応用物理

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 応用物理
科目番号 0216 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産システム工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 力学Ⅱ(大日本図書)
担当教員 本村 真治

到達目標

1. 力学に関わる物理量,方程式を微分積分を用いて記述し,計算することができる
2. 振動に関する基礎知識を理解し,微分積分を用いて記述し,計算することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1複雑な運動について,微分積分を用いて記述し,計算することができる簡単な運動について,微分積分を用いて記述し,計算することができる物理現象を微分積分を用いて記述したり計算することができない.
評価項目2振動に関して,複合的な応用問題を解くことができる振動に関して,授業で扱った基本的な現象に関する問題を解くことができる.授業で扱った基本的な問題を解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
前半では,これまでに学んだ力学の基本である位置,速度,加速度の関係をベクトルの微分積分を用いて記述し,運動方程式を微分方程式として取り扱うことで,いわゆる初期値問題を解くこと目指す.後半では,前半部分の知識をもとに,振動について運動方程式を微分方程式として取り扱い,主に単振動,減衰振動を理解することを目指す.なお授業内容は公知の情報のみに限定されている。
授業の進め方・方法:
物理はもちろんのこと,微分積分,応用数学と密接な関係にあり,特に応用数学で学習する「微分方程式の解法」は十分に身についていなければならない.後半で扱う「単振動」,「減衰振動」は2階線形微分方程式の代表的な応用例である.また,これらは後に学ぶ「機械力学」の基礎知識となる.

注意点:
教育到達目標評価:中テスト(40%)(B),期末試験(40%)(B),課題・小テスト(20%)(B)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週  ガイダンス
1.力学と微積分
 1-1 基本ベクトルと位置ベクトル
 1-2 速度と加速度
位置ベクトルを時間で微分し,速度,加速度を求めることができる.
2週 1-2 速度と加速度 位置ベクトルを時間で微分し,速度,加速度を求めることができる.
3週 1-3 運動方程式
1-4 初期値問題
ベクトルの微分を用いて,運動方程式の様々な表現ができる.
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て,初期値問題として解くことができる.
4週 1-4 初期値問題
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て,初期値問題として解くことができる.
5週 1-5 スカラー積と仕事,運動エネルギー 運動方程式から,種々の力学の法則を導出することができる.
6週 1-6 保存力とポテンシャル 運動方程式から,種々の力学の法則を導出することができる.
7週 1-7 力学的エネルギー保存則 運動方程式から,種々の力学の法則を導出することができる.
8週 中テスト
4thQ
9週 中テスト答案返却・解答解説
2.振動
2-1単振動
試験の解説に基づいて,理解度が低い部分を理解する.
種々の単振動の運動方程式を導出することができ,単振動を表す式を説明することができる.
単振動をする物体の力学的エネルギーを求めることができる.
10週 2-1単振動 種々の単振動の運動方程式を導出することができ,単振動を表す式を説明することができる.
単振動をする物体の力学的エネルギーを求めることができる
11週 2-2単振り子 単振り子の運動方程式を導出し,これが単振動と見なせることを示すことができる.
12週 2-3減衰振動 抵抗力がはたらく場合の振動の運動方程式を導出することができ,抵抗力の大きさにより,減衰振動,過減衰,臨海減衰の3種類の解が存在することを説明できる.
13週 2-4連成振動 連成振動の運動方程式を導出し,これを解くことができる.
14週 3.塑性変形 平面ひずみ圧縮および軸対称圧縮の解析について理解し説明できる。
15週 期末試験
16週 試験答案返却・解答解説 試験の解説に基づいて,理解度が低い部分を理解する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理物理速度と加速度の概念を説明できる。3
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
物体に作用する力を図示することができる。3
力の合成と分解をすることができる。3
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3
慣性の法則について説明できる。3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
運動の法則について説明できる。3
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3
最大摩擦力に関する計算ができる。3
動摩擦力に関する計算ができる。3
仕事と仕事率に関する計算ができる。3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3
力のモーメントを求めることができる。3
角運動量を求めることができる。3
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。4
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。4
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。4
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。4
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。4
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。4
仕事の意味を理解し、計算できる。4
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。4
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。4
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。4
動力の意味を理解し、計算できる。4
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。4
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。4
工作平行平板の平面ひずみ圧縮を初等解析法により解くことができる。4
軸対称の圧縮を初等解析法により解くことができる。4

評価割合

中テスト期末試験課題・小テスト合計
総合評価割合404020100
基礎的能力20201050
専門的能力20201050