到達目標
1.RLC回路の過渡現象を説明できる。
2.回路の各種応答について説明できる。
3.回路の周波数伝達特性を説明できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | RLC回路の振る舞いを微分方程式で表し、その一般解を導き図示することによって過渡現象を説明できる。 | RLC回路の過渡現象を微分方程式の解およびそのプロットに基づいて説明できる。 | RLC回路の過渡現象を微分方程式の解およびそのプロットに基づいて説明できない。 |
評価項目2 | 回路の入力と応答(出力)の一般形について説明でき、各種応答を式の解法に基づいて説明できる。 | 回路の入力が与えられた場合の応答(出力)を求めることができる。 | 回路の各種応答について説明できない。 |
評価項目3 | 回路の周波数伝達特性を式の導出に基づいて説明できる。 | 回路の周波数伝達特性を説明できる。 | 回路の周波数伝達特性を説明できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
RLC受動素子に電圧や電流が急激に加えられる、あるいは逆に、電流や電圧が取り除かれるような場合、その瞬間から回路は別の状態に移るまでの間、定常状態とは異なった振る舞いをする。この現象は微分方程式を解くことによって理論的に解析することができる。この授業の前半では、電磁気学や電気回路の法則に基づいて電流や電圧のふるまいを微分方程式で表現し、その式を解くことによって過渡現象を説明できるようになることを学び、後半では回路解析の出発点ともいえる四端子網を定義し、その入力と出力(応答)の関係に着目して、回路の周波数応答について学ぶ。特に、回路の特性を決める周波数伝達関数を導出し、そのプロットを通して回路応答に関する重要な基礎知識を身に付ける。
授業の進め方・方法:
前半は微分方程式の解法が主になる。そのため、微積分、ラプラス変換やインパルス(δ関数)に関する基礎知識が必要となる。インパルス関数の定義および性質について事前に調べておく必要がある。
後半は複素数の取扱い、すなわち、複素数の絶対値や偏角を求められることが重要となる。すなわち、複素数を複素平面上にプロットできる必要がある。
【関連する科目】電気回路、計測工学、信号処理、制御工学、電子回路
注意点:
微分方程式を解いて求めた解を作図(プロット)できるように心がける。特に、時定数をプロット上で明示できることが大切である。
JABEE教育到達目標評価 定期試験100%(B-3)
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス 過渡現象論 ◇過渡現象の基礎 |
・授業の内容、評価法を知る ・コイルやコンデンサのエネルギーの蓄積や放出を説明できる
・過渡現象の解析方法を説明できる ・RC回路における電流、電圧の過渡的変化を表す式の導出ができ、結果をプロットできる
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2週 |
◇RL直列回路の過渡現象(直流電源) |
・過渡現象の解析方法を説明できる ・RL直列回路における電流、電圧の過渡的変化を表す式の導出ができ、結果をプロットできる
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3週 |
◇RL直列回路の過渡現象(直流電源) |
・過渡現象の解析方法を説明できる ・RL直列回路における電流、電圧の過渡的変化を表す式の導出ができ、結果をプロットできる
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4週 |
◇RC直列回路の過渡現象(直流電源) |
・RC直列回路における電流、電圧の過渡的変化を表す式の導出ができ、結果をプロットできる
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5週 |
◇RC直列回路の過渡現象(直流電源) |
・RC直列回路における電流、電圧の過渡的変化を表す式の導出ができ、結果をプロットできる
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6週 |
◇RL、RC直並列回路の過渡現象(直流電源) |
・RL・RC直並列回路における電流、電圧の過渡的変化を表す式の導出ができ、結果をプロットできる
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7週 |
◇RL、RC直並列回路の過渡現象(直流電源) |
・RL・RC直並列回路における電流、電圧の過渡的変化を表す式の導出ができ、結果をプロットできる
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8週 |
前期中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
試験答案返却・解答解説 ◇RLC直列回路の過渡現象(直流電源) |
・誤解答部分や未解答部分の正当な解法を確認できる ・RLC直列回路における電流、電圧の過渡的変化を表す式の導出ができ、結果をプロットできる
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10週 |
◇RLC直列回路の過渡現象(直流電源) |
・RLC回路における電流、電圧の過渡的変化を導ける
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11週 |
◇RL直列回路の過渡現象(交流電源) |
・正弦波交流電源を含むRL回路における電流、電圧の過渡的変化を導ける
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12週 |
◇RC直列回路の過渡現象(交流電源) |
・正弦波交流電源を含むRC回路における電流、電圧の過渡的変化を導ける
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13週 |
◇ラプラス変換を使った過渡現象の計算 |
ラプラス変換を使って、回路の過渡現象を求めることができる。
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14週 |
◇ラプラス変換を使った過渡現象の計算 |
ラプラス変換を使って、回路の過渡現象を求めることができる。
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15週 |
前期期末試験 |
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16週 |
試験答案返却・解答解説 |
・誤解答部分や未解答部分の正当な解法を確認できる
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後期 |
3rdQ |
1週 |
回路網の基礎 ◇二端子対回路 |
・回路網の入力と応答について説明できる ・電流および電圧のパラメータ表記を説明できる
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2週 |
◇二端子対回路 |
・回路パラメータの定義について説明でき各種パラメータを求めることができる
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3週 |
◇二端子対回路 |
・回路パラメータの定義について説明でき各種パラメータを求めることができる
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4週 |
◇二端子対回路 |
・回路パラメータの定義について説明でき各種パラメータを求めることができる
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5週 |
線形システム ◇線形システムの性質 |
・線形システムの性質を説明できる
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6週 |
◇インパルス応答 |
・インパルスを入力した場合のシステムの応答が求められる
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7週 |
◇たたみこみ積分と伝達関数 |
・たたみこみ積分と伝達関数の関係を説明できる
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8週 |
後期中間試験 |
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4thQ |
9週 |
試験答案返却・解答解説 ◇伝達関数の極と零点 |
・誤解答部分や未解答部分の正当な解法を確認できる ・システムの安定性について説明できる
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10週 |
◇伝達関数の極と零点 |
・伝達関数の極と零点を求めることができる
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11週 |
フィルタ ◇一次フィルタ ・伝達関数およびボード線図 |
・1次フィルタの周波数伝達関数を導くことができる ・伝達関数からボード線図を描くことができる
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12週 |
◇一次フィルタ ・伝達関数およびボード線図 |
・1次フィルタの周波数伝達関数を導くことができる ・伝達関数からボード線図を描くことができる
・フィルタをカスケード接続した場合の伝達関数を導くことができる
・伝達関数からボードプロットおよび位相プロットを描くことができる
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13週 |
◇二次フィルタ ・伝達関数およびボード線図 |
・2次フィルタの周波数伝達関数を導くことができる ・伝達関数からボード線図を描くことができる
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14週 |
◇二次フィルタ ・伝達関数およびボード線図 |
・2次フィルタの周波数伝達関数を導くことができる ・伝達関数からボード線図を描くことができる
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15週 |
学年末試験 |
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16週 |
試験答案返却・解答解説 |
・誤解答部分や未解答部分の正当な解法を確認できる
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電気回路 | RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。 | 4 | |
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。 | 4 | |
制御 | 伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。 | 3 | |
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。 | 3 | |
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。 | 3 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |