熱力学Ⅰ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 熱力学Ⅰ
科目番号 0174 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産システム工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 熱力学 事例でわかる考え方と使い方 金原粲 監修 実教出版
担当教員 剱地 利昭

到達目標

1. 熱力学の第一、第二法則を理解し、研究・課題や実社会に適用して試行錯誤できる.
2. 完全ガスの状態変化について理解し、研究・課題や実社会に適用して試行錯誤できる.
3. 蒸気の状態変化について理解し、研究・課題や実社会に適用して試行錯誤できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1熱力学の第一法則および第二法則を理解し、応用問題を解くことができる.熱力学の第一法則および第二法則を理解し、基本的な問題を解くことができる.熱力学の第一法則および第二法則を使用する計算ができない.
評価項目2完全ガスの状態変化を理解し、応用問題を解くことができる.完全ガスの状態変化を理解し、基本的な問題を解くことができる.完全ガスの状態変化を計算できない.
評価項目3蒸気の状態変化を理解し、応用問題を解くことができる.蒸気の状態変化を理解し、基本的な問題を解くことができる.蒸気の状態変化を計算できない.

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
熱力学は身の回りにある「熱現象」と「物理現象」との関係を体系づけた学問である。力学基礎で学習した熱力学の基礎である「熱力学の第一法則」「理想気体の状態変化」を発展させるとともに、「熱力学の第二法則」「エントロピ」「蒸気の状態変化」を学習する.
授業の進め方・方法:
学習上の助言:
授業はスライドを使用して行う.小テストは、授業時間の後半に行い、主にその日の授業内容を出題する確認テストの形式である.授業中に要点の理解に務めること.スライドは授業終了後公開するので、復習しながらノートを整理すること.
事前に行う準備学習:
数学(指数・対数、積分)、物理(仕事、エネルギ、動力)について理解していること.力学基礎を復習しておくこと.
学習上の留意点:
予習復習を怠らないこと.身の回りにある熱現象に興味を持ってみること.
関連する科目:
力学基礎、熱力学Ⅱ、内燃機関、伝熱工学、熱エネルギー変換工学
注意点:
JABEE教育到達目標評価:定期試験80%(B-1:50%,B-3:50%),小テスト20%(B-1:50%,B-3:50%)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 熱力学とは(0.5h)(コア)
力学基礎の復習
熱力学における諸量と単位(0.5h)(コア)
閉じた系の熱力学の第一法則(0.5h)(コア)
開いた系の熱力学の第一法則(0.5h)(コア)
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について理解している。熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。熱力学の第一法則を説明できる。
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。閉じた系および開いた系が外界にする仕事量をp-V線図で説明できる。
2週 力学基礎の復習
理想気体の状態式と状態量(0.5h)(コア)
準静的変化における状態変化(1.5h)(コア)
理想気体の圧力、体積、温度の関係を状態方程式を用いて説明できる。内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。等圧変化、等容変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。
3週 理想気体の混合(1h)
熱力学の第二法則(1h)(コア)
混合ガスの状態量について計算できる。
熱力学の第二法則を説明できる。
4週 カルノーサイクル(2h)(コア) サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率および冷凍機・ヒートポンプの成績係数を計算できる。 カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。
5週 エントロピ(2h)(コア) エントロピの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピの変化を説明できる。固体、液体および理想気体におけるエントロピの変化量を計算できる。
6週 エクセルギーと自由エネルギー(1h)
蒸気の性質(1h)
熱の有効エネルギーを説明できる。
水の等圧蒸発過程を説明できる。
7週 水蒸気の状態量(1h)
水蒸気の状態量,蒸気表および蒸気線図の使い方(1h)(コア)
飽和蒸気、湿り蒸気、過熱蒸気の状態量を計算できる。
蒸気の状態量を蒸気表および蒸気線図から読み取ることができる。
8週 中間試験
4thQ
9週 中間試験の解答解説(2h) 中間試験の間違えた箇所の正答を理解できる。
正答を他者に説明できる。
10週 水蒸気の状態量,蒸気表および蒸気線図の使い方(2h) 蒸気の状態量を蒸気表および蒸気線図から読み取ることができる。
11週 蒸気原動機の構成と動作原理(2h) 蒸気原動機の仕組みを説明できる。ランキンサイクルの計算ができる。
12週 蒸気原動機の構成と動作原理(2h) 蒸気原動機の仕組みを説明できる。ランキンサイクルの計算ができる。
13週 内燃機関のしくみと計算(2h) 内燃機関のしくみを理解し説明できる。
14週 内燃機関のしくみと計算(2h) オットーサイクル、ディーゼルサイクルの計算ができる。
15週 学年末試験
16週 試験答案返却・解答解説 間違った問題の正答を求めることができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。4後1
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。4後1
熱力学の第一法則を説明できる。4後1
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。4後1
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。4後1
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。4後2
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。4後2
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。4後2
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。4後2
熱力学の第二法則を説明できる。4後3
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。4後4
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。4後4
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。4後5
サイクルをT-s線図で表現できる。4後5,後11

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ小テスト合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000