1. トランジスタ増幅回路のDC解析(動作点の導出)、AC解析(小信号等価回路を描き、それに基づいた利得や入出力インピーダンスの算出)ができる
2. 帰還の概念を理解し、帰還回路の動作利得等の動作量を求めることができる
3. トランジスタの電流増幅機能を応用した各種回路の設計条件を求めることができる
概要:
電子回路は家電製品を含むほとんどの電気・電子機器に組み込まれている.
電子回路Ⅱでは,信号・情報伝達のための基本となる『増幅』について,増幅に関連した専門的知識をマスターすることを目指す.
特に、増幅器を特徴づける三要素,すなわち
(1)入力インピーダンス,(2)出力インピーダンス,(3)開ループゲイン,
を使った等価回路に基づいて,回路設計に必要な基本的知識を学び,.得た専門知識の応用性を広げることをねらいとする。
学ぶ主項目として、回路解析法、周波数特性、帰還(フィードバック)効果、あるいはその応用回路等が挙げられる。回路解析においては、DC解析およびAC解析のうち後者を中心として学ぶ(前者については電子回路Ⅰで多く取り扱っている)。
授業の進め方・方法:
・板書を中心に行う.
・教科書では不足する内容については,配布するプリントで補充する.
・受講者(学生)の理解を促すために,練習問題等を配布する.
注意点:
・電気回路の基礎知識,特にキルヒホッフの法則をマスターしておく必要がある.この法則は比較的単純なものであるため,電子回路への応用は訓練次第で飛躍的に向上することが期待できる.
・定規を使わず回路図を素早くノートに描けることも授業理解に有効であろう.
・配布された問題が定期試験の出題に関連している場合が多い.
・複素数の取り扱いが苦手の人は,複素数の絶対値,例えば,分数の絶対値や席の絶対値,さらに複素数の極形式を再確認するとよい.
・定期試験前に配布予定のRoad mapを参考に試験勉強するのも有効と考えられる.
・ノートを中心とした学習が有効であるが注意してほしいことがある.ノートを開いてわかったような気になるケースが後を絶たない(危険な勉強である).効果的な勉強法として,ノートの最初(問題提起)から、自力で答えが導けることが何よりも大切である.
科目の理解を深めることを目的として,課題の提出を求める(最大を20%として評価割合に含める可能性がある).
教育到達目標評価 定期試験100%(B)
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス(1h)
1.増幅回路の基礎(コア)(1h) ◇FET増幅回路、バイポーラトランジスタの増幅回路の動作量(コア) |
授業計画、評価方法の説明
増幅回路の動作量について説明できる.
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2週 |
◇FET増幅回路の動作量(コア) |
FET増幅回路の小信号等価回路に基づいて動作量(入力インピーダンス・出力インピーダンス・電圧利得)を導くことができる
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3週 |
◇FET増幅回路の動作量(続き) ◇トランジスタ増幅回路の動作量(コア) |
FET増幅回路・トランジスタ増幅回路の小信号等価回路に基づいて動作量(入力インピーダンス・出力インピーダンス・電圧利得)を導くことができる
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4週 |
◇トランジスタ増幅回路の動作量(続き)(コア) |
トランジスタ増幅回路の小信号等価回路に基づいて動作量(入力インピーダンス・出力インピーダンス・電圧利得)を導くことができる
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5週 |
◇図式解析手法(コア) ・負荷線解析 |
キルヒホッフの電圧則に基づいて,回路の抵抗や電源電圧の値に基づいて,負荷線の方程式を求めることができる.また,負荷線を図示できる.
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6週 |
◇図式解析手法(コア) ・DC負荷線,AC負荷線 |
トランジスタの特性およびDC負荷線の交点として動作点を求めることができ,AC負荷線解析ができる
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7週 |
◇デシベル計算 |
電卓を使わないでデシベルの計算ができる ・電圧,電力の絶対値 ・増幅器の出力(電圧値,電力値)
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8週 |
前期中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
試験答案返却・解答解説(1h) 2.低周波増幅回路(コア)(1h) ◇RC結合トランジスタ増幅回路 ・等価回路と周波数特性 |
誤解答部分や未解答部分の正当な解法を確認できる RC結合トランジスタ増幅回路に関する ・増幅度を計算できる ・理論的な周波数特性を導ける
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10週 |
◇RC結合トランジスタ増幅回路(コア) ・等価回路と周波数特性 |
RC結合トランジスタ増幅回路に関する ・増幅度を計算できる ・理論的な周波数特性を導ける
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11週 |
◇RC結合トランジスタ増幅回路(コア) ・等価回路と周波数特性 |
RC結合トランジスタ増幅回路に関する ・増幅度を計算できる ・理論的な周波数特性を導ける
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12週 |
◇高域周波数帯におけるトランジスタ増幅回路の等価回路(コア) |
・ミラー効果を説明でき,高域周波数帯におけるトランジスタ増幅回路の等価回路を導くことができる
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13週 |
◇周波数選択増幅回路(コア) |
周波数選択増幅回路の増幅特性を説明できる
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14週 |
◇電力増幅回路 ・A級電力増幅回路 |
信号電力を有効に増幅する回路について説明できる。
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15週 |
前期期末試験 |
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16週 |
試験答案返却・解答解説 |
・誤解答部分や未解答部分の正当な解法を確認できる
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後期 |
3rdQ |
1週 |
3.負帰還増幅回路 ◇帰還の概念・負帰還増幅回路の特長 ◇負帰還増幅回路のブロック図 |
・負帰還をかけたシステムの利点および欠点について説明できる ・このシステムのブロック図を描け,利得を導出できる
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2週 |
◇負帰還増幅回路の利点・欠点
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・負帰還回路の利得の変動率・周波数特性の改善について,式を使って説明できる ・負の利得を持つ増幅器を使う場合の負帰還について説明できる
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3週 |
◇各種帰還方式 ◇閉ループ利得・入出力インピーダンス |
・各種帰還方式を説明できる.また,それぞれの場合の閉ループ利得・入出力インピーダンスが求められる
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4週 |
◇実際の回路例 ◇回路の安定性 |
・負帰還回路の具体的な回路例について,説明できる ・ナイキストの安定度判別法に基づいて,帰還回路の安定度について説明できる
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5週 |
4.発振回路(コア) ◇発振条件(コア)
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・発振(持続的な電気振動)が生じる原理とその条件を説明できる ・LC発振回路の動作を説明できる
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6週 |
◇LC発振回路(コア) (小信号等価回路) |
・LC発振回路の小信号等価回路を描き,それに基づいて正帰還が生じる条件を説明できる
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7週 |
◇LC発振回路(コア) (発振周波数条件・インピーダンス条件) |
・LC発振回路の発振周波数条件・インピーダンス条件を導くことができる
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8週 |
後期中間試験 |
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4thQ |
9週 |
試験答案返却・解答解説(1h) ◇水晶振動子(1h)
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・誤解答部分や未解答部分の正当な解法を確認できる ・水晶振動子について説明できる
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10週 |
◇水晶振動子の周波数特性 ◇ピアス回路 |
・水晶振動子のリアクタンスの周波数特性について説明できる ・LC発振回路に水晶振動子を組み込んだピアス回路の特徴を説明できる
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11週 |
◇RC発振回路(コア) |
・RC移相発振回路の発振条件を導ける
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12週 |
5.OPアンプを構成する内部回路 ◇トランジスタを使った差動増幅回路 |
トランジスタを使った差動増幅回路について小信号等価回路について説明でき,差動利得・同相利得を導くことができる
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13週 |
◇ダーリントン回路 |
トランジスタを使った高電流利得の高入力・低出力インピーダンス回路を設計できる
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14週 |
◇カレントミラー |
トランジスタを使った電流複製回路の設計ができる
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15週 |
学年末試験 |
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16週 |
試験答案返却・解答解説 |
誤解答部分や未解答部分の正当な解法を確認できる
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電子回路 | バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。 | 4 | 前1,前2,前3 |
FETの特徴と等価回路を説明できる。 | 4 | 前1,前2,前3 |
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。 | 4 | 前9,前10,前11 |
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。 | 4 | 前4,前5,前6 |
発振回路の特性、動作原理を説明できる。 | 4 | |