流体力学Ⅱ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 流体力学Ⅱ
科目番号 0266 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 流体力学(実証出版,専門基礎ライブラリー,金原監修,築地ほか執筆),流れの力学(朝倉書店,基礎機械工学シリーズ4,古川ほか著)
担当教員 本村 真治

到達目標

1. 非圧縮粘性流体の運動を理解し説明でき,二次元粘性流れの厳密解を導出できる.
2. 理想流体の運動を理解し説明でき,代表的なポテンシャル流れを解析できる.
3. 圧縮性流体における各種保存則を理解し説明でき,ラバルノズル内の流れ,および衝撃波の解析に適用できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1連続の式,およびナビエ・ストークス方程式を理解し説明でき、二次元粘性流れの厳密解を導出できる.連続の式,およびナビエ・ストークス方程式を用いて二次元粘性流れの厳密解を導出できる.連続の式,およびナビエ・ストークス方程式を用いて二次元粘性流れの厳密解を導出できない.
評価項目2複素速度ポテンシャルによるポテンシャル流れの表現を理解し説明でき,代表的なポテンシャル流れを解析できる.複素速度ポテンシャルで表現された代表的なポテンシャル流れを解析できる.複素速度ポテンシャルで表現された代表的なポテンシャル流れを解析できない.
評価項目3圧縮性流体の性質および各種保存則を理解し説明でき,ラバルノズル内の流れ,および衝撃波の解析に適用できる.圧縮性流体における各種保存則を用いてラバルノズル内の流れ,および衝撃波を解析できる.圧縮性流体における各種保存則を用いてラバルノズル内の流れ,および衝撃波を解析できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
流体力学Ⅰで学んだ知識をもとに、理想流体、粘性流体および圧縮性流体の運動を数学的に表現し解析するための基礎知識を習得し,流体に関連する課題解決に適用するための基礎的能力を養う.
授業の進め方・方法:
事前に行う準備学習:
数学(指数・対数,積分),物理(仕事,エネルギ,動力),機械エネルギー基礎,流体力学Ⅰ,および熱力学Ⅰについて理解していること。
学習上の留意点:
予習復習を怠らないこと。身の回りにある流れに興味関心を持ち、授業との関連性を考えること。
関連する科目:
力学基礎,機械エネルギー基礎,流体力学Ⅰ,熱力学Ⅰ
学習上の助言:
導出した式や単位は、単に暗記するのではなく、それらの表わす意味を、専門用語を用いて文章として説明できるように心がけることが、理解をより一層深める。
注意点:
教育到達目標評価 中テスト(40%)(B),期末試験(40%)(B),小テスト・課題(20%)(B)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス(1.0h)
連続の式①(1.0h)
学習意義,授業計画,評価方法を理解し学習に生かすことができる.
質量保存則を流れに適用し,一次元流れにおける連続の式を導出できる.
2週 連続の式②(2h) 質量保存則を流れに適用し,二次元流れにおける連続の式を導出できる.
3週 理想流体の運動方程式(2h) 理想流体の一次元,および二次元流れの運動方程式を導出できる.
4週 粘性流体の運動方程式(2h) 粘性流体の二次元流れにおける運動方程式(Navier-Stokes方程式)を導出できる.
5週 二次元粘性流れの厳密解(2h) 平行平板間の層流の厳密解を導出でき,ポアズイユ流れ,クエット流れについて理解し説明できる。
6週 ポテンシャル流れ①(2h) 渦度,速度ポテンシャル,および流れ関数の定義を理解し説明できる。
7週 ポテンシャル流れ②(2h) 複素速度ポテンシャルを用いて代表的な流れ(一様流れ,吹き出し,自由渦,円柱周りの流れ)を表現でき,流れの様子を説明できる。
8週 中テスト
4thQ
9週 中テストの解答解説(1h)
圧縮性流体力学の基礎①(1h)
中テストの間違えた箇所の正答を理解できる。
圧縮性流体における各保存則(質量、運動量、エネルギー)を理解し説明できる。
10週 圧縮性流体力学の基礎②(2h) 圧縮性流体における各保存則(質量、運動量、エネルギー)を理解し説明できる。
11週 圧縮性流体力学の基礎③(2h) 等エントロピー変化の基礎的事項(よどみ点状態、流れの圧縮性、音速およびマッハ数)
12週 準一次元定常等エントロピー流れ①(2h) 流れの性質を理解し,ラバルノズルの流れを説明できる.
13週 準一次元定常等エントロピー流れ②(2h) 流れの性質を理解し,ラバルノズルの流れを説明できる.
14週 衝撃波(2h) 衝撃波の一般的性質を理解し説明できる.
15週 期末試験
16週 期末試験の解答解説(2h) 期末試験の間違えた箇所の正答を理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。4
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。4
ニュートンの粘性法則、ニュートン流体、非ニュートン流体を説明できる。4
定常流と非定常流の違いを説明できる。4
流線と流管の定義を説明できる。4
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。4
オイラーの運動方程式を説明できる。4
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。4
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。4
熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。4
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。4
熱力学の第一法則を説明できる。4
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。4
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。4
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。4
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。4
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。4
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。4

評価割合

中テスト期末試験小テスト・課題合計
総合評価割合404020100
基礎的能力0000
専門的能力404020100
分野横断的能力0000