材料学Ⅰ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 材料学Ⅰ
科目番号 0172 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産システム工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 宮川大海・吉葉正行 共著 「よくわかる材料学」(森北出版)
担当教員 古俣 和直

到達目標

1. 主に炭素鋼の平衡状態図を理解して標準組織について説明ができる.
2. 熱処理の目的およびそれに伴う組織と機械的性質の変化について説明できる.
3. 塑性変形と転位の関係を説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1平衡状態図を理解について,相律と濃度,量比を理解し,その知識を適用できる平衡状態図を理解し,相の濃度と量比を説明できる平衡状態図を読み解くことができない
評価項目2熱処理の方法および機械的性質の変化を理解し,その知識を適用できる熱処理により,機械的性質が変化することを説明できる熱処理の目的を説明することができない
評価項目3転位の移動により塑性変形が起こることを理解し,その知識を適用できる転位について説明することができる転位について理解できない

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
様々な材料の中から,必要な材料を選択することや新しい材料を作り出すことなども,モノつくりにおいては重要な事柄である.数ある材料の中でもっとも身近でかつ工業的に重要な金属材料について,技術者として必要となる基礎的な知識を,理論と実際とにおいて理解し身につける
授業の進め方・方法:
鉄鋼材料の平衡状態図,熱処理を中心に授業を進める. 特に平衡状態図は材料学Ⅱ(5年選択科目)でも重要な内容となるので,この科目でしっかりとその基礎を習得してほしい.
注意点:
本講義では授業中にしっかりと理解できるように進めるため,授業中の居眠り,携帯電話の使用など,授業態度が著しく悪い場合は,2点/回の減点を行うので,十分に注意すること.
学習教育到達目標評価:定期試験80%(B:100%),課題20%(B:100%)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
金属の結晶構造
・学習意義・評価方法について理解する
・金属材料は多結晶体であることを理解する
2週 結晶格子型 ・面心立方格子・体心立方格子の原子充填率を計算できる
3週 結晶格子型 ・面心立方格子・体心立方格子の原子充填率を計算できる
4週 金属の変態 ・変態によって結晶格子型が変化することを理解する
5週 合金の結晶構造 ・相律を理解する
6週 固溶体とその性質 ・置換型固溶体と侵入型固溶体について理解する
7週 二元系合金の平衡状態図
共晶型平衡状態図
・平衡状態における相の存在を相律によって説明できる
・共晶型平衡状態図の見方を理解する
8週 共晶型平衡状態図 ・共晶型平衡状態図の見方を理解する
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 試験返却・解答解説等
金属間化合物が生じる場合の平衡状態図
・試験問題の解説を通じて間違った箇所を理解できる
・析出について理解する
11週 鉄鋼の分類 ・鉄鋼材料を炭素含有量や使用用途で分類できる
12週 Fe―C系合金平衡状態図 ・鉄鋼材料を炭素含有量や使用用途で分類できる
13週 Fe―C系合金平衡状態図 ・Fe―C系合金平衡状態図を読み取ることができる
14週 炭素鋼における変態と組織 ・共析炭素鋼・亜共析炭素鋼・過共析炭素鋼が徐冷した時の相変化と生成される組織を説明できる
15週 炭素鋼における変態と組織
鋼の熱処理(Ⅰ)
・共析炭素鋼・亜共析炭素鋼・過共析炭素鋼が徐冷した時の相変化と生成される組織を説明できる
・鋼は熱処理によって優れた機械的性質を得ることができることを理解する
16週 前期期末試験
後期
3rdQ
1週 試験答案返却・解答解説
鋼の熱処理(Ⅰ)
・間違った問題の正答を求めることができる
・鋼は熱処理によって優れた機械的性質を得ることができることを理解する
2週 鋼の熱処理(Ⅰ) ・鋼は熱処理によって優れた機械的性質を得ることができることを理解する
3週 鋼の熱処理(Ⅰ) ・鋼は熱処理によって優れた機械的性質を得ることができることを理解する
4週 連続冷却変態図 ・共析炭素鋼の連続冷却変態図の見方を学習し、冷却速度の違いにより起こる変態と組織が異なることを説明できる
5週 連続冷却変態図 ・共析炭素鋼の連続冷却変態図の見方を学習し、冷却速度の違いにより起こる変態と組織が異なることを説明できる
6週 鋼の熱処理(Ⅱ) ・鋼を種々の冷却速度で冷却すると、機械的性質・物理的性質などが変化することを説明できる
7週 鋼の熱処理(Ⅱ) ・鋼を種々の冷却速度で冷却すると、機械的性質・物理的性質などが変化することを説明できる
8週 鋼の熱処理(Ⅱ) ・鋼を種々の冷却速度で冷却すると、機械的性質・物理的性質などが変化することを説明できる
4thQ
9週 後期中間試験
10週 試験返却・解答解説等
鋼の熱処理(Ⅲ)
・試験問題の解説を通じて間違った箇所を理解できる
・種々の表面処理と特殊熱処理について、その操作方法と得られる組織・機械的性質・物理的性質を説明できる
11週 鋼の熱処理(Ⅲ) ・種々の表面処理と特殊熱処理について、その操作方法と得られる組織・機械的性質・物理的性質を説明できる
12週 変形と転位 ・塑性変形は金属の結晶の線状の乱れ、すなわち転位の移動によって生じることを説明できる
13週 変形と転位 ・塑性変形は金属の結晶の線状の乱れ、すなわち転位の移動によって生じることを説明できる
14週 変形と転位 ・塑性変形は金属の結晶の線状の乱れ、すなわち転位の移動によって生じることを説明できる
15週 変形と転位 ・塑性変形は金属の結晶の線状の乱れ、すなわち転位の移動によって生じることを説明できる
16週 学年末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野材料機械材料に求められる性質を説明できる。4前1
金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。4前1
金属と合金の結晶構造を説明できる。4前1,前2,前3,前4
金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。4前5,前6
合金の状態図の見方を説明できる。4前7,前9,前10,前11
塑性変形の起り方を説明できる。4後12,後13,後14,後15
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。4後12,後13,後14,後15
炭素鋼の性質を理解し、分類することができる。4前12
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる。4前13,前14
焼きなましの目的と操作を説明できる。4後1,後2,後3,後6,後7,後8,後10,後11
焼きならしの目的と操作を説明できる。4後1,後2,後3,後6,後7,後8,後10,後11
焼入れの目的と操作を説明できる。4後1,後2,後3,後6,後7,後8,後10,後11
焼戻しの目的と操作を説明できる。4後1,後2,後3,後6,後7,後8,後10,後11

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000