半導体工学概論

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 半導体工学概論
科目番号 0218 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 配布プリントを使用。
配布PDFを使用。
配布パワーポイント資料を使用。
(教科書費用はかかりません。ただしノートPCを必ず毎週持参してください。
試験の際MS-TeamsとMS-Fomrsを主に使用します。オンラインの使用できるPCは必須です)
担当教員 山田 一雅

到達目標

(旭川高専半導体概論に準拠)
1.半導体の定義・種類・基礎特性を理解し、説明することができる。
2.半導体素子の種類とその動作原理について理解し、動作特性を説明することができる。
3.半導体製造に必要な技術について理解し、製造工程について説明することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1(旭川高専半導体概論に準拠)半導体の定義・種類・基礎特性をよく理解し、詳しく説明することができる。半導体の定義・種類・基礎特性を理解し、説明することができる。半導体の定義・種類・基礎特性にについて理解できない。
評価項目2(旭川高専半導体概論に準拠)半導体素子の種類とその動作原理についてよく理解し、動作特性を詳しく説明することができる。半導体素子の種類とその動作原理について理解し、動作特性を説明することができる。半導体素子の種類とその動作原理について理解できない。
評価項目3(旭川高専半導体概論に準拠)半導体製造に必要な技術についてよく理解し、製造工程について詳しく説明することができる。半導体製造に必要な技術について理解し、製造工程について説明することができる。半導体製造に必要な技術と製造工程について理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 絶縁体と金属の中間の性質をもつ半導体は、コンピュータの頭脳やLEDや半導体レーザーなどの発光素子、光・音・圧力・温度などのセンサの材料として利用され、今日の我々の便利で豊かな生活の実現に欠くことのできない重要な物質である。半導体科学は物理、化学、数学などの基礎科目を基盤としており、半導体産業は電気・電子系のみならず、機械系、化学・生命系、制御・情報系、社会基盤系など、高専の全ての学科・コースに多かれ少なかれ関係している。本講義では、全学科の4年生を対象とし、半導体の定義・種類・基礎特性、半導体素子の種類とその動作原理、半導体製造に必要な技術を俯瞰的に学ぶ。特に基礎的な事項の理解を重点に授業を進める。(旭川高専半導体概論に準拠)
※なお授業内容は公知の情報のみに限定されている。
授業の進め方・方法:
 独自の講義資料(プリント)等に沿って授業を進める。演習問題を用意するので、授業内または自宅学修で取り組んでもらう。演習問題の提出や解説、質問対応などには、対面の他、ICTも利用する。
■演習問題を二週目以降出題します(予定)。※ただし、試験の前の週と、答案返却日は、演習は実施しません。
■試験2週間前に、デジタルデータ型の模擬試験を実施します。何度も練習できますので、理解度が高まります。高得点を狙って模擬試験に取り組んでください。
■試験の際MS-TeamsとMS-Fomrsを主に使用します。オンラインの使用できるPCは必須です。PCの準備できない人は、事前に相談してください。
注意点:
・評価については、合計点数が60点以上で単位修得となる。その場合,各到達目標項目の到達レベルが標準以上であること、教育プログラムの学習・教育到達目標の各項目を満たしたことが認められる。
・これまでに履修してきた物理と比べて、本講義の学修内容は高度で難しいものとなっているため,わからない点は学生間や教員とのやりとりで早めに解決することを期待する。

JABEE教育到達目標評価:定期試験80%(B-2),課題20%(B-2)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 半導体デバイスの歴史とその役割
■ガイダンス
■半導体の重要性
■半導体の定義・種類
・現代の社会や暮らしにおける半導体の重要性について説明できる。
・半導体の定義と種類・具体例について説明できる。
2週 半導体の諸性質
■半導体の結晶構造
■半導体のバンド構造
・代表的な半導体の結晶構造について理解し、説明できる。
・半導体のバンド構造について理解し、説明できる。
3週 半導体の諸性質
■半導体のキャリアと分類
■真性半導体と不純物半導体
■p型半導体とn型半導体
・半導体の種類について説明できる。
・半導体のキャリア(電子・正孔)について理解し、その別による半導体の種類の違いを説明できる。
4週 ダイオード
■pn接合
■整流特性-ダイオード
■pn接合のバンド図
・pn接合について説明できる。
・pn接合の整流特性について理解し、ダイオードの仕組みを説明できる。
・pn接合のバンド図について理解し、説明できる。
5週 バイポーラデバイス ・バイポーラトランジスタとその動作特性・npn型、またはpnp型のバイポーラトランジスタの原理を理解し、増幅などの動作特性を説明できる。
6週 ユニポーラデバイス
■MOS構造
■金属・半導体界面の性質
・金属と半導体の界面で起こる現象について理解し、ショットキー障壁とオーム性接触の違いを説明できる。
7週 ユニポーラデバイス
■MOSトランジスタ
■CMOSトランジスタ
・MOS構造をもつ電界効果トランジスタの原理を理解し、その動作特性を説明できる。
8週 試験 模擬試験などの事前演習を通して、十分な準備をもとに試験を受験できる。
2ndQ
9週 試験答案返却・解答解説 間違った問題の正答を求めることができる。
10週 集積回路
■MOSFETを集積させた集積回路
・MOSFETを集積させた回路について説明できる。
11週 半導体の応用
■発光・発電素子
■パワー半導体
・pn接合を応用したLED、半導体レーザの仕組みを理解し、動作特性を説明できる。
・pn接合を応用した太陽電池の原理を理解し、動作特性を説明できる。
・最近、需要が高まり注目を集めているパワー半導体について知り、その材料、構造、役割、動作特性について説明できる。
12週 半導体製造技術
■結晶成長
■エピタキシャル成長
・高純度シリコン単結晶成長の原理を理解し、その工程を説明できる。
・半導体エピタキシー技術について理解し、説明できる。
13週 Si半導体デバイスの製作技術
■エッチング
■熱酸化
・半導体製造に使われるエッチングや熱酸化などの化学的なプロセスの原理を理解し、概要を説明できる。
14週 Si半導体デバイスの製作技術
■リソグラフィー
■微細加工技術
■半導体製造工程
■半導体の最新動向
・半導体微細加工に必要なリソグラフィーやステッパなどの原理について理解し、概要を説明できる。
・半導体の全製造工程を理解し、説明できる。
・半導体科学の最新動向に興味を持ち、理解することができる。
15週 試験 模擬試験などの事前演習を通して、十分な準備をもとに試験を受験できる。
16週 試験答案返却・解答解説 間違った問題の正答を求めることができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000