生産システム実習基礎

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 生産システム実習基礎
科目番号 0031 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産システム工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材
担当教員 鈴木 学,剱地 利昭,高橋 直樹,今野 慎介,東海林 智也,川合 政人,藤原 亮,高田 明雄,柳谷 俊一

到達目標

1. 自らが所属するコースの基礎知識に基づいて,「加工・測定」「電気機器の使用」「プログラミング」のいずれかができる.
2. 加工,測定,電気回路,プログラミング,制御,通信の基礎技術を理解し,実施した実習内容を報告書としてまとめることができる。
3. 集団の中での役割や責任を理解し,自ら進んでものごとに取り組むことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1「加工・測定」「電気機器の使用」「プログラミング」のいずれかができ,その結果を評価することができる.「加工・測定」「電気機器の使用」「プログラミング」のいずれかができる.「加工・測定」「電気機器の使用」「プログラミング」がいずれもできない.
評価項目2実施した実習内容・実習結果およびその評価を正確に期日までに報告でき,自身で考察できる。実施した実習内容・実習結果,を正確に期日までに報告できる。実施した実習内容を報告できない。
評価項目3周りの状況を把握し,自分の役割・責任を理解し,主体的に行動できる。周りの状況を把握し,自分の役割・責任を理解し行動できる。自分の役割・責任を理解し行動できない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
生産システム工学系技術者として必要な基礎知識を得るために,「自らが所属するコース」に関する実習を8回,「所属コース以外」の実習を4回,それぞれ実施する.それぞれの演習の概念や方法の意味を理解し,それらの知識を必要に応じて活用できることを目標とする。なお授業内容は公知の情報のみに限定されている。
授業の進め方・方法:
「自らが所属するコース」に関する実習を8回,「所属コース以外」の実習を4回,それぞれ実施する.
注意点:
【重要】各テーマにおいて,レポート60%,成果品・実技40%,で評価する。ただしレポートが1通でも提出されない場合,全レポートの評点をゼロとする。
【重要】無断欠席の場合には,原則として補習を行わない。特別欠席,その他やむを得ない理由により欠席した場合には,欠席者から担当教員への申し出に応じて補習を実施する。
・どのテーマにおいても,教員の指示に従って実験を行うこと。
・事前にテキスト等を確認し,その回で行う実習内容を把握しておくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
(※第2週~9週は,自らが所属するコースに関する実習を行う)
・安全作業について説明できる。
・実習内容について説明できる。
2週 【機械コース】
機械系テーマについて各クラスを4班に分け、ローテーションで実施する。
1-1)旋盤加工①
1-2)旋盤加工②

2-1)フライス加工①
2-2)フライス加工②
【機械コース】
・旋盤加工について説明できる。
・フライス加工について説明できる。
・正面フライス,エンドミルなどの加工工具を説明できる。
・表面粗さを説明でき,測定できる。
・マイクロメータ,ノギスで測定できる。
3週 【機械コース】
3-1)板金加工
3-2)機械装置分解・組立

4-1)CAD/CAM,レーザー加工①
4-2)CAD/CAM,レーザー加工②
【機械コース】
・板金加工について説明できる。
・機械装置の一般的な構造を説明できる。
・レーザー加工について説明できる。
・CADを用いて加工形状のデザインをできる。
・CADデータの利用方法(データ変換)を説明できる。
4週 【電気電子コース】
電気電子系テーマについて各クラスを4班に分け、ローテーションで実施する。
1-1)直流安定化電源とデジタルテスタの使い方(その1)
1-2)直流安定化電源とデジタルテスタの使い方(その2)

2-1)オシロスコープと低周波発振器(その1)
2-2)オシロスコープと低周波発振器(その2)
【電気電子コース】
・直流電源装置を使用でき,電圧の微調整を行える。
・デジタルテスタで直流電圧を測定できる。
・電圧値の記録ができる。
・抵抗器の電圧降下と電流を測定する回路を構成できる。
・電圧降下と電流の関係から抵抗値を推定できる。
・推定した抵抗値と読み取った抵抗値の差を計算できる。

・オシロスコープで電圧波形を観測できる。
・観測結果に基づいて,交流電圧の特徴量を測定できる。
・低周波発振器を使用できる。
5週 【電気電子コース】
3-1)ブレッドボードの使い方・Trのスイッチング機能(その1)
3-2)ブレッドボードの使い方・Trのスイッチング機能(その2)

4-1)電球の消費電力比較・発電機と電動機(その1)
4-2)電球の消費電力比較・発電機と電動機(その2)
【電気電子コース】
・ブレッドボードの配線を理解できる。
・ブレッドボードで回路を構成できる。
・Trのスイッチング機能を利用し,LEDとモータを点灯・駆動できる。

・回路図通りに交流回路を構成(結線)できる。
・アナログ電圧計および電流計を使用できる。すなわち,適切なレンジの端子を選択でき,指針の指示を正しく読み取れる。
・白熱電球,LED電球,電球型蛍光灯の消費電力をまとめることができる。
・モータを発電機として使用できる。
・モータを電動機として使用できる。
6週 【情報コース】
1.はじめに、HTMLとJavaScriptの基礎
2.GUIプログラムの基礎(グラフィック、フレーム処理、イベント処理)
3.GUIプログラムの実装演習1
4.GUIプログラムの実装演習2
【情報コース】
1.この実験の目的、JavaScriptの基本文法や実行方法を理解し、簡単なプログラムを実装できる。
2.描画処理、フレーム処理、イベントハンドラを実装したプログラムを作成できる。
3.キーボードから操作を行えるグラフィカルなアプリケーションを作成できる。
4.キーボードから操作を行えるグラフィカルなアプリケーションを作成できる。
7週 【情報コース】
5.GUIプログラムの実装演習3
6.これまでの学習内容をもとに、自身が開発するアプリケーションを決定する。
7.アプリケーションの実装
8.アプリケーションの実装
【情報コース】
5.キーボードやマウスから操作を行えるグラフィカルなアプリケーションを作成できる。
6.これまでの学習内容をもとに、自分の作成するアプリケーションを考案し、説明できる。
7.自身の考えたアプリケーションを実装できる。
8.自身の考えたアプリケーションを実装できる。

①プログラム  → 成果実技として評価する。
②マニュアルと報告書 → レポートとして評価する。
8週
2ndQ
9週 (※第10週~13週は,所属コース以外の実習を行う)
10週 【機械実習】
機械系テーマについて各クラスを2班に分け、ローテーションで実施する。
1)CAD/3Dプリンタ

2)機械加工基礎
【機械実習】
・CADで3次元形状をモデリングできる。
・3Dプリンタによる造形を説明できる。
・各種工具,計測器具の適切な使用方法を説明できる。
・穴加工,ねじ切り加工を説明できる。
・レーザー加工による金属板の切断,プレス加工機による金属板の曲げ加工を説明できる。
11週 【電気電子実習】
電気電子系テーマについて各クラスを2班に分け、ローテーションで実施する。
1)オシロスコープの使い方

2)デジタルテスタとブレッドボードの使い方
【電気電子実習】
・オシロスコープで電圧波形を観測できる。
・観測結果に基づいて,交流電圧の特徴量を測定できる。

・デジタルテスタで直流電圧を測定できる。
・ブレッドボードの配線を理解できる。
・ブレッドボードで回路を構成できる。
12週 【情報実習】
1.マイコンプログラムの基礎
2.マイコンプログラムの応用
【情報実習】
1.マイコンの機能を使用した簡単なプログラムを作成することができる。
 ・LEDの点滅制御、AD変換、センサ入力
2.複雑なプログラムを開発する手順を理解し、マイコンプログラムの開発に適用することができる。
 ・スイッチ入力の検出、状態遷移図・表を利用したプログラム開発
13週
14週 補習・レポート指導
15週 実習内容の確認,総評
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
専門的能力分野別の専門工学機械系分野製図CADシステムの役割と基本機能を理解し、利用できる。3前4,前5
工作切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。2前2
バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を説明できる。2前2
フライスの種類と各部の名称、フライス盤の種類と構造を説明できる。2前3
ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を説明できる。2前3
分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。4前1
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。4前1
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。4前1
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。4前2
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。4前2
やすりを用いて平面仕上げができる。4前3
ねじ立て工具を用いてねじを切ることができる。4前3
旋盤主要部の構造と機能を説明できる。4前2
旋盤の基本操作を習得し、外丸削り、端面削り、段付削り、ねじ切り、テ―パ削り、穴あけ、中ぐりなどの作業ができる。4前2
フライス盤主要部の構造と機能を説明できる。4前3
フライス盤の基本操作を習得し、平面削りや側面削りなどの作業ができる。4前3
ボール盤の基本操作を習得し、穴あけなどの作業ができる。4前3
電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。3前7,前8
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。3前9
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。3前6
情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】論理回路などハードウェアを制御するのに最低限必要な電気電子測定ができる。4前6,前7,前8,前9
要求仕様に従って標準的な手法によりプログラムを設計し、適切な実行結果を得ることができる。2前10,前11,前12,前13

評価割合

レポート発表相互評価態度ポートフォリオ成果実技合計
総合評価割合60000040100
基礎的能力0000000
専門的能力5000003080
分野横断的能力1000001020