生産システム創造実験Ⅰ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 生産システム創造実験Ⅰ
科目番号 0085 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産システム工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材 プリントなど講義資料を配付する.
担当教員 浜 克己,鈴木 学,森田 孝,佐藤 恵一,藤原 亮

到達目標

1. 基本的な機構の構造と機能,トランジスタ等の電子回路によるアクチュエータの制御法,各種センサの原理と利用法,及びPICによる入出力制御法などのメカトロニクス技術の基礎を習得する.
2. 設定された課題を解決するロボットの製作演習により,開発プロセスを理解し,チームによる共同開発に必要なスキル(議論,目標設定,計画,役割分担,製作,成果のまとめ、発表)を習得する.
3. チームで課題解決に取り組むことで、協調性,責任感,リーダー役割を理解する.
4. 安全性とコストに配慮した機器開発を行うための基礎的能力を習得する.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各種機構の構造と機能,DCモータの構造と特性及び制御回路の設計,PICによる制御法を理解し,新たなシステムの開発に適用できる.リンク及びカムによる機構を製作し構造と機能を説明できる.また,トランジスタによるDCモータの制御回路を製作し原理を説明できる.さらに,PICの機能と利用法を理解し各種センサ及びアクチュエータの入出力を制御できる.基本的な機構の構造と機能,モータの制御,PICの機能と利用法を理解していない。
評価項目2課題解決に向けたアイデア創造において情報の収集・分析・整理,討論,発表などの汎用的機能を駆使して積極的に取り組むことができる.情報の収集・分析・整理,チーム内の討論,効果的な発表などの汎用的技能を駆使し,課題解決に向け実現可能なアイデアを創造し説明できる.ロボットの開発プロセスおよびチームによる共同開発に必要なスキルを理解していない。
評価項目3責任感を持ちチーム内で協調して課題解決(ロボット製作)に取り組むことができる.責任感を持ちチーム内で協調して課題解決(ロボット製作)に取り組むことができる.共同作業において、自らの役割分担を果たすことができない。
評価項目4安全性とコストに配慮してシステム設計に取り組むことができる.安全性とコストに配慮してシステム設計に取り組むことができる.安全性とコストに対する意識が極めて低い。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
ロボットなど自動機械システムの開発に必要な基礎技術のうち、機構及び機構を構成する機械要素、モータとその制御、各種センサ入力に基づくシステムの制御といったメカトロニクス技術の基礎を体験的に学ぶ.さらに,応用として,機械・電気電子・情報各コースのメンバーで構成するチームで与えられた課題を解決するロボットの製作演習に取り組み、開発プロセスを理解するとともに,課題解決能力を高める.
授業の進め方・方法:
・機械,電気電子,情報各コースの学生でチームを編成し演習に取り組む.責任感と協調性を持って取り組むこと.
・第2週~7週では3つの班に分かれ,班ごとに基礎演習①~③に取り組む(ローテーションする).
・第8週~15週では課題を解決するためのロボット製作を行う.チーム内の役割分担を意識し主体的に取り組むこと.
・授業中の服装は,安全確保のため,常に学科で定めた作業服を着用すること.
・以下の項目により評価する.
1) 基礎演習①~③のレポート(30%)
2) 成果作品(30%)
3) 成果発表(10%)
4) ポートフォリオ(討論資料,アイデア図,議事録,企画書,週報,報告書など)(30%)
・レポート提出遅れは減点する.また,レポート未提出がある場合,学年成績を60点未満の不合格とする.
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
(4h)
・授業計画,達成目標,評価方法,他の教科との関連及び取り組み姿勢を理解できる.
・ポートフォリオについて理解し作成できる.
2週 基礎演習①機構と機械要素-1
(4h,コア)
・リンク及びカムによる揺動機構と往復直進機構など基本的な機構の構造と運動を理解し説明でき,レゴを用いて各機構を再現できる.
3週 基礎演習①機構と機械要素-2
(4h,コア)
・ベアリングなどの機械要素の構造,機能,使用方法を理解し説明でき,それらを用いて基本的な機構を製作できる.
4週 基礎演習②モータの制御-1
(4h,コア)
・各種アクチュエータの構造,機能,特長を理解し説明できる.特に,DCモータの特性(電流,回転数とトルクの関係)を測定し,結果に基づいて性能を説明できる.
5週 基礎演習②モータの制御-2
(4h,コア)
・トランジスタ回路のスイッチング動作を応用してDCモータのON/OFFを制御することができる.また,PWM方式による回転数制御の原理を理解し説明できる.
6週 基礎演習③PIC制御-1
(4h,コア)
・PICの基本的な機能とC言語によるプログラミングを含む使用方法を理解し説明でき,スイッチ入力によるLED点滅制御に適用できる.
7週 基礎演習③PIC制御-2
(4h,コア)
・センサ及びスイッチからの入力と,DCモータ及びLEDへの出力からなる仮想システムを試作し,PICを用いて制御することができる.
8週 応用演習ガイダンス
(4h,コア)
・提示された課題を理解し,情報の収集・分析・整理及びブレーンストーミング手法によるグループディスカッションにより,アイデアを創出し,目標設定を行い,企画書としてまとめることができる.
4thQ
9週 応用演習(ロボット製作演習)
(20h,コア)
・チームメンバーと協力し議論と試行錯誤を行い,計画の遂行に努力できる.
・進捗状況を的確に把握し,目標実現に向けた計画の適切な修正ができる.
・プレゼンテーションに必要な資料を作成できる.
・実験成果を報告書にまとめることができる.
10週 応用演習(ロボット製作演習)
(20h,コア)
・企画書に基づき,提示された課題を解決するロボットを製作できる.
・チームメンバーと協力し議論と試行錯誤を行い,計画の遂行に努力できる.
・進捗状況を的確に把握し,目標実現に向けた計画の適切な修正ができる.
・プレゼンテーションに必要な資料を作成できる.
・実験成果を報告書にまとめることができる.
11週 応用演習(ロボット製作演習)
(20h,コア)
・企画書に基づき,提示された課題を解決するロボットを製作できる.
・チームメンバーと協力し議論と試行錯誤を行い,計画の遂行に努力できる.
・進捗状況を的確に把握し,目標実現に向けた計画の適切な修正ができる.
・プレゼンテーションに必要な資料を作成できる.
・実験成果を報告書にまとめることができる.
12週 応用演習(ロボット製作演習)
(20h,コア)
・企画書に基づき,提示された課題を解決するロボットを製作できる.
・チームメンバーと協力し議論と試行錯誤を行い,計画の遂行に努力できる.
・進捗状況を的確に把握し,目標実現に向けた計画の適切な修正ができる.
・プレゼンテーションに必要な資料を作成できる.
・実験成果を報告書にまとめることができる.
13週 応用演習(ロボット製作演習)
(20h,コア)
・企画書に基づき,提示された課題を解決するロボットを製作できる.
・チームメンバーと協力し議論と試行錯誤を行い,計画の遂行に努力できる.
・進捗状況を的確に把握し,目標実現に向けた計画の適切な修正ができる.
・プレゼンテーションに必要な資料を作成できる.
・実験成果を報告書にまとめることができる.
14週 成果発表会-1
(4h,コア)
・演習の成果を他者にわかりやすく説明でき,討論することができる.
15週 成果発表会-2及び授業のまとめ
(4h,コア)
・優秀チームによる全体発表の聴講,討論を通して,改善点や新たな課題を発見し,解決策を考察できる.
・授業の総括を通して他教科との関連を認識できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3後1,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3後1,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学要求仕様に従って、標準的なプログラマブルデバイスやマイコンを用いたシステムを構成することができる。3後6,後7
その他の学習内容トランジスタなど、ディジタルシステムで利用される半導体素子の基本的な特徴について説明できる。4後6,後7
分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。4後5
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。4後1,後4
ディジタルICの使用方法を習得する。4後5,後6,後7
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者の意見を聞き合意形成することができる。3後6,後7,後8
合意形成のために会話を成立させることができる。3後2,後6,後7,後8
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3後6,後7,後8
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3後6,後7,後8
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3後6,後7,後8
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3後6,後7,後8
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3後6,後7,後8
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3後6,後7,後8
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3後6,後7,後8
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3後6,後7,後8
複数の情報を整理・構造化できる。3後6,後7,後8
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3後6,後7,後8
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3後6,後7,後8
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3後6,後7,後8
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3後6,後7,後8
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3後6,後7,後8
事実をもとに論理や考察を展開できる。3後6,後7,後8
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3後6,後7,後8
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3後6,後7,後8
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3後6,後7,後8
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3後6,後7,後8
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3後6,後7,後8
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3後6,後7,後8
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3後6,後7,後8
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3後6,後7,後8
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート・成果作品合計
総合評価割合010003060100
基礎的能力0000000
専門的能力010003060100
分野横断的能力0000000