機構学

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 機構学
科目番号 0204 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産システム工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 小川 潔・加藤 功著 「機構学」 (森北出版)/プリント(演習問題等)
担当教員 浜 克己

到達目標

1. 瞬間中心の概念を理解し,機構の速度を求めることができる。
2. リンク機構による機械の運動を理解し,その運動に関する計算ができる。
3. 巻き掛け伝動機構および摩擦伝動機構による機械の運動を理解し,その運動に関する計算ができる。
4. カム機構による機械の運動を理解し,その運動に関する計算ができる。
5. 歯車列の種類を理解し,速比を求めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1瞬間中心の求め方を説明でき,それを用いて機構の任意の部位の速度が求められる瞬間中心の求め方を説明でき,それを用いて機構の特定の部位の速度は求められる瞬間中心の求め方を説明できず,機構の速度も求められない
評価項目24節回転連鎖等の機構の違いや動きを理解し,それぞれの運動に関して計算ができる4節回転連鎖等の機構の違いや動きを理解し,いくつかの運動に関しては計算ができる4節回転連鎖等の機構の違いや動きを理解できず,運動に関しての計算もできない
評価項目3ベルト伝動やころがり接触の機構の違いや動きを理解し,それぞれの運動に関して計算ができるベルト伝動やころがり接触の機構の違いや動きを理解し,いくつかの運動に関して計算ができるベルト伝動やころがり接触の機構の違いや動きを理解できず,運動に関しての計算もできない
評価項目4すべり接触の機構の違いや動きを理解し,それぞれの運動に関して計算ができるすべり接触の機構の違いや動きを理解し,いくつかの運動に関して計算ができるすべり接触の機構の違いや動きを理解できず,運動に関しての計算もできない
評価項目5歯車列の種類を説明でき,速度ベクトルを用いて複雑な歯車列の速比が求められる歯車列の種類を説明でき,速度ベクトルを用いずに,簡単な歯車列の速比は求められる歯車列の種類を説明できず,速比も求められない

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械設計の主要部分である機械の機構を扱うため,機械運動系を構成している各部の形状,配置,組み合わせおよびそれによって生じる相対運動に関する基礎知識を学習・習得するとともに,機構を使用する際の知見を広め,適用できるようになるのが到達レベルである。
授業の進め方・方法:
機械の複雑な運動を個々の簡単な動きに分解し,それぞれの特性を知ることにより機械の動きの原理について理解を深める必要がある。また,機構の設計を容易にするため,統一した考え方による解析方法や機構の基本式を身に付け,それらを適用することで,色々な機構の運動に関しても自らの手で関係式を導出し,計算できることが重要である。
注意点:
事前準備として,力の働きとともに,運動の基本である位置,速度,加速度の時間変化について,数学の幾何学を道具として使いながら,機械の状態を表現できるようにしておくこと。
JABEE教育到達目標評価 定期試験40%(B),中テスト40%(B),小テス10%ト(B),課題10%(B)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
機械と機構
学習の意義,授業の進め方,評価方法を理解できる
機械を構成する要素間の相対的な運動の原理を理解できる
2週 機構の運動と瞬間中心
運動の種類や平面運動の表現方法について理解できる
3週 機構における速度・加速度 相対関係から節上の任意の点の速度・加速度が求められる
4週 機構における速度・加速度 相対関係から節上の任意の点の速度・加速度が求められる
5週 4節回転連鎖
回転条件と静止節の異なる3種類の機構を理解できる
6週 回転-直進機構 すすみ対遇によるすべりこクランク機構を理解し,変位・速度・加速度が求められる
7週 回転-直進機構 すすみ対遇によるすべりこクランク機構を理解し,変位・速度・加速度が求められる
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 答案返却・解答解説
二重すべりこクランク機構
試験問題の解説を通じて間違った箇所を理解できる
すすみ対遇を2つ持つすべりこ機構について理解できる
10週 二重すべりこクランク機構 すすみ対遇を2つ持つすべりこ機構について理解できる
11週 平行運動機構 機構中の2個以上の点が平行線を描く機構を理解できる
12週 直線運動機構 機構上の1点に直線運動をさせる機構を理解できる
13週 ベルト伝動機構 中間節による摩擦力を利用した運動伝達手段を理解し,張力や動力が求められる
14週 ベルト伝動機構 中間節による摩擦力を利用した運動伝達手段を理解し,張力や動力が求められる
15週 試験答案返却・解答解説 試験問題の解説を通じて間違った箇所を理解できる
16週
後期
3rdQ
1週 ベルト変速機構 段車による変速と無段階変速の各特徴を理解できる
2週 Vベルト/チェーン伝動機構 ベルト伝動とチェーン伝動の違いを理解できる
3週 ころがり接触条件と輪郭曲線 ころがり接触をするための条件を理解できる
4週 角速度比が一定のころがり接触 接触位置に拘らず角速度比が一定となる構造を理解できる
5週 角速度比が変化するころがり接触 接触点の位置により角速度比が変化する構造を理解できる
6週 摩擦伝動機構 ころがり接触による回転運動の摩擦力を計算できる
7週 カムの種類とカム線図 カムの種類を説明でき,カム線図が理解できる
8週 後期中間試験
4thQ
9週 試験返却・解答解説
カムの基礎
試験問題の解説を通じて間違った箇所を理解できる
基本的なカムの変位・速度・加速度,圧力角が求められる
10週 カムの基礎 基本的なカムの変位・速度・加速度,圧力角が求められる
11週 カムの基礎 基本的なカムの変位・速度・加速度,圧力角が求められる
12週 その他のカム 内燃機関の弁の開閉などに使用されるカムを理解できる
13週 速比の計算 歯車の組み合わせに対する回転数の比を理解できる
14週 歯車列 歯車装置を構成する歯車列の速比を求められる
15週 試験答案返却・解答解説 試験問題の解説を通じて間違った箇所を理解できる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野機械設計リンク装置の機構を理解し、その運動を説明できる。4前5
代表的なリンク装置の、変位、速度、加速度を求めることができる。4前5
カム装置の機構を理解し、その運動を説明できる。4後7,後9,後10,後11
主な基礎曲線のカム線図を求めることができる。4後7,後9,後10,後11

評価割合

試験中テスト小テスト態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合4040100010100
基礎的能力0000000
専門的能力4040100010100
分野横断的能力0000000