センシング演習基礎

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 センシング演習基礎
科目番号 0031 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産システム工学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 テキスト配布/関係テキスト,文献より配布
担当教員 中村 尚彦,高橋 直樹,森谷 健二

到達目標

1.様々な物理量について対応するセンサを用いて測定できる事を体験し,「計測できること」を説明できる.
2.ブレッドボード等を用いて簡単なセンシング回路を組むことができる.
3.習得したことを口頭および文章で適切に報告できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各センサが計測する物理量と出力する物理量を説明できる様々なセンサ素子を用いる事で物理諸量を計測できることが理解できるそれぞれのセンサが計測している物理量について全く説明できない
評価項目2回路図を見ながらセンシング回路を組むことができ,なおかつ動作原理も説明できる適切に助言をもらいながら簡単なセンシング回路を組むことができる教えてもらいながらでも,センシング回路を組むことができない
評価項目3図表を駆使して,他者が十分に理解できる報告を行う事ができる適切な日本語で他者が理解できる報告を行う事ができる報告書および口頭発表を作成できない

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
温度,距離,光などの様々な物理量のセンシングは生産系ものづくりにおける重要な基礎技術である.本講義では様々なセンサの基礎原理を学び,各種センサで「何をセンシングできるか」を他者に説明し,実際に与えられた簡単なセンシング回路を作成できることを到達レベルとする. 回路の設計までは到達目標としない.
授業の進め方・方法:
本講義では,使用するセンサの詳細な内部回路の理解までは求めない.センシングする物理量と,それに対応した出力の物理量(例えば明るさを抵抗の変化で出力,等)を理解することを到達目標としている.本講義の内容はコースによらず生産系ものづくりのために必要となる基礎である.生産システム創造実験I,IIなどでは本講義の知識を存分に役立てて欲しい.
注意点:
最低限,オームの法則と分圧の法則を理解していなければ実習は困難であるので復習してから講義に臨んで欲しい.
◎センシング事例口頭発表会にてプレゼンテーションを汎用的技能(コミュニケーションスキル)として評価する
◎本講義における演習において,テキスト以上の回路に自ら取り組み,優秀な成果を残した学生にはレポートにボーナス点を付与することがある.ただし,総合点は100点満点で打ち切る.
◎レポートの提出により学習意欲を態度志向性(主体性・自己管理)として評価する
◎講義中の携帯電話の使用,居眠りは3点/回の減点とする.また,安全上の理由から演習に適さない格好をしている学生はその回の成績を0点として受講を拒否することがあるので注意せよ.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
センシング技術の重要性
プレゼン技法基礎
・実社会に使用されているセンサの例を挙げることができる
2週 センシング事例発表会 ・グループ単位で実社会に使われている様々なセンサについて発表することができる
3週 機材使用法の確認
接点式スイッチ
・ブレッドボード,電源,結線,テスター,オシロスコープを使うことができる
・スイッチを使った直接接触式ON,OFFの体験
4週 素子の定格と分圧回路の計算 ・抵抗の定格電力や簡単な分圧回路の計算をすることができる
5週 LED回路 ・LED点灯回路をブレッドボード上に組むことができる
・赤外線LEDを使用し,可視光の意味を知ることができる
6週 トランジスタによるスイッチング

データシートの活用
・トランジスタを電気的スイッチとして理解できる.
・トランジスタの一般的な定格について理解できる
・データシートに特性が記載してあることを理解できる
7週 トランジスタによるモータ駆動 ・小信号用,電力用など,用途に応じた素子があることを説明できる
8週 レポート提出,口頭試問等
4thQ
9週 光センサ ・LEDとフォトトランジスタによる絶縁手法を理解できる
10週 ロータリーエンコーダの原理 ・回転数をセンシングする原理を体験する
11週 ロータリーエンコーダの原理2 ・回転方向をセンシングする原理を体験する。
12週 圧力センサ
ひずみセンサ
・圧力センサによるLED点灯回路を組むことができる
・ひずみセンサを使うことができる
13週 温度センサ ・サーミスタと温度センサICを使い,その挙動を確認できる
14週 磁気センサ ・磁気センサを使い,LEDを点灯することができる
15週 レポート提出,口頭試問等
16週 レポート提出予備日

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3後1
安全を確保して、実験を行うことができる。3後1
専門的能力分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。2後4
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。2後4
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。2後10
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。2後4
増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。2後6

評価割合

定期試験小テストレポート口頭発表成果品 実技その他合計
総合評価割合00901000100
基礎的能力0000000
専門的能力00901000100
分野横断的能力0000000