生産システム創造実験Ⅱ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 生産システム創造実験Ⅱ
科目番号 0179 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産システム工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材
担当教員 近藤 司,川合 政人,山田 一雅,丸山 珠美,倉山 めぐみ,東海林 智也

到達目標

1.チーム内での役割を理解し,他者との技術的コミュニケーションをとりつつ、主専門技術をものづくりに実践できる.
2. 設定された課題を解決するロボットの製作演習により,開発プロセスを理解し,チームによる共同開発に必要なスキル(議論,目標設定,計画,役割分担,製作,成果のまとめ、発表)を習得する.
3. チームで課題解決に取り組むことで、協調性,責任感,リーダー役割を理解する.
4. 安全性とコストを考慮した機器開発を行うための基礎的能力を習得する.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1チームおよび自分の進捗状況を管理して、継続的に作業に取り組める.チーム内での役割を理解し,他者との技術的コミュニケーションをとりつつ、主専門技術をものづくりに実践できる.主専門技術をものづくりに実践できない.
評価項目2課題解決に向けたアイデア創造において情報の収集・分析・整理,討論,発表などの汎用的機能を駆使して積極的に取り組むことができる.情報の収集・分析・整理,チーム内の討論,効果的な発表などの汎用的技能を駆使し,課題解決に向け実現可能なアイデアを創造し説明できる.情報の収集・分析・整理,チーム内の討論,効果的な発表などの汎用的技能を駆使することができない.
評価項目3責任感を持ちチーム内で協調して課題解決(ロボット製作)に取り組むことができる.チーム内で協調して課題解決(ロボット製作)に取り組むことができる.課題解決(ロボット製作)に取り組むことができない.
評価項目4安全性とコストを考慮したシステム設計に取り組むことができる.安全性またはコストに配慮してシステム設計に取り組むことができる.システム設計に取り組むことができない.

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
昨今の製品は機械,電気・電子,情報工学を含む生産システムの技術が結集しており、それらの技術を駆使した「ものづくり」ができる技術者が求められている。本講義では専門分野の異なる学生とチームを組み、自律型ロボット(ライントレースカー)の製作を通じ生産システム技術を活用したものづくりの一連の流れを学ぶ。

※実務との関係
 この科目は空港設備に関する機器設計を担当していた教員が,その経験を活かし,企業におけるグループでの製品開発手法などについてを実習形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
本講義では、各専門において4年前半までに習得した技術を活用した自律ロボットの製作をグループ単位で実施する。(これまでの習得技術に不安のある学生は事前に復習をしっかり行ってから講義に臨むこと。)与えられた課題を解決するためのブレーンストーミングによるアイデアの創出から設計、製作。成果報告といったものづくりの1連の流れを体験することで生産系技術者として必須となる発想力と実践力を養成する。また、3つの系を混合したグループで製作活動を行うことで、グループ内での役割を理解し、他者との技術的コミュニケーション能力を養成する。

評価はレポート40%(企画報告書(A-3:10%,B-3:10%,C-3:10%,F-1:10%,F-2:10%,F-3:10%)、成果報告書(A-3:10%,B-3:10%,C-3:10%,E-2:10%))、製作日誌10%(A-1)、口頭発表30%(企画報告(E-1:50%)、成果報告(E-3:50%))、成果品20% (A-2:50%,B-4:50%)で評価を行う。
注意点:
遅刻や欠席をしても補習を行わない事もあるので、必ず出席すること。また、機械加工は危険と隣り合わせでることを肝に銘じ、緊張感を持ってのぞむこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 学習意義、学習目標、進め方、評価方法を理解する。
テーマ説明、班分けを行う
2週 アイデア創出 グループごとに作品のアイデアをブレーンストーミングにより検討し、ロボット名、概略構想図、動作概要等を含む企画書としてまとめることができる
3週 作品の設計と思考錯誤(1/2) アイデアを実現するための具体的な機構、電気回路、プログラムを提案できる。また、予備実験やメンバーとの意見交換を通じた試行錯誤を経て、提案した機構、電気回路、プログラムを実現可能なものに修正できる。
4週 作品の設計と思考錯誤(2/2) 前回の継続
5週 企画のまとめ 議論の結果を作品の企画書としてまとめ上げることができる.企画報告書作成、PPTファイル作成
6週 企画発表会
7週 作品の製作(1/6) 他のメンバーと協力して作品の製作作業ができる.
8週 作品の製作(2/6) 前回の継続
4thQ
9週 作品の製作(3/6) 前回の継続
10週 作品の製作(4/6) 前回の継続
11週 作品の製作(5/6) 前回の継続
12週 作品の製作(6/6) 成果物作成の最終調整段階
13週 成果のまとめ、および成果物の最終調整、タイム計測 作品の概要と技術的要点などを成果報告書としてまとめ上げることができる.成果報告書、PPTファイル作成.
14週 成果報告会 発表会において、各班の成果を発表できる。
15週 後片付け、清掃。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学要求仕様に従って、標準的なプログラマブルデバイスやマイコンを用いたシステムを構成することができる。4後1
分野別の工学実験・実習能力情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】ソフトウェア生成に利用される標準的なツールや環境を使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。4後1
ソフトウェア開発の現場において標準的とされるツールを使い、生成したロードモジュールの動作を確認できる。4後1
フローチャートなどを用いて、作成するプログラムの設計図を作成することができる。4後6
問題を解決するために、与えられたアルゴリズムを用いてソースプログラムを記述し、得られた実行結果を確認できる。4後13
標準的な開発ツールを用いてプログラミングするための開発環境構築ができる。4後1
要求仕様にあったソフトウェア(アプリケーション)を構築するために必要なツールや開発環境を構築することができる。4後1
要求仕様に従って標準的な手法によりプログラムを設計し、適切な実行結果を得ることができる。4後13
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3後2
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3後2
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3後2
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3後2
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3後2
他者の意見を聞き合意形成することができる。3後2
合意形成のために会話を成立させることができる。3後2
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3後2
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3後2
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3後2
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3後2
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3後2
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3後2
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3後2
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3後2
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3

評価割合

レポート口頭発表成果品製作日誌ポートフォリオその他合計
総合評価割合4030201000100
基礎的能力0000000
専門的能力20151050050
分野横断的能力20151050050