電気回路Ⅳ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 電気回路Ⅳ
科目番号 0137 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産システム工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 山口静夫著「電気回路応用入門」(コロナ社)/ Joseph A. Edminister著, 村崎 憲雄 翻訳 「電気回路 (マグロウヒル大学演習) 」 (オーム社)、Allan R. Hambley著、ELECTRICAL ENGINEERING Principle and Applications 2nd ed. (PRENTICE HALL)
担当教員 高田 明雄

到達目標

1.RLC回路の過渡現象を説明できる。
2.回路の各種応答について説明できる。
3.回路の周波数伝達特性を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1RLC回路の振る舞いを微分方程式で表し、その一般解を導き図示することによって過渡現象を説明できる。RLC回路の過渡現象を微分方程式の解およびそのプロットに基づいて説明できる。RLC回路の過渡現象を微分方程式の解およびそのプロットに基づいて説明できない。
評価項目2回路の入力と応答(出力)の一般形について説明でき、各種応答を式の解法に基づいて説明できる。回路の入力が与えられた場合の応答(出力)を求めることができる。回路の各種応答について説明できない。
評価項目3回路の周波数伝達特性を式の導出に基づいて説明できる。回路の周波数伝達特性を説明できる。回路の周波数伝達特性を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE学習・教育到達目標 (B-3) 説明 閉じる
函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
RLC受動素子に電圧や電流が急激に加えられる、あるいは逆に、電流や電圧が取り除かれるような場合、その瞬間から回路は別の状態に移るまでの間、定常状態とは異なった振る舞いをする。この現象は微分方程式を解くことによって理論的に解析することができる。この授業の前半では、電磁気学や電気回路の法則に基づいて電流や電圧のふるまいを微分方程式で表現し、その式を解くことによって過渡現象を説明できるようになることを学び、後半では回路解析の出発点ともいえる四端子網を定義し、その入力と出力(応答)の関係に着目して、回路の周波数応答について学ぶ。特に、回路の特性を決める周波数伝達関数を導出し、そのプロットを通して回路応答に関する重要な基礎知識を身に付ける。
授業の進め方・方法:
前半は微分方程式の解法が主になる。そのため、微積分、ラプラス変換やインパルス(δ関数)に関する基礎知識が必要となる。インパルス関数の定義および性質について事前に調べておく必要がある。

後半は複素数の取扱い、すなわち、複素数の絶対値や偏角を求められることが重要となる。すなわち、複素数を複素平面上にプロットできる必要がある。

【関連する科目】電気回路、計測工学、信号処理、制御工学、電子回路
注意点:
微分方程式を解いて求めた解を作図(プロット)できるように心がける。特に、時定数をプロット上で明示できることが大切である。
JABEE教育到達目標評価 定期試験100%(B-3)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
過渡現象論
◇過渡現象の解析法
◇RC回路の過渡現象(直流電源)
・授業の内容、評価法を知る

・過渡現象の解析方法を説明できる
・RC回路における電流、電圧の過渡的変化を表す式の導出ができ、結果をプロットできる
2週 過渡現象論
◇過渡現象の解析法
◇RC回路の過渡現象(直流電源)
・過渡現象の解析方法を説明できる
・RC回路における電流、電圧の過渡的変化を表す式の導出ができ、結果をプロットできる
3週 過渡現象論
◇過渡現象の解析法
◇RC回路の過渡現象(直流電源)
・過渡現象の解析方法を説明できる
・RC回路における電流、電圧の過渡的変化を表す式の導出ができ、結果をプロットできる
4週 ◇RLC回路の過渡現象(直流電源) ・RLC回路における電流、電圧の過渡的変化を表す式の導出ができ、結果をプロットできる
・パラメータによる過渡現象の特徴を説明できる
5週 ◇RLC回路の過渡現象(直流電源) ・RLC回路における電流、電圧の過渡的変化を表す式の導出ができ、結果をプロットできる
・パラメータによる過渡現象の特徴を説明できる
6週 ◇RL回路の過渡現象(正弦波交流電源) ・正弦波交流電源を含むRL回路における電流、電圧の過渡的変化を導ける
7週 ◇RL回路の過渡現象(正弦波交流電源) ・正弦波交流電源を含むRL回路における電流、電圧の過渡的変化を導ける
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 試験答案返却・解答解説
◇RL回路の過渡現象(続き)
・誤解答部分や未解答部分の正当な解法を確認できる
・正弦波交流電源を含むRL回路における電流、電圧の過渡的変化を導ける
10週 ◇RL回路の過渡現象(続き) ・正弦波交流電源を含むRL回路における電流、電圧の過渡的変化を導ける
11週 ◇RLC直列回路における初期値の決め方 ・適切な初期値を与え過渡現象を解析することができる
12週 ◇RLC直列回路における初期値の決め方 ・適切な初期値を与え過渡現象を解析することができる
13週 ◇ラプラス変換を使った過渡現象の計算 ラプラス変換を使って、回路の過渡現象を求めることができる。
14週 ◇ラプラス変換を使った過渡現象の計算 ラプラス変換を使って、回路の過渡現象を求めることができる。
15週 前期期末試験
16週 試験答案返却・解答解説 ・誤解答部分や未解答部分の正当な解法を確認できる
後期
3rdQ
1週 回路網の基礎
◇回路網の入力と応答(出力)
◇二端子網と四端子網
・線形システム

・回路網の入力と応答について説明できる
・回路網の基本構造および線形システムについて説明することができる
2週 回路網の基礎
◇回路網の入力と応答(出力)
◇二端子網と四端子網
・線形システム

・回路網の入力と応答について説明できる
・回路網の基本構造および線形システムについて説明することができる
3週 ◇回路の応答、周波数特性、伝達関数
・単位ステップ応答
・インパルス応答

・単位ステップ応答、インパルス応答について説明できる
・ラプラス変換を使った伝達関数表記
・ラプラス変換とフーリエ変換
4週 ◇回路の応答、周波数特性、伝達関数
・単位ステップ応答
・インパルス応答

・単位ステップ応答、インパルス応答について説明できる
・ラプラス変換を使った伝達関数表記
・ラプラス変換とフーリエ変換
5週 ◇回路の応答、周波数特性、伝達関数
・単位ステップ応答
・インパルス応答

・単位ステップ応答、インパルス応答について説明できる
・ラプラス変換を使った伝達関数表記
・ラプラス変換とフーリエ変換
6週 周波数伝達関数
・周波数伝達関数の意味
・伝達関数の極と零点

・イミッタンス関数の特性およびシステムの安定性について説明できる
7週 周波数伝達関数
・周波数伝達関数の意味
・伝達関数の極と零点

・イミッタンス関数の特性およびシステムの安定性について説明できる
8週 後期中間試験
4thQ
9週 試験答案返却・解答解説
◇低域通過フィルタ
・伝達関数
・誤解答部分や未解答部分の正当な解法を確認できる

・1次低域通過フィルタの伝達関数や電流および電圧の周波数依存を説明できる
10週 ◇低域通過フィルタ
・伝達関数


・フィルタのカスケード接続


・ボード線図
・1次低域通過フィルタの伝達関数や電流および電圧の周波数依存を説明できる

・フィルタをカスケード接続した場合の伝達関数を導くことができる

・伝達関数からボードプロットおよび位相プロットを描くことができる
11週 ◇低域通過フィルタ
・伝達関数


・フィルタのカスケード接続


・ボード線図
・1次低域通過フィルタの伝達関数や電流および電圧の周波数依存を説明できる

・フィルタをカスケード接続した場合の伝達関数を導くことができる

・伝達関数からボードプロットおよび位相プロットを描くことができる
12週 ◇低域通過フィルタ
・伝達関数


・フィルタのカスケード接続


・ボード線図
・1次低域通過フィルタの伝達関数や電流および電圧の周波数依存を説明できる

・フィルタをカスケード接続した場合の伝達関数を導くことができる

・伝達関数からボードプロットおよび位相プロットを描くことができる
13週 ◇高域通過フィルタ
・伝達関数およびボード線図
・1次高域通過フィルタの伝達関数や電流および電圧の周波数依存を説明できる
・高域通過フィルタの伝達関数およびボード線図について説明することができる
14週 ◇高域通過フィルタ
・伝達関数およびボード線図
・1次高域通過フィルタの伝達関数や電流および電圧の周波数依存を説明できる
・高域通過フィルタの伝達関数およびボード線図について説明することができる
15週 学年末試験
16週 試験答案返却・解答解説 ・誤解答部分や未解答部分の正当な解法を確認できる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4前1,前2,前3
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4前4,前5
制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。3後9,後10,後13
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。3後10,後11,後13
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。3後10,後11,後12,後13,後14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000