電磁波工学

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電磁波工学
科目番号 0232 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 鹿子嶋憲一  光・電磁波工学 (電子情報通信レクチャーシリーズ) 電子情報通信学会
担当教員 丸山 珠美

到達目標

1. ベクトル解析を用いてMaxwell方程式から波動方程式を導くことができる。
2. 平面波の波動方程式の解を導くことができる。
3.平面波の波動方程式の解から,導かれる、楕円偏波、円偏波、直線偏波を理解し説明できる.
4. アンテナの主要特性(放射指向性,利得、インピーダンス、VSWR、反射係数)の計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安
評価項目1ベクトル解析を用いてMaxwell方程式から波動方程式を導くことができる。ベクトル解析を用いてMaxwell方程式から波動方程式を導く方法を理解できる
評価項目2平面波の波動方程式の解を導くことができる。平面波の波動方程式の解を導く方法を理解できる。
評価項目3面波の波動方程式の解から,楕円偏波、円偏波、直線偏波を導くことができる、面波の波動方程式の解から,導かれる、楕円偏波、円偏波、直線偏波を理解し説明できる.
評価項目4アンテナの主要特性(放射指向性,利得、インピーダンス、VSWR、反射係数)の計算ができる。アンテナの主要特性(放射指向性,利得、インピーダンス、VSWR、反射係数)の計算がほぼできる。

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科目では,まず電磁波の振る舞いを解析する上で重要な式であるMaxwell方程式を理解し,電界,磁界の関係と電磁波が波動であることを学習する.また,アンテナによる電磁波の発生とアンテナの基本特性,電磁波伝搬に関する基礎知識を学習する.平面波について理解し,電界と磁界が電波の進行方向に対して垂直となること,および垂直,水平,円偏波がどのようにして導出されるかを理解し,これをもとに電波の伝わるしくみを説明できるようになることを目標とする.この科目は、企業で、ディジタル準マイクロ高速大容量無線方式、3G,無線通信方式、さらにはLTEから5Gまでの無線通信方式に必要な、移動通信基地局用多周波共用アンテナ、移動通信端末用小型アンテナ、MIMO、リフレクトアレー、の研究開発に携わっていた教員が担当する。
授業の進め方・方法:
・電気磁気学,電気回路の知識に加えて,ベクトル解析,偏微分,積分,三角関数,対数,複素数等の数学の知識が必要となるので,必要に応じて復習が必要である.
・電磁波は目に見えず,基本的に数式でしか表現できないため,電磁波伝搬に対して物理的イメージを持つことが必要である.
・様々な電磁界の物理現象について電磁波伝搬の立場から考察を行えるような目を養うこと.
・課題,演習等は必ず自分で解き,授業中でわからない場合は担当教員に積極的に質問をして解決すること.
・参加型のインタラクティブな授業を実施する.
注意点:
・レポート20%(B-3:100%)
・試験80%(B-3:100%)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス(0.5h)
ベクトル計算の復習(内積、外積)(LMS)
授業の内容,評価方法,到達目標を理解するベクトル計算、ベクトル表記、内積と外積の定義を理解する。内積と外積の計算ができる。教科書p.149
2週 ベクトル解析の発散と回転、勾配(グラディエント)
Maxwell方程式とベクトル解析の関係
ベクトル解析の発散と回転、勾配の計算ができる. 教科書p.149,150
Maxwell方程式とベクトル解析の関係を理解する 教科書p.26,27, p.43問3.1
3週 ファラデーの法則、アンペアの法則、電荷の保存則とMaxwell方程式 ファラデーの法則、アンペアの法則、電荷の保存則とMaxwell方程式の関係を式で導くことができる。p.26~28,p.43の問3.2
4週 真空中のMaxwell 方程式と波動方程式 Maxwell方程式から波動方程式を導くことができる。p.28~30
(発展問題: p.43問3.5)
5週 波動方程式 波動方程式の解と平面波 波動方程式の解を導き,平面波を導出できる.p.30-32
電界・磁界の方向と伝搬方向の関係を導ける.p.43 問3.6
6週 電磁波の進行速度 電磁波の進行速度が光速となることを、導出できる。p.33~35、p.43 問3.7
7週 まとめ1 (LMS) ベクトル解析を用いてMaxwell方程式から波動方程式を導き
その解を求め、波動方程式の解の性質から平面波を理解する
8週 中 間 試 験
2ndQ
9週 試験答案の返却と解説(0.5h) (LMS)
試験で間違った問題の正しい解法を理解する
10週 楕円偏波、円偏波、直線偏波、 平面波の波動方程式から,電界の楕円偏波を導ける.楕円偏波から,円偏波,直線偏波を導けるp.37~p40 問3.12
11週 電界・磁界と電磁波の伝搬方向ポインティングベクトル 電界・磁界と電磁波の伝搬方向ポインティングベクトル p.40~43.問3.15
(エキストラ:問3.16)
12週 微小ダイポール 微小ダイポールの放射界、指向性係数を導きアンテナの指向性を計算できる
pp.130~134
13週 半波長ダイポールアンテナ 半波長ダイポールアンテナの放射指向性と利得の関係を説明できる.
pp.134~136、 p.143 問7.16、問7.17
14週 アンテナの反射係数,VSWR アンテナの反射係数とVSWRの計算ができ、意味を理解できる.pp.87~95
15週 期 末 試 験
16週 試験答案返却・解答解説 間違った問題の正答を求めることができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表課題態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80020000100
基礎的能力0000000
専門的能力80020000100
分野横断的能力0000000