到達目標
1. ベクトルや関数のノルムについて,その定義や意味について説明し,定義に基づいた計算ができる.
2. 信号のフーリエ級数・フーリエ変換を定義に基づいて求めることができ,数式の意味を説明できる.
3. 連続時間上で定義される信号処理法を,離散時間データに置き換える方法を説明でき,かつ実際に応用することができる.
4.ベクトルや関数の相関について,相関係数や相関関数の導出について説明でき,具体的な計算ができる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | ベクトルや関数のノルムについて,その定義や意味について説明し,定義に基づいた計算ができる. | ベクトルや関数のノルムについて,その定義に基づいた計算ができる.
| ベクトルや関数のノルムについて,その定義に基づいた計算ができない. |
評価項目2 | 信号のフーリエ級数・フーリエ変換を定義に基づいて求めることができ,数式の意味を説明できる. | 信号のフーリエ級数・フーリエ変換を求めることができる. | 信号のフーリエ級数・フーリエ変換を求めることができない. |
評価項目3 | 連続時間上で定義される信号処理法を,離散時間データに置き換える方法を説明でき,かつ実際に応用することができる. | 連続時間上で定義される信号処理法を,離散時間データに置き換えた処理ができる | 連続時間上で定義される信号処理法を,離散時間データに置き換えた処理ができない |
評価項目4 | ベクトルや関数の相関について,相関係数や相関関数の導出について説明でき,具体的な計算ができる. | ベクトルや関数の相関について式を使って計算ができる | ベクトルや関数の相関について式を使って計算ができない |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
・この科目では,
①信号を周波数という領域で表すための数学的な手法,
②信号の時間変化の特徴量を抽出する方法,
③二つの信号の類似性の評価方法
等について学ぶ.そのため,ベクトルや積分という数学的な概念が重要となる.
・時間で変化する物理量(音,振動,温度,光,電圧,電流など)は全て信号とみなすことできる.
・取り扱う概念は,エレクトロクスからエネルギー分野に共通するものとなる.
・はじめに,信号(時間の関数)をベクトルに置き換え,直交ベクトル空間における任意ベクトルの表現方法を発展させ,関数空間における信号の特徴量抽出の方法を学ぶ
・この科目で取り扱う内容は,回路設計,画像システム,デジタルシステム,制御システム,計測システム等において有益である.
授業の進め方・方法:
・授業では,信号処理に必要な数学的手続きの説明を行い,受講者には,章末問題の自学や課題の提出を求める
・授業に必要な図表については,教科書記載のものを原則的に用いる(スライドを黒板に映す)
・課題の提出を求める(基礎学力の向上・定着を目的としている)ことがある
・補足的な説明には動画を使って自学を支援する予定
注意点:
以下の数学の単元の基礎学力は必須である.数学の学力に不安のある人は,数学の教科書の基礎練習問題が理解できるレベルにあることを事前に確認すること.
・ベクトル(内積,絶対値)
・三角関数
・微分(合成関数の微分を含む)・積分(置換積分・部分積分)
・複素数(絶対値・偏角,複素共役)
本科目は学修単位(2単位)の授業であるため、履修時間は授業時間30時間と授業時間以外の学修(予習・復習、課題・テスト等のための学修)を併せて90時間である。
自学自習の成果は 自学自習の成果は課題及び定期試験によって評価する。
教育到達目標評価:定期試験80%(B),課題20%(B)
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス(0.5h) 1.信号処理の概念 ◇信号の種類と特徴 |
・授業計画および学習の留意点を知る。
・信号の概念・その特徴について説明できる ・AD変換と二値化,および画像データ(ピクセル(画素)・諧調)について説明できる ・信号のサンプリングと量子化について説明できる
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2週 |
2. 信号処理の例 ◇移動平均 ◇雑音の圧縮 ◇信号のベクトル表現 |
・波形の平滑化,移動平均について説明できる ・雑音の圧縮について説明できる
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3週 |
3. 信号のベクトル表現とノルム ◇相関係数 ◇正規直交基 ◇ノルム |
・信号のベクトル表現について説明できる ・ベクトルの直交について説明できる ・ベクトルの相関について説明できる ・多次元ベクトル空間と関数空間について説明できる
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4週 |
◇信号とベクトルの類似性 |
・関数空間における内積,関数の直交について説明できる ・正規直交ベクトル,正規直交関数について説明できる
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5週 |
4. 相関関数 ◇関数の類似性 ◇相互相関関数 |
・ベクトルや関数の相関をノルムを使って表現できる
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6週 |
◇自己相関関数 |
・自己相関関数の性質・特徴について説明できる ・離散化されたデータの自己相関関数が求める方法を説明できる ・直交関数の正規化について説明できる
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7週 |
5. フーリエ級数展開 ◇フーリエ級数の例 ◇ |
・フーリエ級数展開に,奇関数と偶関数の性質を利用できる
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8週 |
中間試験 |
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4thQ |
9週 |
◇三角フーリエ級数 |
・任意の周期をもつ信号のフーリエ級数展開を求める方法を説明できる
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10週 |
◇複素フーリエ級数 |
・直交複素関数集合を使ったフーリエ級数について説明できる ・パーシバルの定理について説明できる
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11週 |
◇複素フーリエ級数の例 |
・ゲート関数(パルス列)の複素フーリエ級数が求められる.
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12週 |
フーリエ変換 ◇フーリエ変換対 |
・複素フーリエ級数の極限操作からフーリエ変換が求められる ・フーリエ変換対について説明できる ・対称性,直線性,縮尺性,周波数軸移動性
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13週 |
◇フーリエ変換の例 |
・インパルス関数について説明できる ・様々な信号のフーリエ変換を計算できる
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14週 |
◇フーリエ変換の性質 |
・フーリエ変換の性質(線形性,時間軸移動性など),微分・積分したものの同変換 ,あるいはパーシバルの定理について説明できる
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15週 |
◇DFTとFFT |
・離散フーリエ変換と高速フーリエ変換について説明できる
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16週 |
試験答案返却・解答解説 |
・間違った問題の正答を求めることができる
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 80 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |