電子工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 電子工学Ⅰ
科目番号 0056 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産システム工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 西村信雄、落合謙三 共著 「改訂 電子工学」、コロナ社
担当教員 山田 一雅

到達目標

1.  エネルギー準位について説明し、計算できる
2.  ドリフト電流について説明し、計算できる
3.  ホール効果とpn接合の原理を理解し、計算できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1エネルギー準位について説明でき,統計学的に説明と計算することができるエネルギー準位について説明でき,講義ノートを見ながら,統計学的計算ができるエネルギー準位について説明できず,講義ノートを見ても定義などを説明や計算ができない
評価項目2ドリフト電流について説明でき,定量的に計算することができるドリフト電流について説明でき,講義ノートを見ながら,定量的に計算ができるドリフト電流について説明できず,講義ノートを見ても定義などを説明や計算ができない
評価項目3ホール効果とpn接合について説明でき,定量的に計算することができるホール効果とpn接合についておよそ説明でき,講義ノートを見ながら,定量的に計算ができるホール効果とpn接合について説明できず,講義ノートを見ても定義などを説明や計算ができない

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
結晶における電子の運動と電気伝導の関係や真空中における電子の振る舞いなどの学習に基づいて、半導体素子の動作原理を理解するための基礎知識を身につけることを目標とする。
授業の進め方・方法:
注意点:
・「暗記」ではなく「理解すること」を常に心がけること。
・図を描きながら考える習慣を身に着けるように努力すること。
◎事前準備:前年次までの化学と物理に関する内容が必要になる。テキストなどを復習しておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス (1.0h)
原子内の電子(コア)(1.0h)
・電子工学の概要と評価方法がわかる。
・エネルギー準位について説明し、計算できる。
2週 原子内の電子(コア)(2.0h) ・エネルギー準位について説明し、計算できる。
3週 原子内の電子(コア)(2.0h) ・エネルギー準位について説明し、計算できる。
4週 エネルギーバンド構造・準位(コア)(2.0h) ・エネルギーバンドとフェルミ準位、自由電子と正孔について説明できる。
5週 エネルギーバンド構造・準位(コア)(2.0h) ・エネルギーバンドとフェルミ準位、自由電子と正孔について説明できる。
6週 真性半導体と不純物半導体(コア)(2.0h) ・エネルギーバンドを描いて、多数キャリア、少数キャリアについて説明できる。不純物の種類、密度とキャリア密度の関係を計算できる。
7週 半導体内の電気伝導(2.0h) ・ドリフト電流、拡散電流について説明し、計算できる。
8週 中間試験(2.0h)
2ndQ
9週 試験答案返却・解答解説(1.0h)
ホール効果(1.0h)
・間違った問題の正答を求めることができる
・ホール効果の原理を理解し、ホール係数を計算できる。
10週 ホール効果(1.0h)
pn接合と整流作用(コア)(1.0h)
・ホール効果の原理を理解し、ホール係数を計算できる。
・pn接合のエネルギーバンドを描き、整流作用を説明できる。
11週 pn接合と整流作用(コア)(2.0h) ・pn接合のエネルギーバンドを描き、整流作用を説明できる。
12週 pn接合と整流作用(コア)(1.0h)
pn接合の降伏現象(1.0h)
・pn接合のエネルギーバンドを描き、整流作用を説明できる。
・降伏現象を説明できる。
13週 pn接合の降伏現象(1.0h)
半導体と金属の接触(1.0h)
・降伏現象を説明できる。
・エネルギーバンドにより整流作用とオーム接触を説明できる。
14週 半導体と金属の接触(1.0h)
pn接合の静電容量(1.0h)
・エネルギーバンドにより整流作用とオーム接触を説明できる。
・空乏層の電界、電位と静電容量の関係を説明できる。
15週 期末試験
16週 試験答案返却・解答解説(2.0h) ・間違った問題の正答を求めることができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。4
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。4
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。4
理想変成器を説明できる。3
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。3
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。3
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。3
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。3
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。3
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。3
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。3
静電エネルギーを説明できる。4
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。4
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。4
電子回路ダイオードの特徴を説明できる。3前10,前11,前12,前13,前14
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。4前10,前11,前12,前13,前14
FETの特徴と等価回路を説明できる。4前10,前11,前12,前13,前14
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。4
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。4
演算増幅器の特性を説明できる。3
電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。4前1,前2
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。4前1,前2
原子の構造を説明できる。4前1,前2
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。4
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。4前1,前2,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。4前1,前2,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14
真性半導体と不純物半導体を説明できる。4前1,前2,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。4前1,前2,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。4前1,前2,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14
電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。4
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。4
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。4
同期機の原理と構造を説明できる。4
変圧器の原理、構造、特性を説明でき、その等価回路を説明できる。4
半導体電力変換装置の原理と働きについて説明できる。4
水力発電の原理について理解し、水力発電の主要設備を説明できる。3
火力発電の原理について理解し、火力発電の主要設備を説明できる。3
原子力発電の原理について理解し、原子力発電の主要設備を説明できる。3
その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。3
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。2
計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。3
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。3
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。3
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。3
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。4
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。4
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。4
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。4
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。4
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。3
電力量の測定原理を説明できる。3
オシロスコープの動作原理を説明できる。4
制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。4
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。4
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。3
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。4
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。4
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000