電子回路Ⅲ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電子回路Ⅲ
科目番号 0228 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 桜庭一郎 熊耳 忠 共著「電子回路」(森北出版)/ 植田佳典・小柴典居共著「発振・変復調回路の考え方」(オーム社)、 R.L.Boylestad著 「Electronic Devices and Circuit Theory」(Prentice Hall)
担当教員 高田 明雄

到達目標

1.演算増幅器を応用した回路の利得を算出できる
2.RC過渡現象に関連するパルス回路の動作を説明できる
3.変調方式について回路を理解し、その動作について数式を用いて説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1演算増幅器を用いた回路を設計できる。演算増幅器を用いた回路の解析ができる。演算増幅器を用いた回路の入出力の関係を導くことができない。
評価項目2RC過渡現象に関連するパルス回路の動作を式の導出を交えて説明できる。RC過渡現象に関連するパルス回路の動作を説明できる。RC過渡現象に関連するパルス回路の動作を説明できない。
評価項目3変調方式が数式を用いて説明でき、変調回路についても回路図を描いて説明できる。変調方式について数式を用いて説明できる。数式を用いて変調を説明することができない。

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この科目では,主に,アナログ信号の演算,パルスを発生および変調を目的とした回路について扱う.
項目として,
・OPアンプを使った演算回路
・デジタル信号,すなわち,論理レベル“0”あるいは“1”のいずれかを出力する方形波発振回路をトランジスタのスイッチングを利用する方法
・波形の切取り(クリップ),DCレベル変更(クランプ)する方法
・振幅変調(AM)および周波数変調(FM)の方法
があげられる.
これらについてその目的、特徴および実現方法について学ぶ.
授業の進め方・方法:
教科書を基本に,黒板への板書(遠隔授業では,電子ホワイトボードへの板書)を行って授業を進める.
科目の理解を深めることを目的として,課題の提出を求める(最大を20%として評価割合に含める可能性がある).
授業全般に対する質問は,Microsoft Teamsでも受け付けるが,休日や夜間など時間外についてはすぐ応答できない場合がある.

注意点:
パルス発生回路においては,CR回路の過渡現象についての知識は非常に重要である.

試験勉強に際し、過去テストの出題傾向などは参考程度に留めるべきであり、またその解説(解答)はしない[過去テストと同様な出題を期待し、失敗したケースが多々報告されている].暗記ではなく,実際に授業で導いた式を自力で再現できる,あるいは,回路の意味を説明できることが有効である。

本科目は学修単位(2単位)の授業であるため、履修時間は授業時間30時間と授業時間以外の学修(予習・復習、課題・テスト等のための学修)を併せて90時間である。
自学自習の成果は定期試験によって評価する。

教育到達目標評価 定期試験100%(B)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
1.演算増幅回路の応用(コア)
◇反転・非反転増幅器
・授業計画および学習の留意点を知る。
・OPアンプを使った基本的な増幅回路の設計ができる
2週 ◇加減算・微積分回路 ・増幅器、加減算回路、および微積分回路の利得を導出できる。基礎的な回路設計ができる
3週 2.パルス回路 
◇パルス波、CR回路の過渡応答
・パルス波の特徴について理解し、CR回路の過渡応答を定量的に説明できる
4週 ◇パルス波、CR回路の過渡応答(続き) ・パルス波の特徴について理解し、CR回路の過渡応答を定量的に説明できる
5週 ◇パルス波、CR回路の過渡応答(続き)
◇トランジスタ・パルス回路(1h)
・パルス波の特徴について理解し、CR回路の過渡応答を定量的に説明できる
・CR微積分回路の入出力特性を計算して描ける
・トランジスタのスイッチング特性を理解するとともに,回路内のパラメーターを計算できる
6週 ◇トランジスタ・パルス回路(1h)
◇インバータ回路(1h)
・トランジスタのスイッチング特性を理解するとともに,回路内のパラメーターを計算できる
・トランジスタを用いたインバータ回路を設計できる
7週 ◇インバータ回路(1h)
◇マルチバイブレーター(1h)
・トランジスタを用いたインバータ回路を設計できる
・マルチバイブレーターの種類と基本形がわかる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 試験答案返却・解答解説(1h)
◇マルチバイブレーター(続き)(1h)
試験問題の解説を通じて自分の理解不足を補う
・各種マルチバイブレーターの動作を説明でき、トリガ波形と発振波形が描け、パルス幅や発振周期などが決定できる
10週 ◇マルチバイブレーター(続き) ・各種マルチバイブレーターの動作を説明でき、トリガ波形と発振波形が描け、パルス幅や発振周期などが決定できる
11週 ◇マルチバイブレーター(続き)(1h)
◇波形整形回路(1h)
・各種マルチバイブレーターの動作を説明でき、トリガ波形と発振波形が描け、パルス幅や発振周期などが決定できる
・波形整形回路の入出力特性を求められる
12週 ◇波形整形回路(続き) ・波形整形回路(クリッパ・クランパ)の入出力特性を求められる
13週 3.周波数変調
◇変調方式
・周波数変調の方式および被変調波の周波数成分について説明することができる
14週 ◇変調回路 ・変調に用いる回路について説明できる
・位相同期ループについて説明できる(時間的余裕がある場合にのみ)
15週 期末試験
16週 試験答案返却・解答解説 ・間違った問題の正答を求めることができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子回路変調・復調回路の特性、動作原理を説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000