応用物理

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 応用物理
科目番号 0214 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 力学Ⅱ(大日本図書)
担当教員 小山 慎哉

到達目標

1. 力学に関わる物理量や運動方程式を、数学を用いて定式化することができる
2. 質点系と剛体の力学に関する基礎知識を理解し,数学を用いて定式化することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1複雑な運動について,微分積分を用いて記述し,計算することができる簡単な運動について,微分積分を用いて記述し,計算することができる物理現象を微分積分を用いて記述したり計算することができない.
評価項目2質点系と剛体の運動に関して,複合的な応用問題を解くことができる質点系と剛体の運動に関して,授業で扱った基本的な現象に関する問題を解くことができる.質点系と剛体の運動に関して、授業で扱った基本的な問題を解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
VR、ARなど、現実世界の現象をソフトウェアで記述する応用例は、現代社会に多く存在しており、物理現象を正しく理解してソフトウェア上でシミュレートすることが情報系エンジニアに求められることがある。
そのため、低学年で学んだ物理学の知識について、数学を使ってより一般的に、多くの場面に適用できる形に定式化する手法について学ぶ。
授業の進め方・方法:
本科目は、物理、微分積分、応用数学と密接な関係にある。特に、応用数学で学習する「微分方程式の解法」は、運動方程式を解析的に解くために必要な知識であるので、十分理解しておくこと。
また、物理現象の理解を助けるため、ソフトウェア上でのシミュレートをする演習を随時行う。

注意点:
教育到達目標評価:中テスト(40%)(B),期末試験(40%)(B),課題・小テスト(20%)(B)
本演習科目は学修単位(2単位)の授業であるため、履修時間は授業時間60時間と授業時間以外の学修(予習・復習、課題・テスト等のための学修)を併せて90時間である。
自学自習の成果は 課題・小テストによって評価する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
質点の力学
位置ベクトルを時間で微分し、速度や加速度を求めることができる。
2週 ニュートンの運動の三法則
運動方程式(1)
ニュートンの運動の三法則を説明できる。
簡単な運動について運動方程式を立て、微分方程式の初期値問題として解くことができる。
3週 運動方程式(2) 様々な運動について運動方程式を立て、微分方程式の初期値問題として解くことができる。
4週 回転運動 回転運動について運動方程式を立て、解くことができる。
5週 シミュレート演習 物理現象をソフトウェア上でシミュレートする技法について理解できる。
6週 力学的エネルギー 仕事と力学的エネルギーの関係を説明できる。また位置エネルギーと運動エネルギーの計算ができる。および力学的エネルギー保存則について説明できる。
7週 位置エネルギーの計算 保存力と位置エネルギーの関係について説明できる。
8週 中テスト
4thQ
9週 中テスト答案返却・解答解説
二体系の力学
試験の解説に基づいて、間違った部分を理解する.
二体系の運動方程式を導出することができる。
10週 質点系と剛体の力学 質点系や剛体の重心の計算ができる。剛体運動における運動方程式を立てることができる。
11週 慣性モーメント 剛体の慣性モーメントを計算し、剛体の回転運動における運動方程式を立てることができる。
12週 剛体に関する運動方程式の適用例 様々な剛体運動における運動方程式を立てることができる。
13週 抵抗力のある振動 空気抵抗や摩擦力などの抵抗を受けて振動する運動を解析し、どのようなパターンが存在するかを説明できる。
14週 応用問題 学習した内容の総ざらえとして、応用問題を解くことができる。
15週 期末試験
16週 試験答案返却・解答解説 試験の解説に基づいて、理解度が低い部分を理解する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
物体に作用する力を図示することができる。3
力の合成と分解をすることができる。3
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3
慣性の法則について説明できる。3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
運動の法則について説明できる。3
仕事と仕事率に関する計算ができる。3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3
力のモーメントを求めることができる。3
角運動量を求めることができる。3
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3
重心に関する計算ができる。3
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3

評価割合

中テスト期末試験課題・小テスト合計
総合評価割合404020100
基礎的能力20201050
専門的能力20201050