制御工学ⅡB

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 制御工学ⅡB
科目番号 0325 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産システム工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 豊橋技科大・高専制御工学教育連携プロジェクト 編 『制御工学』(実教出版)
担当教員 藤原 亮

到達目標

本科目では,制御工学Ⅰで学んだ知識を基に,フィードバック制御システムの制御理論を習得し,自動制御応用に必要な知識について学習する。具体的には,伝達関数を用いたシステムの表現,システムの定常特性・周波数特性を説明できる方法,システムの安定性判別方法を習得し,基本的なサーボ制御系の基本設計ができるレベルを目標とする.古典制御理論に加え,現代制御理論への導入も行う.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1制御システムの定常特性について説明できるとともに,制御系の設計に適用できる.制御システムの定常特性について説明できる.制御システムの定常特性について説明できない.
評価項目2安定判別法を用いてフィードバックシステムの安定,不安定を判別できる.フィードバックシステムの安定判別法について説明できる.フィードバックシステムの安定判別法について説明できない.
評価項目3補償に関する基本概念を理解し,サーボ制御系の基本的な設計ができる.補償に関する基本概念を理解し,サーボ制御系の基本的な設計方法を説明できる.補償に関する基本概念を理解できず,サーボ制御系の基本的な設計方法を説明できない.
評価項目4現代制御に関する基本事項を理解し,状態方程式表現により系の特性を説明できるとともに制御系の設計に適用できる.現代制御に関する基本事項を理解し,状態方程式表現により系の特性を説明できる.現代制御に関する基本事項を理解できず,状態方程式表現により系の特性を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科目では,制御工学Ⅰで学んだ知識を基に,フィードバック制御システムの制御理論を習得し,自動制御応用に必要な知識について学習する。具体的には,伝達関数を用いたシステムの表現,システムの定常特性・周波数特性を説明できる方法,システムの安定性判別方法を習得し,基本的なサーボ制御系の基本設計ができるレベルを目標とする.古典制御理論に加え,現代制御理論への導入も行う.
授業の進め方・方法:
・本科目は4年後期「制御工学Ⅰ」から継続して制御工学の知識を学習する科目であるため,「制御工学Ⅰ」の内容を十分に理解して授業に臨むことが必要である。
・微積分,ラプラス変換,対数,複素数等の数学の知識が必要となるので,復習しておくこと。
・制御理論は数学的に厳密で精緻な理論体系を備えており,授業においても数学的な記述が多いが,その物理的な意味を把握することが重要である。
注意点:
・課題,演習等は必ず自分で解き,授業中でわからない場合は担当教員に積極的に質問をすること。
評価:定期試験80%(B),課題20%(B)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
制御系と制御理論の意義
・授業の内容,位置付け,評価方法,到達目標を説明できる.
・制御理論の有用性について説明できる.
2週 1.モデリング・伝達関数・時間応答・周波数応答 ・系のモデルから,振る舞いを記述する方程式を求められる.
・ラプラス変換により伝達関数・周波数応答を求められる.
・逆ラプラス変換により時間応答を求められる.
3週 1.モデリング・伝達関数・時間応答・周波数応答 ・系のモデルから,振る舞いを記述する方程式を求められる.
・ラプラス変換により伝達関数・周波数応答を求められる.
・逆ラプラス変換により時間応答を求められる.
4週 1.モデリング・伝達関数・時間応答・周波数応答 ・系のモデルから,振る舞いを記述する方程式を求められる.
・ラプラス変換により伝達関数・周波数応答を求められる.
・逆ラプラス変換により時間応答を求められる.
5週 2.制御系の定常特性(コア) ・最終値の定理を基に線形システムの定常偏差を求められる.
・システムの定常特性を説明できる.
6週 2.制御系の定常特性(コア) ・最終値の定理を基に線形システムの定常偏差を求められる.
・システムの定常特性を説明できる.
7週 2.制御系の定常特性(コア) ・最終値の定理を基に線形システムの定常偏差を求められる.
・システムの定常特性を説明できる.
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 試験答案の返却と解説 ・試験で間違った問題を正しい解法で解ける. 
10週 3.制御系の安定判別(コア)
・線形システムの安定性
・開ループ系の安定判別
・安定性の意味を説明できる.
・ラウスの安定判別法により,オープンループシステムの制御系の安定・不安定を判別できる.
11週 3.制御系の安定判別(コア)
・開ループ系の安定判別
・ラウスの安定判別法により,オープンループシステムの制御系の安定・不安定を判別できる.
12週 3.制御系の安定判別(コア)
・閉ループ系の安定判別
・ナイキストの安定判別法により,フィードバックシステムの制御系の安定・不安定を判別できる.
13週 3.制御系の安定判別(コア)
・閉ループ系の安定判別
・ナイキストの安定判別法により,フィードバックシステムの制御系の安定・不安定を判別できる.
14週 3.制御系の安定判別(コア)
・閉ループ系の安定判別
・ナイキストの安定判別法により,フィードバックシステムの制御系の安定・不安定を判別できる.
15週 前期期末試験
16週 試験答案の返却と解説 ・試験で間違った問題を正しい解法で解ける.
後期
3rdQ
1週 (復習)1.モデリング・伝達関数・周波数応答 ・系のモデルから,振る舞いを記述する方程式を求められる.
・ラプラス変換により伝達関数・周波数応答を求められる.
・逆ラプラス変換により時間応答を求められる.
2週 4.伝達関数に基づく制御系の設計
・制御工学における補償の概要
・P制御,PI制御,PID制御
・制御器の設計と制御系への効果について説明できる.
・P制御,PI制御,およびPID制御による制御器を適用した線形システムの応答を求められる.
3週 4.伝達関数に基づく制御系の設計
・P制御,PI制御,PID制御
・制御器の設計と制御系への効果について説明できる.
・P制御,PI制御,およびPID制御による制御器を適用した線形システムの応答を求められる.
4週 4.伝達関数に基づく制御系の設計
・P制御,PI制御,PID制御
・制御器の設計と制御系への効果について説明できる.
・P制御,PI制御,およびPID制御による制御器を適用した線形システムの応答を求められる.
5週 4.伝達関数に基づく制御系の設計
・位相進み補償/位相遅れ補償
・DCモータの速度制御系の設計
・位相進み補償器/位相遅れ補償器の周波数応答を求められる.
・位相進み補償器/位相遅れ補償器を適用した際の制御系への効果について説明できる.
・具体的な応用例としてDCモータの制御系の設計方法について説明できる.
6週 4.伝達関数に基づく制御系の設計
・位相進み補償/位相遅れ補償
・DCモータの速度制御系の設計
・位相進み補償器/位相遅れ補償器の周波数応答を求められる.
・位相進み補償器/位相遅れ補償器を適用した際の制御系への効果について説明できる.
・具体的な応用例としてDCモータの制御系の設計方法について説明できる.
7週 5.現代制御理論
・状態方程式
・系の振る舞いを状態方程式を用いて記述できる.
8週 後期中間試験
(試験範囲は「4.伝達関数に基づく制御系の設計」である.)
4thQ
9週 試験答案の返却と解説 ・試験で間違った問題を正しい解法で解ける.
10週 5.現代制御理論
・状態方程式
・状態方程式と伝達関数
・系の振る舞いを状態方程式を用いて記述できる.
・状態方程式から伝達関数への変換,および伝達関数から状態方程式への変換ができる.
11週 5.現代制御理論
・状態方程式
・状態方程式と伝達関数
・系の振る舞いを状態方程式を用いて記述できる.
・状態方程式から伝達関数への変換,および伝達関数から状態方程式への変換ができる.
12週 5.現代制御理論
・可制御性と可観測性
・システムの安定性
・系の状態方程式から可制御性および可観測性を判別できる.
・系の状態方程式からシステムの安定性を判別できる.
13週 5.現代制御理論
・可制御性と可観測性
・システムの安定性
・系の状態方程式から可制御性および可観測性を判別できる.
・系の状態方程式からシステムの安定性を判別できる.
14週 5.現代制御理論
・可制御性と可観測性
・システムの安定性
・系の状態方程式から可制御性および可観測性を判別できる.
・系の状態方程式からシステムの安定性を判別できる.
15週 学年末試験
16週 試験答案返却・解答解説 ・試験で間違った問題を正しい解法で解ける.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。4前2,前3,前4
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。4前2,前3,前4
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。4前5,前6,前7
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。4前5,前6,前7
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。4前12,前13,前14
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。4前10,前11,前12,前13,前14

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000