電気電子計測Ⅰ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電気電子計測Ⅰ
科目番号 0326 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産システム工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 電磁気計測,  岩崎俊 著,  コロナ社/知っておきたい計測器の基本 -テスター、オシロ、ネットアナ、スペアナ、ロジアナの原理と使いこなし無線通信シミュレーション,  坂巻 佳壽美、 大内 繁男著,  OHMUSHA
担当教員 丸山 珠美

到達目標

1. 計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。
2. 精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。
3. SI単位系における基本単位と組立単位について理解している。
4. 指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。
5. 倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について理解している。
6. 電圧降下法やブリッジ回路を用いた抵抗およびインピーダンスの測定原理を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1計測方法を偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測のそれぞれについて分類できる。偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測について、計測法の分類を説明できる計測方法の分類について、偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測を説明できない。
評価項目2誤差の種類と代表的な実例を説明でき,統計的な概念で誤差を扱うことができる.具体的な誤差の伝搬を計算することができる.誤差の種類を説明でき,有効数字を意識して数値を扱うことができる.測定値を扱う際に誤差や有効数字について何も考慮していない
評価項目3SI単位の説明ができ,いくつかの具体的な単位標準とその原理を説明できる.SI単位における基本単位と組み立て単位について理解でき,計測標準について説明できる.SI基本単位を説明できない.単位は組み立てられていると言うことが説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本講義では、高精度の計測を実現するために必須である、計測誤差や電気計器の原理を体系的に学習する。本内容は、電気工学技術者が必ず習得しているべき重要かつ基礎的な内容である。どのようにすれば、測定精度を正確に把握し、高精度の測定を可能にできるのか、計測工学をとおして学習する.本科目の履修に当たっては電気回路基礎の直流回路の諸定理,特にキルヒホッフの法則とテブナンの定理について復習をしておく必要がある.
授業の進め方・方法:
例題や課題は、授業内容の理解のカギとなるのでしっかり取り組むこと。本科目で扱う内容は電気電子計測II,計測システムと綿密につながっていく事を忘れないで欲しい.
◎「態度」は、授業中の発言については加点、居眠りや遅刻などについては減点の評価を行う。
◎「レポート」採点は期限内に提出されたもののみ行う
注意点:
※本講義で扱う内容はすべて高専・電気電子系の卒業生として習得していて当然の知識として期待されるコアであることに留意して欲しい.
※計測工学は実験や測定を伴う全ての分野に密接に関連する。また、本講義では数学の基礎を習得していることを前提としている。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス(0.5h)
測定の重要性と測定法の種類(コア)
科目の位置づけ、必要性、学習の到達目標および留意点を理解する。測定法の種類の特徴を理解できる。
2週 測定誤差と統計処理 測定法の種類の特徴を理解できる。測定誤差と平均、ばらつきなどの統計処理ができる。
3週 誤差の伝播、例題演習 演算による誤差の伝播を計算し例題がとける。
4週 最小自乗法による曲線の当てはめ 最小自乗法がなぜ測定値の近似をできるのか理解できる。最小自乗法による曲線の当てはめができる。
5週 単位と標準 SI単位系・単位の定義(コア) 単位の定義と組立を理解できる。
6週 指示計器一般、電流計の設計(コア) 指示計器の分類と電流計の設計ができる。
7週 多重範囲型電流計の設計(コア) 多重範囲型電流計の設計法を理解し、設計できる。
8週 中間試験 中間試験
4thQ
9週 エアトン型多重範囲型電流計の設計 エアトン型多重範囲型電流計と多重範囲電流系の違いを理解し設計できる
10週 テブナンの定理 テブナンの定理を用いた計算ができる。
11週 負荷効果 電流計の負荷効果を計算できる。
12週 電圧計の設計(コア) 電圧計の設計ができ、負荷効果を計算できる。
13週 抵抗の測定(コア) 抵抗値のカラーコードを読める。
14週 ブリッジによる抵抗測定(コア) ブリッジの平衡により抵抗を測定する原理を説明できる。
15週 期末試験 期末試験
16週 試験答案返却・解答解説 間違った問題の正答を求めることができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。3後1
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。3後2
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。3後5
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。3後5
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。4後6
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。4後7
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。4
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。4後12
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。4後14

評価割合

試験小テストレポート態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80105500100
基礎的能力0000000
専門的能力80105500100
分野横断的能力0000000