流体力学Ⅰ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 流体力学Ⅰ
科目番号 0328 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産システム工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 流体力学 シンプルにすれば「流れ」がわかる 金原粲 監修 実教出版
担当教員 本村 真治

到達目標

1. 理想流体の運動を理解し、説明できる。
2. 流れの損失を理解し、説明できる。
3. 流れの中に置かれた物体に作用する流体力を理解し、説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1理想流体の運動の数学的表現を理解し説明でき、各種保存則を導出できる。理想流体の各種保存則(連続の式、運動方程式)を理解し、流れの計算に適用できる。連続の式、運動方程式を流れの計算に適用できない。
評価項目2流れの損失を理解し説明でき、層流の理論解析を管路の流れに適用できる。流れの損失を理解し、管路の圧力損失、速度および流量計算に適用できる。流れの損失を考慮した管路の計算ができない。
評価項目3物体に作用する流体力と相似則を理解し説明でき、流体力解析に適用できる。物体に作用する流体力を理解し、抗力および揚力を計算できる。物体に作用する流体力を計算できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
力学基礎で学習する流体静力学をベースに、圧力と速度の関係、流れが物体に及ぼす力など非圧縮性流体の運動に関する基礎知識を学習する。
授業の進め方・方法:
事前に行う準備学習:
数学(指数・対数,積分),物理(仕事,エネルギ,動力)について理解していること。
力学基礎の学習内容(特に流体の性質および流体静力学)について十分復習しておくこと。
学習上の留意点:
予習復習を怠らないこと。身の回りにある流れに興味関心を持ち、授業との関連性を考えること。
関連する科目:
力学基礎,流体機械,流体力学Ⅱ
学習上の助言:
導出した式や単位は、単に暗記するのではなく、それらの表わす意味を、専門用語を用いて文章として説明できるように心がけることが、理解をより一層深める。


注意点:
JABEE教育到達目標評価 定期試験80%(B-2),小テスト・課題20%(B-2)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス(0.5h)
流れの基礎(1.5h)
学習意義,授業計画,評価方法を理解し学習に生かすことができる.

速度、流量、流れの加速度を理解し説明できる。
2週 流れの状態(2h,コア) 定常流と非定常流、流線・流跡・流脈および流管を理解し説明できる。
3週 連続の式(2h,コア) 連続の式を理解し管内流れの流量計算に適用できる。
4週 オイラーの運動方程式(2h,コア) オイラーの運動方程式を理解し説明できる。
5週 ベルヌーイの定理(2h,コア) ベルヌーイの定理を理解し、管内流れの流速および圧力計算に適用できる。
6週 ベルヌーイの定理の応用(2h,コア) ピトー管、オリフィス、ベンチュリ管などベルヌーイの定理を流速および流量測定に適用できる。
7週 運動量理論(2h,コア) 運動量の法則を理解し、噴流が衝突する平板に作用する力の計算ができる.
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 中間試験の解答解説(1h)

レイノルズ数(1h,コア)
中間試験の間違えた箇所の正答を理解できる。

乱流と層流の違いが説明できる.流れのレイノルズ゙数が計算できる.
10週 管摩擦損失(乱流)(2h,コア) 乱流管摩擦損失をダルシー・ワイスバッハの式とムーディー線図を用いて計算できる.
11週 管摩擦損失(層流)(2h,コア) 層流管摩擦損失をニュートンの粘性法則を用いて解析できる.
12週 物体まわりの流れ(2h,コア) 物体まわりの流れと流体力の関係について理解し,説明できる.
13週 物体の抵抗と翼(2h,コア) 循環と揚力発生機構について理解し,説明できる.
翼に生じる流体力を,抗力係数・揚力係数を用いて計算できる.
14週 相似法則と次元解析(2h) 相似法則と次元解析を理解し説明でき,簡単な関係式を導出できる.
15週 前期期末試験
16週 期末試験の解答解説(2h) 期末試験の間違えた箇所の正答を理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体定常流と非定常流の違いを説明できる。3
流線と流管の定義を説明できる。3
質量保存則と連続の式を説明できる。3
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。3
オイラーの運動方程式を説明できる。3
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。3
ピトー管、ベンチュリー管、オリフィスを用いた流量や流速の測定原理を説明できる。3
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。3
層流と乱流の違いを説明できる。3
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。3
円管内層流および円管内乱流の速度分布を説明できる。3
ハーゲン・ポアズイユの法則を説明できる。3
ダルシー・ワイスバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる。3
ムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる。3
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。3
流れの中の物体に作用する抗力および揚力について説明できる。3
抗力について理解し、抗力係数を用いて抗力を計算できる。3
揚力について理解し、揚力係数を用いて揚力を計算できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ小テスト・課題合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000