微分積分Ⅱ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 微分積分Ⅱ
科目番号 0073 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 生産システム工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 「新微分積分I」「新微分積分II」「新線形代数」高遠節夫ほか著(大日本図書)/「新微分積分I問題集」「新微分積分II問題集」「新線形代数問題集」高遠節夫ほか著(大日本図書)
担当教員 山本 けい子,北見 健,下郡 啓夫,新田 一夫

到達目標

1.分法の公式および置換積分や部分積分などの基本的な方法が適用でき、関連する問題が解ける
2.基本的な2変数関数の偏導関数を求めることができ、関連する問題が解ける
3.重積分の基本的な計算や積分順序の変更などの方法が適用でき、関連する問題が解ける

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1積分法の公式や置換積分、部分積分などの代表的な方法を用い、関連する問題が解ける積分法の基本的な方法を用い、関連する基本的な問題が解ける積分法の基本的な方法を用いた典型的な問題が解けない
評価項目2基本的な2変数関数の偏導関数を求めることができ、それを用いた関連する問題が解ける基本的な2変数関数の偏導関数を求めることができ、それを用いた基本的な問題が解ける基本的な2変数関数の偏導関数を用いた典型的な問題が解けない
評価項目3重積分の基本的な計算や積分順序の変更などの方法を用い、関連する問題が解ける重積分の基本的な計算や方法を用い、関連する基本的な問題が解ける重積分の基本的な計算や方法を用いた典型的な問題が解けない

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
理工学系の基礎となる科目で、積分法、2変数関数の微分(偏微分)および重積分を学ぶ。また、線形代数IIで学ぶ行列を引き継いで1次変換についてもここで学ぶ。これらについての基本的な性質と計算を学び、関連する基本的な問題を解けることを到達レベルとする。
授業の進め方・方法:
「微分積分II」で扱う内容は、これから学んでいく応用数学や専門科目などに直接的に使われる分野であり、学習内容をしっかりと身につけることが望まれる。そのために、授業の予習・復習を継続しながら、問題集などを活用して自発的に問題演習に取り組むこと。また、1,2年次に学んだ数学の内容が基礎となるので、確実な理解のために必要に応じて1,2年次の内容も復習すること。
継続的な学習の確認として小テストとレポート課題(宿題)を実施する。
注意点:
学習内容についてわからないことがあれば、教員室を積極的に訪問して質問すること。原則的には授業担当の教員が対応するが、都合が合わなければ授業担当にこだわらずにどの教員に当たってもかまわない。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
不定積分
・不定積分(原始関数)の定義、用語、記号を理解する
・xのα乗の不定積分を求められる
・関数の定数倍、和、差の不定積分の公式を適用できる
2週 定積分の定義
・定積分の定義、用語、記号を理解する
・区分求積法および微分積分法の基本定理を理解する
3週 定積分の計算
・不定積分が容易に求められる場合に定積分の計算ができる
4週 不定積分 ・基本的な不定積分の公式を用いて、不定積分を求められる
5週 置換積分法 ・t=g(x)とおく置換積分法を用い、不定積分を求められる
・g’(x)/g(x)の不定積分を求められる
・置換積分を用い、定積分を求められる
6週 部分積分法
・部分積分法を用い、不定積分を求められる
・部分積分法を用い、定積分を求められる
7週 置換積分法・部分積分法の応用 ・x=g(t)のように、式中にあからさまでない置換による置換積分法によって、定積分や不定積分が求められる
・部分積分を繰り返し用いる積分計算によって、不定積分や定積分を求められる
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 答案返却、定期試験問題解説
いろいろな関数の不定積分
・間違った問題の正答を理解する
・除法や部分分数分解を用いて分数関数の不定積分を求められる
・三角関数、指数関数の不定積分を求められる
・2倍角の公式や積を和に直す公式を用いて三角関数の不定積分を求められる
10週 いろいろな不定積分
・無理関数の不定積分について代表的な公式を用いて不定積分を求められる
11週 面積と定積分 ・定積分と図形の面積との関係を理解する
・曲線と直線で囲まれた図形や、2曲線で囲まれた面積を求められる
・いろいろな図形の面積を求められる
12週 曲線の長さ
体積
媒介変数表示された図形の面積
・代表的な曲線の長さを定積分によって求められる
・定積分と体積の関係を理解する
・基本的な立体の体積を求められる
・回転体の体積を求められる
・媒介変数表示された図形の面積を求められる
13週 極座標表示 ・極座標を理解し、直交座標と相互に変換できる
・極座標表示の関数について、簡単な曲線が描ける
・極座標で表された図形の面積を求められる
14週
広義積分
変化率と積分
・広義積分の定義を理解し、基本的な広義積分を求められる
・簡単な微分方程式の初期値問題を積分によって解ける
15週 前期期末試験
16週 試験答案返却・解答解説 ・間違った問題の正答を求めることができる
後期
3rdQ
1週 線型変換の定義
線形変換の性質
・線形変換の定義、用語、記号を理解する
・相似変換などの基本的な線形変換を理解する
・線形変換による点の像を求められる
2週 線形変換の線形性
線形変換による直線の像
・線形変換を特徴付ける線形性を理解する
・線形変換による直線の像を求められる
3週 合成変換と逆変換
回転を表す線形変換
・合成変換、逆変換を表す行列を求められる
・合成変換、逆変換による点の像などを求められる
・回転を表す線形変換の行列を求められる
・回転表す線形変換による点の像などを求められる
4週 関数の近似式
数列の極限
・関数の1次近似式、2次近似式を求められる
・数列の極限についての用語や記号を理解する
・基本的な数列について極限を求められる
5週 数列の極限
級数
・等比数列の収束条件を理解し、極限を求められる
・無限級数についての用語や記号を理解する
6週 級数 ・等比級数の収束条件を理解し、和を求められる
・べき級数についての用語や収束条件を理解する
7週 マクローリン展開とテイラー展開
オイラーの公式
・基本的な関数のマクローリン展開ができる
・簡単な関数のテイラー展開ができる
・オイラーの公式を用いて複素数の計算ができる
8週 後期中間試験
4thQ
9週 答案返却、定期試験問題解説
2変数関数とそのグラフ
・間違った問題の正答を求めることができる
・2変数関数の定義、用語を理解し、また、そのグラフが空間内の曲面になることを理解する
10週 偏導関数
合成関数の偏導関数
・偏導関数を求められる
・2変数関数の合成関数の微分法を用い、導関数や偏導関数を求められる
11週 偏導関数
2変数関数の極値問題
・高階(主に2階)偏導関数を求められる
・2変数関数の極大、極小を調べられる
12週 2重積分の定義と累次積分 ・2重積分の定義を理解し、矩形領域上の2重積分を累次積分によって計算できる
13週 2重積分の計算と体積 ・一般の領域上の2重積分を累次積分によって計算できる
・積分順序を変更して2重積分を求められる
・立体の体積を2重積分を用いて求められる
14週 2重積分の極座標変換 ・2重積分の極座標変換による計算ができる
15週 学年末試験
16週 試験答案返却・解答解説 ・間違った問題の正答を求めることができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3後4
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3後5,後6
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3後1,後2
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3後3
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3後3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3前1
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3前5,前6,前7
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3前11
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3前10
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3前10
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3前13
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3前11
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3後9
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3後11
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3後10
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3後11
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3後12
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3後14
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3後13
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。3
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。3
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。3

評価割合

定期試験小テストレポート合計
総合評価割合801010100
基礎的能力801010100
専門的能力0000
分野横断的能力0000