信号処理基礎

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 信号処理基礎
科目番号 0132 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 信号処理入門(佐藤幸男 著) オーム社
担当教員 高田 明雄

到達目標

1. ベクトルや関数のノルムについて,その定義や意味について説明し,定義に基づいた計算ができる.
2. 信号のフーリエ級数・フーリエ変換を定義に基づいて求めることができ,数式の意味を説明できる.
3. 連続時間上で定義される信号処理法を,離散時間データに置き換える方法を説明でき,かつ実際に応用することができる.
4.ベクトルや関数の相関について,相関係数や相関関数の導出について説明でき,具体的な計算ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ベクトルや関数のノルムについて,その定義や意味について説明し,定義に基づいた計算ができる.ベクトルや関数のノルムについて,その定義に基づいた計算ができる. ベクトルや関数のノルムについて,その定義に基づいた計算ができない.
評価項目2信号のフーリエ級数・フーリエ変換を定義に基づいて求めることができ,数式の意味を説明できる.信号のフーリエ級数・フーリエ変換を求めることができる.信号のフーリエ級数・フーリエ変換を求めることができない.
評価項目3連続時間上で定義される信号処理法を,離散時間データに置き換える方法を説明でき,かつ実際に応用することができる.連続時間上で定義される信号処理法を,離散時間データに置き換えた処理ができる連続時間上で定義される信号処理法を,離散時間データに置き換えた処理ができない
評価項目4ベクトルや関数の相関について,相関係数や相関関数の導出について説明でき,具体的な計算ができる.ベクトルや関数の相関について式を使って計算ができるベクトルや関数の相関について式を使って計算ができない

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
時間で変化する物理量(音,振動,温度,光,電圧,電流など)は全て信号とみなすことできる.本科目で取り扱う概念は,エレクトロクスからエネルギー分野に共通するものとなる.
この科目では,
 ①信号を周波数という領域で表すための数学的な手法,
 ②信号の時間変化の特徴量を抽出する方法,
 ③二つの信号の類似性の評価方法
等について学ぶ.そのため,ベクトルや積分という数学的な概念が重要となる.
・この科目で取り扱う内容は,回路設計,画像システム,デジタルシステム,制御システム,計測システム等において有益である.
授業の進め方・方法:
板書(電子ホワイトボード)やスライドを併用して授業を進める.
・補足的な説明にはオンデマンドで動画視聴による学を支援する
注意点:
勉強のポイント
・教科書の青塗りの部分が特に重要である
・教科書の章末のまとめや問題を積極的に自学で行うことを勧める
・課題の提出を求める(基礎学力の向上・定着を目的としている)ことがある

以下の数学の単元の基礎学力は必須である.数学の学力に不安のある人は,数学の教科書の基礎練習問題が理解できるレベルにあることを事前に確認すること.
・ベクトル(内積,絶対値)の基礎
・三角関数
・微分(合成関数の微分を含む)・積分(置換積分・部分積分)
・複素数(絶対値・偏角,複素共役)

本科目は学修単位(2単位)の授業であるため、履修時間は授業時間30時間と授業時間以外の学修(予習・復習、課題・テスト等のための学修)を併せて90時間である。
自学自習の成果は 自学自習の成果は課題及び定期試験によって評価する。

教育到達目標評価:定期試験80%(B),課題20%(B)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス(0.5h)
1.信号処理の概念
◇信号の種類と特徴
・授業計画および学習の留意点を知る。

・信号の概念・その特徴について説明できる
・AD変換と二値化,および画像データ(ピクセル(画素)・諧調)について説明できる
・信号のサンプリングと量子化について説明できる
2週 2. 信号処理の例
◇移動平均
◇雑音の圧縮
◇信号のベクトル表現
・波形の平滑化,移動平均について説明できる
・雑音の圧縮について説明できる
3週 3. 信号のベクトル表現とノルム
◇相関係数
◇正規直交基
◇ノルム
・信号のベクトル表現について説明できる
・ベクトルの直交について説明できる
・ベクトルの相関について説明できる
・多次元ベクトル空間と関数空間について説明できる
4週 ◇信号とベクトルの類似性 ・関数空間における内積,関数の直交について説明できる
・正規直交ベクトル,正規直交関数について説明できる
5週 4. 相関関数
◇関数の類似性
◇相互相関関数
・ベクトルや関数の相関をノルムを使って表現できる
6週 ◇自己相関関数 ・自己相関関数の性質・特徴について説明できる
・離散化されたデータの自己相関関数が求める方法を説明できる
・直交関数の正規化について説明できる
7週 5. フーリエ級数展開
◇フーリエ級数の例

・フーリエ級数展開に,奇関数と偶関数の性質を利用できる
8週 中間試験
4thQ
9週 ◇三角フーリエ級数 ・任意の周期をもつ信号のフーリエ級数展開を求める方法を説明できる
10週 ◇複素フーリエ級数 ・直交複素関数集合を使ったフーリエ級数について説明できる
・パーシバルの定理について説明できる
11週 ◇複素フーリエ級数の例 ・ゲート関数(パルス列)の複素フーリエ級数が求められる.
12週 フーリエ変換
◇フーリエ変換対
・複素フーリエ級数の極限操作からフーリエ変換が求められる
・フーリエ変換対について説明できる
・対称性,直線性,縮尺性,周波数軸移動性
13週 ◇フーリエ変換の例 ・インパルス関数について説明できる
・様々な信号のフーリエ変換を計算できる
14週 ◇フーリエ変換の性質 ・フーリエ変換の性質(線形性,時間軸移動性など),微分・積分したものの同変換
,あるいはパーシバルの定理について説明できる
15週 ◇DFTとFFT ・離散フーリエ変換と高速フーリエ変換について説明できる
16週 試験答案返却・解答解説 ・間違った問題の正答を求めることができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000