信号処理基礎

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 信号処理基礎
科目番号 0162 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 信号処理入門(佐藤幸男 著) オーム社
担当教員 鈴木 学

到達目標

1.時間領域における信号の基本的な処理方法について具体的に説明し,定義に基づいた計算ができる.
2.信号のフーリエ級数・フーリエ変換を定義に基づいて求めることができ,数式の意味を説明できる.
3.周波数領域での信号解析手法について具体的に説明でき,応用的問題を解くことができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1時間領域における信号の基本的な処理方法について具体的に説明し,定義に基づいた計算ができる.時間領域における信号の基本的な処理ができる.時間領域における信号の基本的な処理ができない.
評価項目2信号のフーリエ級数・フーリエ変換を定義に基づいて求めることができ,数式の意味を説明できる.信号のフーリエ級数・フーリエ変換を求めることができる.信号のフーリエ級数・フーリエ変換を求めることができない.
評価項目3周波数領域での信号解析手法について具体的に説明でき,応用的問題を解くことができる.周波数領域での信号解析について基本的問題を解くことができる.周波数領域での信号解析について基本的問題を解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
時間で変化する物理量(音,振動,温度,光,電圧,電流など)は全て信号とみなすことできる.
対象となるシステムにおいて,これらの信号は,過去・現在の状態から未来を予測するための解析,安定に制御するための制御,あるいはある目的に対して情報を伝達・加工するため等に用いられる.
信号を加工したり,その特徴量をとらえたりするためには,信号を数学的に処理する技術が必要となる.
この授業では,その基礎について学ぶ.
授業の進め方・方法:
授業では,教科書に記述されている内容を中心とした講義を行う.
●信号処理に関する基礎知識,数学的処理の学習
 ・講義を通して信号の処理方法について学ぶ.
 ・演習問題を解いて,その基礎力を向上させる.
●応用力の育成
 ・練習問題を解く
 ・課題を解き,信号を式ならびに数値両面で取り扱うことによって,任意の信号が与えられた場合に必要な基礎的な処理知識について学ぶ.
注意点:
●数学の基礎を確認(復習)する
・三角関数
・微分(合成関数の微分を含む)・積分(置換積分・部分積分)
・級数
・複素数(絶対値・偏角,複素共役)
※特に,微積分,特に三角関数の定積分の力が本科目の成績に大きく影響すると考えられるため,基礎知識が不足していると考えられる場合には,事前に補うことが大切である.

評価:定期試験・中テスト80%,課題20%

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 0.ガイダンス(1h)

1.信号処理の概念(1h)
◇信号の種類と特徴
・授業計画および学習の留意点を知る。

・信号を種類別に分類でき,その特徴について説明できる
2週 2. 時間領域における信号
◇信号のサンプリング
・アナログ信号とデジタル信号について説明できる.
・信号のサンプリングと量子化について説明できる
3週 ◇信号処理の例 ・信号の平滑化について説明できる
4週 ◇信号とベクトルの類似性 ・ベクトルと関数の直交について説明できる
5週 ◇信号の相関 ・信号の相関,相互相関関数,自己相関関数について説明できる
6週 ◇フーリエ級数 ・三角関数を使った信号のフーリエ級数展開ができる
7週 ◇周波数成分とスペクトル ・フーリエ級数展開された信号の線スペクトルを求められる
・スペクトルについて説明できる
8週 中テスト
4thQ
9週 試験答案返却・解答解説(1h)

◇複素フーリエ級数(1h)
試験問題の解説を通じて自分の理解不足を補う

・複素フーリエ級数の極限操作によってフーリエ変換を導くことができる
10週 ◇複素フーリエ級数
・簡単な周期関数の複素フーリエ級数が求められる
11週 ◇フーリエ変換の定義 ・基本的な関数についてフーリエ変換が求められる
12週 ◇フーリエ変換の例・インパルス関数 ・インパルス関数について説明でき,フーリエ変換が求められる
13週 ◇フーリエ変換の性質 ・対称性,直線性,縮尺性,周波数軸移動性
14週 ◇フーリエ変換
◇DFTとFFTの性質
・時間軸移動性・微分・積分
・離散フーリエ変換と高速フーリエ変換について説明できる
15週 期末試験
16週 試験答案返却・解答解説 ・間違った問題の正答を求めることができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000