線形代数Ⅱ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 線形代数Ⅱ
科目番号 0306 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産システム工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「新版線形代数」岡本和夫監修(実教出版)/「新版線形代数演習」 岡本和夫監修(実教出版)
担当教員 竹花 靖彦

到達目標

1. 行列の定義および 計算を理解し、和・差・実数倍・積が計算できる。
2. 逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列が求められる。
3. 行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求められる。
4. 行列や行列式を利用して連立1次方程式が解ける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1行列についての方程式を、各成分との関係から解くことができる。行列の和・差・実数倍・積などの計算ができる。行列についての記法や用語を理解せず、計算もできない。
評価項目2行列を代数的に取り扱って、行列についての方程式などが解ける。2次の正方行列の逆行列が求められる。逆行列の定義を理解せず、逆行列の計算もできない。
評価項目3行列の線形性や交代性を理解して、発展的な問題も解くことができる。サラスの法則によって3次以下の行列式の値を求めたり、基本変形を利用して一般の行列式の値を求めたりできる。行列式の定義を理解せず、行列式の値を求められない。
評価項目4連立1次方程式が不定や不能となる場合でも、適切に処理してその方程式を解ける。連立1次方程式を行列によって表し、クラーメルの公式で解が求められる。連立方程式を行列によって表すことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
「線形代数Ⅱ」では、これから学んでいく数学や専門科目などの基礎となる科目であり、学習内容をしっかりと身に付けることが望まれる。そのために、授業の予習・復習を継続しながら、問題集など活用して自発的に問題演習に取り組むこと。
授業の進め方・方法:
継続的学習の確認として小テストとレポート課題(宿題)を実施する。レポートについては、態度・志向性(主体性および事故管理力)として評価する。
注意点:
学習内容についてわからないことがあれば、教員室を積極的に訪問して質問すること。原則的には授業担当の教員が対応するが他の教員に当たってもかまわない。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス(0.5h)
行列(1.5h、コア)
・行列の定義・用語・記号を理解する
2週 行列の計算(コア) ・行列の加法・減法が計算できる
・行列の実数倍が計算できる
・零行列の性質を理解する
3週 行列の計算(コア) ・行列の積が計算できる
・単位行列の性質を理解する
4週 逆行列(コア) 逆行列の定義・記号を理解する
・2次の行列の逆行列が求められる
・逆行列の性質を利用した行列の計算ができる
5週 いろいろな行列 ・転置行列を求められる
・対称行列・交代行列の性質を理解する
・直交行列の性質を理解する
6週 行列式(コア) ・行列式の定義・記号を理解する
・2次、3次の行列式をサラスの方法により計算できる
7週 行列式(コア) ・1列目の成分が最初を除いて0であるn次の行列式を計算できる
8週 中間試験
2ndQ
9週 答案返却、定期試験問題解説(0.5h)

行列式の性質(1.5hコア)
間違った問題の正答を理解する
・転置行列の行列式について理解する
・行列式の行や列についての線形性および交代性を理解し計算できる
・行や列の基本変形により行列式の計算ができる
10週 成分に文字を含む行列式

行列式の展開
・行列式の因数分解ができる
・余因子の定義・記号を理解する
・行列式の余因子展開による計算を理解する
11週 行列式の展開
行列の積の行列式
行列式を余因子展開によって計算できる
・行列の積の行列式について理解する
12週 逆行列 ・余因子行列を用いた逆行列の表現を理解する
・3次の行列の逆行列を求められる
13週 行列式と連立1次方程式 ・クラーメルの公式を用いて連立1次方程式が解ける
・解の一つが全て0である連立方程式がそれ以外の解を持つための条件を理解する
14週 行列式の幾何学的意味 ・行列式を用いて平行四辺形の面積や平行6面体の体積を求められる
・外積の定義を理解し、空間での2つのベクトルに垂直なベクトルが求められ、その2つのベクトルでできる平行四辺形の面積が計算できる
・ベクトルの線形独立性が判定できる
15週 期末試験
16週 答案返却、定期試験問題解説 ・間違った問題の正答を理解する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。2
行列の和・差・数との積の計算ができる。2
行列の積の計算ができる。2
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。2
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。2

評価割合

試験小テスト相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合801000010100
基礎的能力8010000090
専門的能力0000000
分野横断的能力000001010