情報ネットワーク基礎

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 情報ネットワーク基礎
科目番号 0062 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 ネットワーク 目に見えないしくみを構成する技術(井口信和著/森北出版)/ 徹底攻略Cisco CCENT/CCNA Routing & Switching 教科書 ICND1編[100-101J][200-120J]対応(インプレス)
担当教員 今野 慎介,小山 慎哉

到達目標

1.プロトコルの階層化の概念や利点を説明できる。
2.ローカルエリアネットワーク(LAN)とインターネットに関する基本的技術を理解し、応用できる。
3.ネットワーク利用における脅威、および脅威に対する対策について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1階層化の概念や利点を説明でき、各プロトコルの詳細な仕組みを説明できる。OSI参照モデル、TCP/IPモデルの各階層の役割や、各プロトコルの機能について説明できる。プロトコルの階層化の概念を理解していない。
評価項目2LANとインターネットに関する基本的技術を理解し、効率的利用に応用することができる。LANとインターネットに関する基本的技術を説明できる。LANやインターネットがどのように実現されているのか、技術的背景を理解していない。
評価項目3ネットワーク利用における脅威に対する対策について、実際の現場に応用できる。ネットワーク利用における脅威、および脅威に対する対策について説明できる。ネットワーク利用における脅威、および脅威に対する対策について理解していない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
社会インフラの一つである、情報通信ネットワークの仕組みの基礎を習得することを目標とする。具体的には、モデルコアカリキュラムの情報系分野で規定している「プロトコルの階層化」「ローカルエリアネットワークとインターネット」「セキュリティ」について説明できるレベル、さらに小規模ネットワーク(家庭内、研究室内など)の設計および構築ができ、ネットワーク利用におけるトラブルシューティングができるレベルを目指す。
授業の進め方・方法:
授業内容をより理解を含めるため、e-ラーニングを駆使し、コマンドプロンプトやPacketTracerというソフトウェアを使って実習を行う。
注意点:
2進-10進-16進などの基数変換や、論理演算をよく使用するので、復習し計算方法を習得しておくこと。
予習・復習のため、授業の前後に課題を課すので、しっかり準備して授業に臨むこと。
また、コンピュータネットワークは生活のいたるところでよく使われている技術であるので、身の回りのネットワーク技術に関心を持つようにすること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、ネットワーク基礎 ネットワークの代表的な形態やインターネットの概要を説明できる
2週 OSI参照モデル OSI参照モデルと各層の機能と役割を理解できる。また、データのカプセル化について説明できる。
3週 物理層とデータリンク層 ケーブルの種類や無線LAN、MACアドレスとイーサネットの仕組みについて説明できる
4週 ネットワーク層 パケットの仕組み、およびICMP、ARPの機能について説明できる。
5週 IPアドレス IPアドレスの仕組みと種類について理解できる
6週 サブネット化、トランスポート層 サブネットマスクの役割、およびIPアドレスのサブネット化について理解できる。TCPとUDPの機能の違い、ポートについて説明できる。
7週 アプリケーション層 DNS、Telnet、FTP、メール、HTTPに関する仕組みを理解できる
8週 中間試験
2ndQ
9週 試験答案返却・解答解説(1h) 間違った問題の正答を求めることができる。
10週 ・ルーティングの基礎
・スタティックルーティング
・ルータの役割や、ルーティングテーブルに必要な情報を理解し、説明できる。
・スタティックルーティングについて説明できる。
・ルーティングテーブルの情報を基に、データが離れたネットワークまで転送される手順を説明できる。
11週 ・ダイナミックルーティング
・ルーティングのまとめ
・RIPの概要について理解し、基本的なルーティング技術について説明できる。
・ローカルネットワークからインターネットへ通信を行う際に行われることを理解し、説明できる。
12週 ・情報セキュリティと社会
・情報セキュリティにおける脅威1
・情報セキュリティの概念を理解し、説明できる。
・情報セキュリティを取り巻く社会の状況や法律、倫理などについて理解し、説明できる。
・マルウェアやフィッシングなど、日常で遭しうる代表的な脅威について理解し、その特徴を説明できる。
13週 ・情報セキュリティにおける脅威2
・脅威に対する対策1
・マルウェアやフィッシングなど、日常で遭しうる代表的な脅威について理解し、その特徴を説明できる。
・暗号化技術やアクセス制御技術など、脅威に対するセキュリティ技術について説明できる。
14週 ・脅威に対する対策2
・無線LANとセキュリティ
・セキュアプロトコル
・無線LANを利用する上で必要となるセキュリティ技術について説明できる。
・SSHを例にリモートアクセス技術と、使用されている暗号化技術について説明できる。
15週 前期期末試験 前期期末試験
16週 試験答案返却・解答解説 間違った問題の正答を求めることができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。3前12
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。3前12
専門的能力分野別の専門工学情報系分野情報通信ネットワークプロトコルの概念を説明できる。2前1,後1,後2
プロトコルの階層化の概念や利点を説明できる。3前2,前3,前4,前6,後1,後2
ローカルエリアネットワークの概念を説明できる。3前3,前4
インターネットの概念を説明できる。2前1,前2,前5
TCP/IPの4階層について、各層の役割を説明でき、各層に関係する具体的かつ標準的な規約や技術を説明できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,後1,後2
ネットワークを構成するコンポーネントの基本的な設定内容について説明できる。3前12
無線通信の仕組みと規格について説明できる。4前3,前14
有線通信の仕組みと規格について説明できる。3前3
SSH等のリモートアクセスの接続形態と仕組みについて説明できる。4前7,前14
基本的なルーティング技術について説明できる。3前9,前10,前11
その他の学習内容コンピュータウィルスやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。3前13,後10,後11,後12,後13,後14
コンピュータを扱っている際に遭遇しうる脅威に対する対策例について説明できる。3前13,後10,後11,後12,後13,後14
基本的な暗号化技術について説明できる。3前14
基本的なアクセス制御技術について説明できる。3前14
マルウェアやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。3前13

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000