双方向授業を心がけるので、疑問な点はどんどん質問してほしい。定期試験は実施せず、提出されたレポートで評価する。レポートは指定された期日までに確実に提出すること。
○関連する科目: 工学基礎実験、情報処理基礎、化学、理科総合など
○事前の準備: どの分野においても中学校で履修した理科ならびに技術の知識を前提とするので、既習の事項を十分に理解した上で授業に臨むこと。
注意点:
2年生でが深く学ぼうと考える専門性や適性を見つけ出そうとする視点で学んでもらいたい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 M1 機械工学の概要と図面の役割
C1 化学の重要性とその化学・生物工学の技術の適用
機械工学の学習内容と図面の役割を理解できる。
現代社会における物質工学の役割を説明できる。
2週 M2 製図の基礎(展開図)
C2 バイオテクノロジーの基礎(食・医)
立体の正面図を基に,その展開図を作成できる。
バイオテクノロジーが食糧生産や医療分野に活用されている例を説明できる。
3週 M3 製図の基礎(等角図)
C3 バイオテクノロジーの基礎(環境・エネルギー)と生態系
1つの図形で立体的に図示する方法を用いて作図できる。
バイオテクノロジーが環境保全やエネルギー循環にどう関わっているか説明できる。
4週 M4 製図の基礎(投影法)
C4 材料開発の目的
投影法を理解し、第3角法による投影図 を作成できる。
目的とする材料を開発するときの複数の観点から材料を選択する必要性を説明できる
5週 M5 製図の基礎(投影図)
C5 リサイクル社会の構築
投影法を理解し、第3角法による投影図を作成できる。
持続可能な発展についてリサイクルを例に説明できる
6週 M6 製図の基礎(寸法記入法)
C6 科学技術の未来の環境への使命
寸法記入法を理解し、簡単な部品図を作成できる。
地球温暖化がバイオーム・植生に与える影響と科学技術の使命を説明できる
7週 E1 電気電子の基本~直流と交流~
Z1 社会基盤整備の発展〜始まりは古代ローマから〜
電気電子技術の役割と直流・交流の特徴を説明できる。
社会基盤工学の概要、歴史、現在の状況、将来の方向性を説明できる
8週 E2 オームの法則と消費電力
Z2 力学と設計の基礎
オームの法則と消費電力について計算できる。
構造設計に必要な構造力学・材料力学の基本的な原理を説明できる
2ndQ
9週 E3 発電の仕組み
Z3 流体の基礎
火力発電や原子力発電などの特徴について説明できる。
流体の運動(水理学・流体力学)の基本的な原理を説明できる
10週 E4 電磁力に関する実験
Z4 地学と地盤の基礎
電磁力に関する実験を通してモータの仕組みを説明できる。
構造物を支える地盤について基本的な地学の知識から説明できる
11週 E5 磁石について
Z5 都市計画の基礎
モータに使われる磁石や電磁石の特徴を説明できる。
土地利用や街づくりの基本的な考えを方を説明できる
12週 E6 電波について
Z6 3次元デザインの基礎
テレビや携帯電話に使われる電波について説明できる。
ICTを活用した3次元デザインの基本的な考えを説明できる
13週 J1 情報技術とは
J4 インターネットの仕組み
情報技術と、それに取り組む情報技術者の姿をイメージできる
ドメイン情報とIPアドレスの役割について説明できる
14週 J2 コンピュータの基本構成
J5 ネットワークコマンド
コンピュータの基本構成の各装置およびOSの種類や役割を説明できる
コマンドプロンプトから各種ネットワークに関するコマンドを利用することができる
15週 J3 コンピュータ内部のデータ表現
J6 アルゴリズムの基本
基数変換を理解する。文字・数値・画像データのコンピュータ内部の表現を説明できる
アルゴリズムとは何かを簡単な言葉で説明することができる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。2
電気オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。2
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。2
ジュール熱や電力を求めることができる。2
ライフサイエンス/アースサイエンスライフサイエンス/アースサイエンス地球上の生物の多様性について説明できる。3前3
生物の共通性と進化の関係について説明できる。3前3
生物に共通する性質について説明できる。3前3
植生の遷移について説明でき、そのしくみについて説明できる。3前6
世界のバイオームとその分布について説明できる。3前6
日本のバイオームの水平分布、垂直分布について説明できる。3前6
生態系の構成要素(生産者、消費者、分解者、非生物的環境)とその関係について説明できる。3前2,前3
生態ピラミッドについて説明できる。3前2,前3
生態系における炭素の循環とエネルギーの流れについて説明できる。3前3,前4
熱帯林の減少と生物多様性の喪失について説明できる。3前6
有害物質の生物濃縮について説明できる。3前5
地球温暖化の問題点、原因と対策について説明できる。3前5
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。2
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。2
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。2
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。2
情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。3
論理演算と進数変換の仕組みを用いて基本的な演算ができる。3
情報伝達システムやインターネットの基本的な仕組みを把握している。3
専門的能力分野別の専門工学機械系分野製図線の種類と用途を説明できる。2前1,前4,前5,前6
物体の投影図を正確にかくことができる。2前4,前5,前6
機械設計標準規格の意義を説明できる。2
電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。2
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。2
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。2
電磁気磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。1
電力水力発電の原理について理解し、水力発電の主要設備を説明できる。1
火力発電の原理について理解し、火力発電の主要設備を説明できる。1
原子力発電の原理について理解し、原子力発電の主要設備を説明できる。1
情報系分野計算機工学整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。2前15
基数が異なる数の間で相互に変換できる。2前15
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。2前14,前15,前16
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。2前14,前15,前16
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。2前14,前15,前16
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。2前14,前15,前16
コンピュータシステムネットワークコンピューティングや組込みシステムなど、実用に供せられているコンピュータシステムの利用形態について説明できる。1
デュアルシステムやマルチプロセッサシステムなど、コンピュータシステムの信頼性や機能を向上させるための代表的なシステム構成について説明できる。1
情報通信ネットワークプロトコルの概念を説明できる。2
プロトコルの階層化の概念や利点を説明できる。2
ローカルエリアネットワークの概念を説明できる。2
インターネットの概念を説明できる。2
TCP/IPの4階層について、各層の役割を説明でき、各層に関係する具体的かつ標準的な規約や技術を説明できる。2
その他の学習内容少なくとも一つの具体的なオフィススイート等を使って、文書作成や図表作成ができ、報告書やプレゼンテーション資料を作成できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合00000100100
基礎的能力0000000
専門的能力00000100100
分野横断的能力0000000