本科目では,制御工学Ⅰで学んだ知識を基に,フィードバック制御システムの制御理論を習得し,自動制御応用に必要な知識について学習する。具体的には,伝達関数を用いたシステムの表現,システムの定常特性・周波数特性を説明できる方法,システムの安定性判別方法を習得し,基本的なサーボ制御系の基本設計ができるレベルを目標とする.古典制御理論に加え,現代制御理論への導入も行う.
概要:
本科目では,制御工学Ⅰで学んだ知識を基に,フィードバック制御システムの制御理論を習得し,自動制御応用に必要な知識について学習する。具体的には,伝達関数を用いたシステムの表現,システムの定常特性・周波数特性を説明できる方法,システムの安定性判別方法を習得し,基本的なサーボ制御系の基本設計ができるレベルを目標とする.古典制御理論に加え,現代制御理論への導入も行う.
授業の進め方・方法:
・本科目は4年後期「制御工学Ⅰ」から継続して制御工学の知識を学習する科目であるため,「制御工学Ⅰ」の内容を十分に理解して授業に臨むことが必要である。
・微積分,ラプラス変換,対数,複素数等の数学の知識が必要となるので,復習しておくこと。
・制御理論は数学的に厳密で精緻な理論体系を備えており,授業においても数学的な記述が多いが,その物理的な意味を把握することが重要である。
注意点:
・課題,演習等は必ず自分で解き,授業中でわからない場合は担当教員に積極的に質問をすること。
評価:定期試験80%(B),課題20%(B)
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス 制御系と制御理論の意義 |
・授業の内容,位置付け,評価方法,到達目標を説明できる. ・制御理論の有用性について説明できる.
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2週 |
1.モデリング・伝達関数・時間応答・周波数応答 |
・系のモデルから,振る舞いを記述する方程式を求められる. ・ラプラス変換により伝達関数・周波数応答を求められる. ・逆ラプラス変換により時間応答を求められる.
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3週 |
1.モデリング・伝達関数・時間応答・周波数応答 |
・系のモデルから,振る舞いを記述する方程式を求められる. ・ラプラス変換により伝達関数・周波数応答を求められる. ・逆ラプラス変換により時間応答を求められる.
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4週 |
1.モデリング・伝達関数・時間応答・周波数応答 |
・系のモデルから,振る舞いを記述する方程式を求められる. ・ラプラス変換により伝達関数・周波数応答を求められる. ・逆ラプラス変換により時間応答を求められる.
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5週 |
2.制御系の定常特性(コア) |
・最終値の定理を基に線形システムの定常偏差を求められる. ・システムの定常特性を説明できる.
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6週 |
2.制御系の定常特性(コア) |
・最終値の定理を基に線形システムの定常偏差を求められる. ・システムの定常特性を説明できる.
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7週 |
2.制御系の定常特性(コア) |
・最終値の定理を基に線形システムの定常偏差を求められる. ・システムの定常特性を説明できる.
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8週 |
前期中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
試験答案の返却と解説 |
・試験で間違った問題を正しい解法で解ける.
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10週 |
3.制御系の安定判別(コア) ・線形システムの安定性 ・開ループ系の安定判別 |
・安定性の意味を説明できる. ・ラウスの安定判別法により,オープンループシステムの制御系の安定・不安定を判別できる.
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11週 |
3.制御系の安定判別(コア) ・開ループ系の安定判別 |
・ラウスの安定判別法により,オープンループシステムの制御系の安定・不安定を判別できる.
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12週 |
3.制御系の安定判別(コア) ・閉ループ系の安定判別 |
・ナイキストの安定判別法により,フィードバックシステムの制御系の安定・不安定を判別できる.
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13週 |
3.制御系の安定判別(コア) ・閉ループ系の安定判別 |
・ナイキストの安定判別法により,フィードバックシステムの制御系の安定・不安定を判別できる.
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14週 |
3.制御系の安定判別(コア) ・閉ループ系の安定判別 |
・ナイキストの安定判別法により,フィードバックシステムの制御系の安定・不安定を判別できる.
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15週 |
前期期末試験 |
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16週 |
試験答案の返却と解説 |
・試験で間違った問題を正しい解法で解ける.
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後期 |
3rdQ |
1週 |
(復習)1.モデリング・伝達関数・周波数応答 |
・系のモデルから,振る舞いを記述する方程式を求められる. ・ラプラス変換により伝達関数・周波数応答を求められる. ・逆ラプラス変換により時間応答を求められる.
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2週 |
4.伝達関数に基づく制御系の設計 ・制御工学における補償の概要 ・P制御,PI制御,PID制御 |
・制御器の設計と制御系への効果について説明できる. ・P制御,PI制御,およびPID制御による制御器を適用した線形システムの応答を求められる.
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3週 |
4.伝達関数に基づく制御系の設計 ・P制御,PI制御,PID制御 |
・制御器の設計と制御系への効果について説明できる. ・P制御,PI制御,およびPID制御による制御器を適用した線形システムの応答を求められる.
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4週 |
4.伝達関数に基づく制御系の設計 ・P制御,PI制御,PID制御 |
・制御器の設計と制御系への効果について説明できる. ・P制御,PI制御,およびPID制御による制御器を適用した線形システムの応答を求められる.
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5週 |
4.伝達関数に基づく制御系の設計 ・位相進み補償/位相遅れ補償 ・DCモータの速度制御系の設計 |
・位相進み補償器/位相遅れ補償器の周波数応答を求められる. ・位相進み補償器/位相遅れ補償器を適用した際の制御系への効果について説明できる. ・具体的な応用例としてDCモータの制御系の設計方法について説明できる.
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6週 |
4.伝達関数に基づく制御系の設計 ・位相進み補償/位相遅れ補償 ・DCモータの速度制御系の設計 |
・位相進み補償器/位相遅れ補償器の周波数応答を求められる. ・位相進み補償器/位相遅れ補償器を適用した際の制御系への効果について説明できる. ・具体的な応用例としてDCモータの制御系の設計方法について説明できる.
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7週 |
5.現代制御理論 ・状態方程式 |
・系の振る舞いを状態方程式を用いて記述できる.
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8週 |
後期中間試験 (試験範囲は「4.伝達関数に基づく制御系の設計」である.) |
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4thQ |
9週 |
試験答案の返却と解説 |
・試験で間違った問題を正しい解法で解ける.
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10週 |
5.現代制御理論 ・状態方程式 ・状態方程式と伝達関数 |
・系の振る舞いを状態方程式を用いて記述できる. ・状態方程式から伝達関数への変換,および伝達関数から状態方程式への変換ができる.
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11週 |
5.現代制御理論 ・状態方程式 ・状態方程式と伝達関数 |
・系の振る舞いを状態方程式を用いて記述できる. ・状態方程式から伝達関数への変換,および伝達関数から状態方程式への変換ができる.
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12週 |
5.現代制御理論 ・可制御性と可観測性 ・システムの安定性 |
・系の状態方程式から可制御性および可観測性を判別できる. ・系の状態方程式からシステムの安定性を判別できる.
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13週 |
5.現代制御理論 ・可制御性と可観測性 ・システムの安定性 |
・系の状態方程式から可制御性および可観測性を判別できる. ・系の状態方程式からシステムの安定性を判別できる.
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14週 |
5.現代制御理論 ・可制御性と可観測性 ・システムの安定性 |
・系の状態方程式から可制御性および可観測性を判別できる. ・系の状態方程式からシステムの安定性を判別できる.
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15週 |
学年末試験 |
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16週 |
試験答案返却・解答解説 |
・試験で間違った問題を正しい解法で解ける.
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 制御 | 伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。 | 4 | 前2,前3,前4 |
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。 | 4 | 前2,前3,前4 |
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。 | 4 | 前5,前6,前7 |
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。 | 4 | 前5,前6,前7 |
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。 | 4 | 前12,前13,前14 |
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。 | 4 | 前10,前11,前12,前13,前14 |