電気電子工学基礎実験Ⅱ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電気電子工学基礎実験Ⅱ
科目番号 0059 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産システム工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 実験テキストを配布する.
担当教員 丸山 珠美,森田 孝,下町 健太朗

到達目標

1.  半導体素子の電気的特性の測定法を習得し,実験を通して理解できる.
2. 論理回路の動作について実験を通して理解できる.
3. インダクタンス・キャパシタンス・インピーダンスなどの素子値の測定方法を習得できる。
4. 交流回路理論における諸現象について実験を通して理解できる.
5. 交流回路における有効電力,無効電力,力率を測定できる.
6. 電磁気学における電磁力,電磁誘導について測定し,理解を深めることができる.
7. 基礎的原理や現象を理解するための実験手法,実験手順,実験データ処理法等について理解できる.
8. 実験テーマの内容を理解し,実験・測定結果の妥当性評価や考察等について論理的な説明ができる.
9. 実験レポートの作成の方法を理解し,実践できる.
10. 実験データの分析,誤差解析,有効桁数の評価,整理の仕方,考察の進め方について理解し,実践できる.
11. 実験装置や測定器の操作,及び実験器具の取扱いに慣れ,安全に実験を行うことができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ダイオード,トランジスタの静特性とその測定法について説明できる.ダイオード,トランジスタの静特性と,その測定方法を理解できる.ダイオード,トランジスタの静特性と,その測定法を理解できない.
評価項目2各種ディジタル回路を組み合わせて,論理回路を設計できる.各種ディジタル回路(AND,OR, NOT,NAND等)を構成して,その動作を確認できる.各種ディジタル回路(AND,OR, NOT, NAND等)の動作を理解できない.
評価項目3インダクタンス, キャパシタンス, インピーダンスの周波数特性を説明できる.インダクタンス, キャパシタンス, インピーダンスの測定方法を習得できる.インダクタンス, キャパシタンス, インピーダンスの測定方法を理解できない.
評価項目4RL,RC回路の電流,電圧,周波数特性を計算して,測定値と比較できる.RL,RC回路の電流,電圧,周波数特性の測定方法を習得できる.RL,RC回路における電流,電圧の測定方法が理解できない.
評価項目5RL,RC回路の電流,電圧,電力,力率を計算して,測定値と比較できる.RL,RC回路の電流,電圧,電力,力率の測定方法を習得できる.RL,RC回路の電流,電圧,電力,力率の測定方法を理解できない.
評価項目6電磁力,電磁誘導について理論と測定方法を十分理解し,測定結果について適切な考察ができる.電磁力,電磁誘導についてテキストに沿って測定し,理解を深めることができる.電磁力,電磁誘導について測定できず,理解もできない.
評価項目7基礎的原理や現象を十分に理解し,テキストにない実験方法も考えることができる.基礎的原理や現象を理解するための実験手法,実験手順を理解し,実験データをグラフに描ける.基礎的原理や現象を理解するための実験手法,実験手順,実験データ処理法を理解できない.
評価項目8実験・測定結果についてその妥当性を確認した上で,その実験方法や結果について評価,考察できる.実験テーマの内容を理解し,実験・測定結果についてその妥当性を確認して,それを正しい日本語で記述できる.実験テーマの内容が理解できず,実験を遂行できない.
評価項目9レポートの構成,見やすさ,図や説明のわかりやすさを考慮して実験レポートを作成できる.実験レポートの作成の方法を理解し,レポートを期日までに作成できる.実験レポートの作成の方法を理解し,レポートを期日までに作成できない.
評価項目10実験データの誤差や有効桁数を踏まえて的確に整理して考察し,論理的に記述できる.実験データの誤差について,有効桁数も考慮しながら検討し,考察としてまとめることができる.実験データの誤差や,有効桁数を理解していない.
評価項目11実験装置や器具の置き方にも工夫し,より安全に実験を遂行できるように配慮できる.実験装置や測定器の操作,及び実験器具の取扱いに慣れ,安全に実験を行うことができる.実験装置や測定器の操作,及び実験器具の取扱いに慣れておらず,安全にも配慮できない.

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 A 説明 閉じる
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教育方法等

概要:
本授業では,電気電子工学分野における各種素子,論理回路,電気回路などに関する基礎的な実験を行い,その実験を通して測定器の使い方とともに各種の測定方法を習得する.また,グループでお互いに協力しあって実験を実施し,さらに実験結果を適切にまとめて報告書として期日までに提出できるコミュニケーション力も身に付ける.
授業の進め方・方法:
・ 事前準備:実験前までに指導書をよく読み,実験の目的および原理,実験方法を理解してから実験に臨む.
・ 常に好奇心を持ち,実験方法,実験結果について,グループ内で議論をしながら実験を進める.
・ 測定をしながら測定結果をグラフにプロットし,その結果についてグループで考察しながら測定を進める.
・ 服装,身だしなみをきちんとして,安全にも気をつけ,事故を起こさないように落ち着いて実験する.上着は作業服とし,またサンダル等ではなく,必ず靴を履いて実験を行う.
注意点:
・ 報告書の提出期日を厳守すること.報告書の提出遅れは,-10点/日とする.
・ テーマ毎にレポートを提出する.未提出レポートが一つでもある場合は学年成績を59点以下とする.
・ レポート提出後は必ず評価結果を担当教員に確認すること.その確認を行わない場合はそのレポートは未提出扱いとなる.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス(4h) ・本授業の到達目標,授業内容,評価方法等について理解する.
・前半の3テーマについて配付テキスト,説明により理解を深める.
2週 以下の3テーマについて,グループごとにローテーションで実施する.各テーマは2週で実施する.
1.半導体の特性測定に関する実験(2週,8h)(コア)
・ダイオード,トランジスタの静特性の測定方法を習得するとともに,その特性を理解する.
3週 1.半導体の特性測定に関する実験(2週,8h)(コア) ・ダイオード,トランジスタの静特性の測定方法を習得するとともに,その特性を理解する.
4週 2.電気磁気学に関する実験(2週,8h) ・電磁気学で学習する電磁力とレンツの法則,ファラデーの法則などについて,測定を通して理解する.
5週 2.電気磁気学に関する実験(2週,8h) ・電磁気学で学習する電磁力とレンツの法則,ファラデーの法則などについて,測定を通して理解する.
6週 3.論理回路に関する実験(2週,8h)(コア) ・各種ディジタル回路の基本動作を理解するとともに,論理ICを用いて実際の論理回路を作製し,その動作について測定を通して理解する.
7週 3.論理回路に関する実験(2週,8h)(コア) ・各種ディジタル回路の基本動作を理解するとともに,論理ICを用いて実際の論理回路を作製し,その動作について測定を通して理解する.
・後半の3テーマについて配付テキストおよび簡単な説明により理解を深める.
8週 以下の3テーマについて,グループごとにローテーションで実施する.各テーマは2週で実施する.
4.インダクタンスとキャパシタンスに関する実験(2週,8h)(コア)
・自己インダクタンス,キャパシタンス,インピーダンスの測定法を習得するとともに,その特性を理解する.
2ndQ
9週 4.インダクタンスとキャパシタンスに関する実験(2週,8h)(コア) ・自己インダクタンス,キャパシタンス,インピーダンスの測定法を習得するとともに,その特性を理解する.
10週 5.交流電力に関する実験(2週,8h)(コア) ・RLおよびRC回路の電流,電圧,電力,力率等の測定を通して,測定方法を習得するとともに,それらの諸量の意味を理解する.
11週 5.交流電力に関する実験(2週,8h)(コア) ・RLおよびRC回路の電流,電圧,電力,力率等の測定を通して,測定方法を習得するとともに,それらの諸量の意味を理解する.
12週 6.RLC回路のインピーダンスに関する実験(2週,8h)(コア) ・RLC回路のインピーダンスについて,その周波数特性,共振特性などの測定を通して,それらの測定方法を習得するとともに,その特性を理解する.
13週 6.RLC回路のインピーダンスに関する実験(2週,8h)(コア) ・RLC回路のインピーダンスについて,その周波数特性,共振特性などの測定を通して,それらの測定方法を習得するとともに,その特性を理解する.
14週 レポート評価確認,実験予備日(4h) ・レポートの評価を通じて,改善すべき個所を理解する.
・補講実験等が必要な場合に,補講実験を実施する.
15週 総合演習(4h) ・実験内容に関する総合演習を通じて,実験内容について復習するとともに,理解を深める.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野計測有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。3前9
電力量の測定原理を説明できる。3前9
分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。4前9,前10,前11,前12,前13,前14
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14
インピーダンスの周波数特性を考慮し、実験結果を考察できる。4前9,前10,前11,前12,前13,前14
共振について、実験結果を考察できる。4前9,前10,前11,前12,前13,前14
論理回路の動作について実験結果を考察できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7
ダイオードの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7
トランジスタの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7
ディジタルICの使用方法を習得する。4前2,前3,前4,前5,前6,前7

評価割合

試験レポート相互評価実験基礎力ポートフォリオその他合計
総合評価割合07003000100
基礎的能力0150150030
専門的能力055000055
分野横断的能力000150015